そのSEOは、なんのため?~SXO的SEOの実践手法~3/3

『ライティング(文章の中身)』を主軸に、どんな文章にしたら良いページだと思ってもらえる(≒検索順位が上がる)か? のお話。今回はとうとう、SXO的SEO手法の3回目にして最終回。

・これをやっとけ!(別のページで解説)
・これはやっちゃだめ!+対策方法(前回のページで解説)
・小ワザ(このページで解説)

上記のように切り分けたうち、もっとも実践的な「じゃ、どうすりゃいいの?」のお話をしていきます。さっそくどうぞ!

共起語で記事内容をアピール

共起語とは、あるキーワードと一緒に利用される頻度が高い、いわば「キーワードの周辺の言葉」です。この共起語を適切に記事内に入れて、どんな記事なのかをアピールしましょう。

例えば、「野球」というキーワードが書かれているページがあったとき。
それだけだと、どんなページかわかりません。

ですが、そのページ内に
打率を上げるには」
遠投できるフォーム鍛え方
などがあれば、これは「野球をプレーしていて、うまくなりたい人のためのページだな」と、いうことがわかります。

あるいは
バットの選び方」
ユニフォームの作り方」
のような言葉があれば、「これからプレーしたい人向けだな」とわかります。
さらに追加で
グラウンドの見つけ方」
審判資格を取るには」
という言葉があれば、「たぶん部活などではなく、アマチュアで草野球チームを作りたい人向けかな」と、想像できます。

共起語を入れるのは、読者に伝えるためであるのは当然ですが、AIのためでもあります。記事を読み、どんなページか判断してくれるGoogleロボットへ「この記事は、こういう内容なんですよ!」と、強くアピールする目的もあるのです。

訪れた人の検索単語を想定し、満足してもらえる内容にする

自分たちのページや商品や情報は、どんな単語で検索した人たちにとって最適であるかを考えましょう。

例えば、「サッカー コツ」というような単語をキーワードに設定したとしましょう。
でも、その記事の内容が「“サッカー好きな自分”を語る記事」だったら、どうでしょうか?
ページにたどり着いた人の多くが、「そうじゃない!」って思うはずです。たぶん、サッカーでプレーする際のコツを知りたかったのに、当てが外れたからでしょう。こういうのは、良くないです。

「サッカー コツ」だったら、サッカーのコツを書く。
「香水 ランキング」だったら、香水のランキングの記事にする。
「映画 見放題」だったら、サブスクリプションの動画サービスの記事にする。

来た人が「なぜ来たか」を想定し、期待に応え、満足してもらえる記事にしましょう。

マイナス要素や不都合な事実も入れ、信頼性を上げる

サービスや商品を扱う人たちは、自分たちが扱うモノのネガティブな要素は、なるべく入れたくないものです。
でも、そこでネガティブな要素を全部隠してしまうと、「なんかやたら自社サービスを誉めそやす、怪しげなページ」になってしまいます。

恐れずに、ある程度はマイナス要素や、自分たちにとって不都合な事実も書いておきましょう。

誠実な印象を与えることにつながり、結果的にその後に続くアクション率を上げられるばかりか、Googleのガイドライン上で重視されるTrustworthiness(信頼性)も補強できます。

自分たちの指標にあったワードを選定する

前回、「安易に〇〇とは? 系のキーワードを取らないほうが良い」というお話をしました。
訪問者のその後のアクションにつながらず、情報を得たことで満足して帰ってしまうからです。

「〇〇+値段」
「〇〇+地域名(東京とか、渋谷とか)」
「〇〇+方法/やり方/買い方」
「〇〇+おすすめ」
など、アクション率の高いキーワードにしたほうがいいでしょう。

ここでいう「アクション率」の「アクションがなんであるか」が、「自分たちの指標」と関わっています。

・電話やメールで問い合わせをしてほしい
・資料をダウンロードしてほしい
・その場で商品を購入してほしい
・継続購入に申し込んでほしい
・試供品を手にしてほしい
・メールマガジンを登録してほしい

記事には目的があり、それはだいたい数値目標です。

リンク先の提携ECサイトへ飛んでもらい、そこで購入してもらいたいなら「〇〇+ランキング」や「〇〇+おすすめ」が有用でしょう。
資料ダウンロードをしてほしいなら、「〇〇とは?」系のワードも有効になりえます。

まずは、自分たちが目指すべき指標と合致したキーワードを設定すること。成果が出ないようなら、キーワードと指標が本当に合っているか、確認・検証してみるといいでしょう。

コンバージョンまでを想定し、構成案を作る

コンバージョン(ページの目指すべき成果)を得るため、どのようにユーザーに動いてもらうのか。ユーザーにどう思ってもらい、コンバージョンしてもらうのか。

そんな想定を組み上げ、構成案に落とし込みましょう。

ユーザーの動き(カスタマージャーニーマップ)の考え方構成案の作り方は以前ページにしています。

・ページを訪れる前のユーザーはどういう心境だったか?
・なぜこのキーワードを検索したか?
・なぜこのページにたどり着いたか?
・このページでどう感じたか?
・どんな理由があって、コンバージョンしてくれるのか?

上記をストーリー立てて想定し、構成案として残しておきましょう。
コンバージョン率が悪かったなら、想定したストーリーが間違っているかもしれません。そんなとき、構成案があると振り返ったり修正したりがやりやすくなります。

その他の小ワザ

文章全体で、だいたい2,000文字以内くらいにする
日本人がストレスなく読み進められるのが、計算するとだいたい2,000文字くらい、とのこと。
読むのがツラくなってきたとき、よほど強いモチベーションがない限り、ページから離脱します。何か売りたかったり、宣伝したかったりするページなら、なおさら。
個人差があるので、2,000文字より少なくする、と考えておけば良いでしょう。
私のページは2,000字は大抵オーバーしています。ストレスかけてごめんな!!

別単語との“誤解”に気を配る
クラブ、ドライバー、パターと言えば「ゴルフクラブの話かな?」とわかります。ですが、単体で「クラブ」と聞くと「音楽とかが流れてる、踊ったりする場所?」「銀座とかにあって、ママとかがいるところ?」「部活みたいなもの?」と、なんの話か想定できません。
「ドライバー」も、車を運転する人のことかも。
ページを評価しているAIもこのあたりをうまく区別できず、「単語ごとに」見てしまいます。
ほかの意味の単語と誤解されないよう、毎回必ず略さずに書くなど、書き方を工夫しましょう。

キーワードの送り仮名を精査する
前回も「表記ゆれ」の項で少し話しましたが、「売り上げ」「売上げ」「売上」は、それぞれAIに別単語として認識される可能性があります。
前提として、表記ゆれは避けること。そのうえで、どの表記を採用するかは、対象キーワードの検索率をもとに決めましょう。

タイトルや見出しにはキーワードを入れる
何がキーワードか? をAIに判断してもらったり、ページにたどり着いた人に「そうそう、こういうページを探してたんだよ!」と思ってもらって読んでもらうには、目立つ場所にキーワードを入れておくことが肝心。
真っ先に目にするタイトルや最初の見出し、さらにはメタディスクリプションにもキーワードを入れておくと良いでしょう。

余計なお世話シリーズ:ビッグワードからは撤退も視野に

想定するライバルサイトが強すぎたりしていないでしょうか?

自分たちが挑んでいる領域が、大手ひしめく死屍累々のレッドオーシャンではないでしょうか?

私は結構、
戦略-戦術-戦闘
という単位で考えるのが好きです。

全体の指標となる戦略があり、さまざまな重要局面で勝つための戦術があり、一戦一戦の現場で勝つための戦闘がある。

現場で「このワードを取る記事を書け!」と指示されている場合は、どうしようもないことが多いです。それはもう、戦闘行為のお話なので。しかも、負け戦。

神々が頂上決戦しているビッグワードに突っ込んでいって、まったく検索上位に表示されないとしたら、それは現場でどれだけSEO対策をやってもムリ。その戦場で戦え! という指示が間違っており、戦略や戦術がミスっているからです。
戦術や戦略の段階での失敗は、どう足掻いても戦闘では取り戻せません。

ですが、「どの領域でワードを取っていこうか?」みたいな、戦術や戦略を策定する段階なら、まだ方向転換はできます。必ずニッチな分野は存在しており、「取れるキーワード」を狙いさえすれば、必ず検索上位になれるのです。
勝てる見込みのない戦場にリソースをつぎ込み続けて疲弊するより、そこからは撤退して別の領域を狙ったほうがいい……かもしれないことも、あります。

検索エンジンへの対応も最低限は必要

ここまではライティングに絞ってお伝えしてきましたが、ちょっとだけ技術的なお話。

前述の共起語の項でもお話しましたが、Googleに「先生、ウチら、ちゃんとやってますよ!」とアピールすることも大事です。

Googleのガイドラインにおける、「一般的なガイドライン」を少し見てみましょう。

一般的なガイドライン
Google がページを検出できるよう手助けする
Google がページを理解できるよう手助けする
訪問者がページを利用しやすいよう手助けする
引用:ウェブマスター向けガイドライン

共起語を入れることで、「Google がページを理解できるよう手助けする」を補強できます。

ほかにも、とても簡単なやっておいて損はない手法があるのでご紹介します。

グローバルナビゲーションとパンくずリストを整備
「訪問者がページを利用しやすいよう手助けする」のためになります。
「グロナビとパンくず」ってなんじゃ? という方は、ぜひ! ググろう!(丸投げ)

また、「Google がページを理解できるよう手助けする」の一助にもなるというウワサもあるので、やっといて損はないです。

とりあえず構造化マークアップ
「会社名:〇〇株式会社」と書いてあっても、Google的には「会社名:〇〇株式会社、という文字列」としか理解できません。それが会社名であることは、わからないのです。
ですが、構造化マークアップをすると、Googleが「ここに書いてあるのは、会社の名前なんだな!」ということが、「意味」で理解できるようになります。
タグ(<div>とか、そういうあれね)で、例えば会社名を示したいときはこのタグを使ってね、といったものを、Googleとか大きい会社数社が指定しています。
それを使えば単なる文字列やテキストではなく、どんな意味かをAIに理解してもらえます。
これは「Google がページを理解できるよう手助けする」を強化できます。

よくわかんない人は「構造化マークアップ」とか「構造化データ」とかでググろう! CMSとかに、ちゃんと仕込んでもらおう!

まとめ

・共起語を使って、どんなページかをアピールしよう。
・訪れた人のニーズに合った内容にして、満足してもらおう。
・マイナス要素も正直に入れて、信頼性を上げよう。
・自分たちの指標とワードが合っているか、検証しよう。
・コンバージョンに至るストーリーを、構成案でまとめよう。
・その他の小ワザもたくさんあるので、調べてみよう。
・負け戦が続くなら、上位レイヤーから考え直そう。
・技術的なことも、最低限は把握&実践しておこう。

これらはあくまで、じっくりと良いページにしていって、結果的に評価が上がっていき、検索順位も上がるよね、という想定のもとに考えられた対策です。

一発でバーン! 明日にはドーン! と、即効で大きく効果を発揮するような、そんなSEO対策は、もう(たぶん)ない、と考えておきましょう。

つまらない結論かもしれませんが、地道に正直に誠実にやっていくのが一番効果を発揮します。そして、それをGoogleが評価する、とお墨付きも与えてくれています。

ここはひとつ、焦らずに、みんなで一緒に良いクリエイティブを制作していきましょうや。

それでは、みなさんに良きクリエイターライフがあらんことを。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?