なんでもかんでもインプットしたほうがアウトプットの質は高くなる、っていうけど、それでも正規分布に沿ってる感じの質と量のバランスが大事だよね、というお話

とにかくたくさんインプットすることで、アウトプットの質が高くなる。

みたいなお話がありますよね。
とはいえ、インプットの質と量のバランスは見ておいたほうがいいですよ、という、至極当然のことをこれから長々と解説します。

なお、質の高いインプットやアウトプットとは何かを、まず適当に定義しておきます。それは、以下のいずれか、または複数に当てはまるものとします。

  • ためになる感じがして、実際けっこうためになる。

  • 具体化、または抽象化することで得られる知見が大きい。

  • 特定の事象にめっちゃ役立つ。

  • それに触れていると(できればポジティブな方向に)感情が大きく動く。

そんな感じです。
(上記の適当でいかにも語弊がある定義を鑑みるに、当コンテンツの質は高くないことがご理解いただけるでしょう。)

アウトプットするならインプットにも注意を払ったほうがいいよ

何かしらのアウトプットをするのであれば、インプットする内容にも注意したほうがいいです。
と、書いていて思ったのですが、例えばSNSでの書き込み、あるいは会社でのチャットやメッセージのやりとり、友達との会話など、なんでもかんでもアウトプットと言えばアウトプットだな、と思いました。

創作とかコンテンツ制作を生業にしていたり趣味にしていたりするなら、「インプットに注意してみてね!」という話は納得感があるし、今さらな話題だと感じるでしょう。
ですがそうでない方も、なんとなーく、普段自分はどんなものをインプットしているのかについて注意してみてはどうでしょうか。なぜなら、インプットの内容は自分のアウトプットに少なからぬ影響を与えるためです。

と、いうよりも、我々は完全に100%自分のなかに答えをもっていることはほとんどなく、大抵は、外部から得た情報(=インプット)を組み合わせて判断しています。インプットの蓄積によってアウトプットの大枠が決まる、と考えていいでしょう。

インプット量よりまずは質をチェックするのがオススメ

インプットの量を増やしまくるよりも、なんとなく、
めちゃ良いやつ少なめ、
普通のやつ多め、
あんまり良くないやつ少なめ、
っていう正規分布に沿った分量を守ってインプットできてるか、チェックしてみることがオススメです。

仮に10冊の本を読むなら、

超絶良書:1冊
けっこうためになる本:2冊
可もなく不可もない普通のやつ:4冊
心に残らない微妙なの:2冊
クソ悪書:1冊

くらいのバランスでしょうか。
少し詳しく解説します。

質が良すぎるものにしか触れていないと、真似するきっかけがつかめない

制作に限らず、多くのアウトプットは真似から始めるのが基本です。
あんまりにも良質なものにしか触れていないと、自分がインプットしてきたものを真似することができず、アウトプットに活かせません。

とはいえ、もしインプットできる機会が少ないなら、一番多く摂取すべきは良質なインプットです。
それに、ちょっとくらい正規分布を壊して良書を3冊くらい読んでも、特に劇的に悪影響はありません。インプットがそもそも趣味、という人は、あんまり気にしなくていいかもしれません。

ですが、たまーーーに見かける「良質なアウトプットのためには、良いインプットしかしたくない!」みたいな人に対しては、そんなうまくいかんぞ、とお伝えしておきたいです。

普通のものだけに囲まれると、外れ値に気づけない

「普通のものからは、普通のものしか生まれない」と言いたいわけではありません。
めちゃめちゃ良いまたはクッソ悪いものが存在することをそもそも知らない、それがどういうものかという感覚がない、という点が問題なのです。

良いものを知るからこそ、ちょっとでも近づこうとします。
悪いものを知るからこそ、そうならないように注意します。

そして世の中にあるものは、「そうやって努力して注意した結果、なんとかかんとかギリギリのところで普通のものができている」という状況にあります。

ご安心ください。あなたが必死にインプットをなんとかして、めっちゃ苦労してようやく生み出したものは、なんとなく多くの人にとっては、「可もなく不可もない普通のやつ」のうちの1つに分類されるでしょう。
世にあるコンテンツの多くが(正規分布に従うなら)、半分は平均以下なのです。
ですがそれをしないと(知らないと)、そもそも平均よりもはるか下のものができてしまうのです。

質が悪いインプットだけだと、さすがに良いものは生まれにくい

アウトプットの多くは、インプットへの真似から始まるとは前述したとおりです。
さすがに、インプットの質が悪すぎると、良いものはなかなか生まれないでしょう。真似する対象の質が悪いので。

おんなじ主張を擦り続けるやつとか、科学的根拠に乏しくて妄想ばっかりのやつとか、そういうやつばっかりを大量にいくつもインプットしても、良いアウトプットは生まれないでしょう。

当コンテンツでの最大の主張は、こちらです。
「めちゃめちゃインプットの量多いですよ、ぼく! Twitterで有名人の名言とかたくさん読んでるんで!」みたいな人。それはもうちょっと、インプットの質に気を配ったほうがいいですよ!

エコーチャンバーにも注意

エコーチャンバー(エコーチェンバー)現象とは、例えばSNSなどで自分の意見や思想が肯定されてばかりいる場所にいると、特定の意見や思想が共鳴するように増幅され、良くない感じに思い込みが激しくなっていくことです。
よく、カルトや陰謀論などで語られますね。

SNS上で良いこと言ってるふうのなんたらbotとかばっかりフォローしてそれ漬けのタイムラインを毎日見てるとか、「〇〇界隈とつながりたい」とかで仲間になった人とだけしか会話してないとか。

一見すると、最初に定義した「質が高いインプットやアウトプットとは何か?」の項目を満たしたコンテンツを摂取していると当人は誤解します。
ですがそれは、社会的平均から見ると下ぁああぁぁあああぁーーのほうのやつです。
なまじ、「なんか自分が成長してる感じする!」「自分の正しさが、またしても証明された!」という快感があるので、なかなか抜け出せない点も問題です。
当コンテンツで二番目に大きな主張は、こちらです。

正規分布に沿ったインプットをするには

インプットの質が偏っちゃうとあんまりよくない感じになりそうです。
じゃあ、どうすればいいの? という点についてお伝えします。

とても簡単です。手順は以下のとおり。

  1. まず、普通にインプットする。

  2. インプットした結果を、簡単でいいのでまとめる。

  3. まとめた結果に従い、対策を実行する。

まとめた結果が正規分布に沿ってた

いい感じです。この調子でインプットしていけばいいでしょう。
対策は完了です!
ぜひアウトプットに活かしましょう!

「めちゃ良いやつ」が少ない

大抵の場合、こうなります。そのときは、もう、ネットの力に頼りましょう!
SNSとかを散々悪く言ってゴメンな! たんと集合知のことは信じてるんだ!
評判がいい本とか、よく見られている記事とかを読みましょう。
たぶん、そこそこバラツキがあるインプット評価なら、普段からある程度の幅があるジャンルやコンテンツに触れているのではないでしょうか。
そういう人は、ネットを使うのもうまい! はず!

うまいこと「めちゃ良いやつ」を引き当てたら、インプットの分布がいい感じになるでしょう。その際、多少「評判倒れだった」みたいなやつに出会っても、まぁ仕方ない。
だいたいイイ感じになればOKです。毎回毎回、そんなうまくいかないって。
これで対策は完了です!

「めちゃ良いやつ」ばっかり!

そんなうまい話があるか! エコーチャンバーにいるかもしれんぞ!
自分の意見や思想や主義主張が凝り固まってきていないか、周囲の人と意識のすり合わせをしてみましょう。
コミュニティー外の人の話に耳を傾けるのも良いでしょう。

例えばこれ、「自分って頭いいよなぁ」みたいに思っている驕った勘違い野郎にも当てはまります。
『正規分布』なんて、普通に生活している会話には絶対出てこないから、一般語彙じゃないですよね。そんな言葉をパッと文中にブッ込んでくるようなやつは、完全にダメです。「これでしっかり伝わるか?」というような感覚が欠如しています。
そうならないように、「社会一般の感覚って、どうなんだろう」という疑いは常にもっておくことをオススメします。

できればネットだけではなく、実社会の、それもいろいろな年代の人の声を聞いてみるのをオススメします。

うまいこと自分の立ち位置を調整できたら、再度インプットしてみましょう。「めちゃ良いやつ」ばっかりにならなければ、対策は完了です!

「あんまり良くないやつ」が少ない

正規分布だなんだと言ってきましたが、要するに「めちゃめちゃ質が偏ったインプットをしていないかに気をつけたいね」というだけの話です。
今回は、「あんまり良くないやつ」が少なかったなら、その回のインプットは概ね幸せで実りが多いものだった、ということです。

結局のところ、多くのコンテンツは「普通」なことが多いものです。いくつもインプットしていれば、運悪く、たまたま合わないコンテンツを引き当てちゃうこともあります。
たまたま今回は運よく「あんまり良くないやつ」が少なかっただけで、毎回こんな幸運なインプットで終えられるものではないはずです。

あえて評判が悪いコンテンツを摂取することはせず、比較的平穏なインプットで終えられたことの幸運を噛みしめましょう。
対策は完了です!

まとめ

あなたがインプットしたそれは、誰かのアウトプットだったものです。

あなたががんばって生み出したアウトプットも、誰かにインプットされ、なんとなく多くの人にとって「可もなく不可もない普通のやつ」のうちの1つに分類されてしまうでしょう。
ですが、一部の人にとっては超絶な良書にもなるし、クッソ悪書にも感じられる可能性を秘めています。

そんな感じで、いい感じでインプットしつつ、楽しくアウトプットしていきたいですね!

それでは、みなさんに良きクリエイターライフがあらんことを。

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