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男がタイツを履く時代

タイツというかももひき?レギンス?なんだけども、主に黒、せめてダークグレーとかの色ならまだしも、私の友人は昔ながらの白を履く。

まったく持って意味がわからない。

小さい頃はおばあちゃんに
『寒いし、風邪ひきやすいんだから履きなさい』
とうるさく言われてきた。

中学生に差し掛かるくらいになると抵抗して
『風邪なんかひかないから履かねえ!』
なんて言い続けていたら、なにも言われなくなった。

今度は弟が言われるようになり、弟は家で白いももひきを履いていくと、学校では膝くらいまで裾をまくってチラ見も許さないようにする。

そしてそれがおばあちゃんにバレると怒られるので、家に帰る頃にはまた元に戻す。

『なんか、かわいそうだな』という思いと、『まあ確かにお前は風邪引きやすいしな』が葛藤して、弟が帰り道の土手で、ももひきを膝からくるぶしまで下げているのを目撃した時は、
『まあ恥ずかしいよなあ』と声をかけた記憶がある。

そんな私たちの小学生時代は黒いレギンスやヒートテックのようなものがあるという概念がなかった。

今は秋頃になるとすぐにヒートテックを履いているのに。
(なんの恥ずかしげもなくね)

しかし、未だに小学生の頃の思いが残っているのか、単に今冷静に考えてみても温泉とかですら、見られると恥ずかしい白いももひきを履く友人に『それはないぜ』
と、もうひとりの友人と一緒に注意喚起。

なんなら罵声まで浴びせて、それを彼は
『家から持って来たし、見えないからいいじゃん。もし女の子とそういう雰囲気になったときでも、ズボンと一緒に下げれば見えないし、うまくやり過ごせるでしょ。それに暖かいよこれ。』
という友人に最初はアホかこいつと思っていた。

しかし、今思い返して考えてみると、彼の白ももひきを履く行為は勇気ある行動なんじゃないかとまで思えてくる。

彼の古風な一面は尊敬する部分もあるが、それでも私は白は履かないし、買わない。

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