「羊の木」人を受け入れることの難しさ

「桐島、部活やめるってよ」の吉田大八監督が錦戸亮を主演に迎え、山上たつひこ原作・いがらしみきお作画の同名コミックを実写映画化したヒューマンミステリー。寂れた港町・魚深にそれぞれ移住して来た6人の男女。彼らの受け入れを担当することになった市役所職員・月末は、これが過疎問題を解決するために町が身元引受人となって元受刑者を受け入れる、国家の極秘プロジェクトだと知る。月末や町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は明かされなかったが、やがて月末は、6人全員が元殺人犯だという事実を知ってしまう。そんな中、港で起きた死亡事故をきっかけに、町の住人たちと6人の運命が交錯しはじめる。月末の同級生・文役に木村文乃、6人の元殺人犯役に北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平と実力派キャストが集結。「クヒオ大佐」の香川まさひとが脚本を手がける。ー映画.comより

人を受け入れることの難しさは社会にはたくさんあると思う。
会社に人が入ってきたとき
学校に転校性が来た時
彼氏・彼女ができたとき
隣人が越してきたとき
などたくさん日常生活には人を受け入れる事が多い
この作品は「受刑者・犯罪者」を受け入れることを題材にしているが、犯罪者を受け入れることの難しさということよりも人を受けれることの難しさを感じた。

作品の物語の中でも各々の葛藤と受け入れる側の葛藤が描かれていて非常に考えさせられた。
特に田中眠演じる、元ヤクザの大野とその受け入れ先の安藤玉恵演じるクリーニング店の店主内藤の掛け合いは受け入れることの難しさとそのことを超えたきっかけは感動的でした、居場所は間違いなくそこにあった。
(あの人とあの人の受け入れ先の話ももっとあってもいいのかなぁとは感じました。もちろん受け入れられて馴染めず孤立する描写とかあってもいいのかなぁと)

そして、祟られているのか祀られているのかわからない「のろろ」の存在は受け入れざる者へのリアクションなのかもしれないなと思います。

見ればわかると思いますが、受け入れることの難しさは「受け入れられる側」にもあるという事がわかると思います。
歓迎ムードでもはなっから、本人は受け入れられることなどどうでもよかったのかなと。

宇多丸曰く吉田大八作品のテーマとして「客観的にはどれだけ非合理に見えても人はある種の夢を見ないながらじゃないと生きられない、そうじゃないとこの世には救いがなさすぎる。」というのが刺さる映画だったと思います。
(もっと書きたいことはあったけど、ネタバレになりそうなので。)

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