Seiro Matsushima

奈良の修行僧です

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2020年5月18日(月)から中国・厦門にあるRed Dot Design Museumで開催されている「Social Design Exhibition Asia 2020」で、おてらおやつクラブの活動が紹介されています。 ▼Social Design Exhibition Asia 2020 http://en.red-dot.cn/index.php?a=show&m=Anli&id=14 ▼Red Dot Design Museum Xiamenで活動が紹介されてい

    • ひき算のひび

      中止にしましょう。延期にしましょう。ずいぶんと予定表の白いところが増えてきました。なにをもって不要不急とするかはそれぞれだとおもいますが、大きくなりすぎた自分のなかにあった本来の自分が少しは見えてきました。 仏教は引き算だといろいろこねくり回さなくともこういうときにボロボロと崩れ落ちていくものなのかもしれません。 こうしてインターネットを通じて未だお会いしたことのないかたとのつながりに支えられている日々ですが、このつながりは、いつの日かお会いできることを楽しみにしていたつ

      • 「空き地」という考え方(鷲田清一先生@法然院)

        鹿ケ谷法然院。奈良から一時間半ほどかけて通うには少し遠いお寺だけれども、日々の修行生活(いや、煩悩生活)の中で溜まりに溜まった疑問、矛盾、仮説をたくさん抱えてその検証に訪れる場所。 自分にとってお寺参りとは、仏さまに会いに行く場所であると同時に、何をするでもなく足を運び、そこで自分が思うままに思考を巡らせ、巡らせた思考を着地させる、いやもっと先へと飛ばす、この先に進む方向を見定める、そんな時間を過ごす場所でもある。 2019年7月19日に開催された「第63回 法然院 夜の

        • どうして今、お寺の社会活動が、グッドデザインなのか?

          2019年4月27日杭州国际博览中心で開催されたAlibaba Design UCAN 2019で講演した内容の書き起こしです。 大家早上好。 我来自日本,我是松岛靖朗。 みなさんこんにちは。日本からやってきました、松島靖朗です。 Why now are the activities of the temple good design? どうして今、お寺の社会活動が、グッドデザインなのか? 今日はそんなテーマで皆さんにお話をしたいと思います。 どうぞよろしくお願いい

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        • 如是我聞(坊さんが経をこいた)
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          とんちんかんな寺院マーケティング

          最近、いわゆる「彼岸寺」的なサイトがまた増えてきている。そんなに需要あるのかね?あちこちから取材依頼、連載依頼など声かけてもらうが(思い出してくれてありがとう)実際のところ、下心が見え隠れして困惑している。きもい。 あるキーワードで検索してくるユーザーのトラフィックがほしくて記事を書きませんかと近づいてくるサイト。ほんと迷惑していたが、最近グーグル先生が一掃してくれたようでよかった。なんの下調べもなく活動の質問を送ってきて、スケジュールの都合で今週中に回答してくださいという

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          2018/08/23 地蔵盆

          台風の影響で雨が降ったりやんだりの合間を縫って村の中にある4箇所のお地蔵さんでお勤めをしてきました。例年、一人でこじんまりとお勤めをしていたこの日ですが、今年から僧侶三人でお勤め。念仏道場です。紙芝居もいれながら子どもたちと手を合わす時間を過ごしました。 毎年最後に訪れる村の池の畔にあるお地蔵さん。3年前に朽ち果てていたお地蔵さんを近所に住むおじいさんとおばあさんが新しく建立されました。この地域の子供達を末永く見守ってくれますように。胸が熱くなる尊いお姿でした。 今年おじ

          2018/08/23 地蔵盆

          2018/08/01 ステルス東京

          年に数回、息子を都会へ連れて行く。久しぶりに会いたい友人知人ともニアミスしているだろうけど、ステルスモード。息子は衣を着ていない父ちゃんをどう思っているだろう。どこにいっても本屋さんに行く人、カレーしか食べない人と思っているかもしれない。 地方と東京の二箇所での生活がある人はみな実感していると思うが、とにかく東京は歩く街。地方、田舎での生活は車があるので意外と歩いてない。東京はまあとにかく歩く。色んな意味で歩かせる。そして一番歩くのが地下街。 お気に入りは東京駅地下街(大

          2018/08/01 ステルス東京

          2018/07/30 最近考えていること

          色々とご縁が広がり「とりあえずやってみる」で走りながら考える日々です。次にお会いしたときに話題になれば、アドバイスいただければ、ということで今考えていることをつらつらと書いてみます。 子供の頃から多動症で日常生活を送ることがしんどかったんですが、ここにきて短期記憶の低下が激しくなってきています。老いの波も押し寄せてきています。とにかく一つのことに集中できない。でも常に八つぐらいのことに集中している。矛盾しているようで、実際そんな感覚です。身近でお世話いただいている方々に迷惑

          2018/07/30 最近考えていること

          2018/07/20 AI技術はよ

          「お父さん、お父さん!またロボットいてるで!」 「おお、しゃべったって!毎日いてんのに、みんなに無視されてるしカワイそうや。」 「12掛ける12は〜?」 「コンニチハ・ボクペッパーダヨ・オナカノタッチパネルヲオシテ・・・」 「はよ、12掛ける12は〜?」 「コンニチハ・ボクペッパーダヨ・オナカノタッチパネルヲオシテ・・・」 「あかん、お父さん、かえろ〜」 デジタルネイティブの次の世代の感覚はどうなっていくんだろう。 AI(AI技術)に労働が奪われてしまうと危機感を持つ人

          2018/07/20 AI技術はよ

          2018/07/15 守破離というが・・・

          いろいろな人がいる。 平安・鎌倉時代から脈々と続く宗派仏教教団のなかで、僧侶としての資格を得、複雑に入り組んだ現代社会に鋭いメスを入れようと様々に活動する人たち。 ちかごろは「守破離」の「破」と「離」が好きな人が多いようだ。あなたはどうやって「破」ったのですか?あなたのその「離」れた姿は、社会に出ているからできるものなのでしょうか?いろいろと話しているとこういう話題になる。 Wikipediaによると「守破離」とは 守破離(しゅはり)は、日本での茶道、武道、芸術等にお

          2018/07/15 守破離というが・・・

          2018/06/24 似て非なるもの

          なにより「超宗派」なのがすごいですね。という声をもらう。「そうですか?どこがすごいですか?」と聞き返すと「まあややこしいことはおいといて、ほら、宗派をこえているのがすごいじゃないですか」とまあこんな感じ。 世間一般(いや、世間はそんなに興味を持っていないだろうけど)には、宗派という言葉がなんだか仏教の足を引っ張っている悪しきセクショリズムで、できればなくなったほうがいいようなものに映っているのかもしれない。(知らんけど) 実際はこう。 「あなたにとって善とはなんですか?

          2018/06/24 似て非なるもの

          2018/06/19 ミシン揺れたな〜

          子ども3人を大人2人で育てている我が家。息子は避難訓練が身についているようで反射的に机の下へ。僕はというと怯える娘たちを抱きかかえ、何もできませんでした。皆一緒にいるときでよかった。支援先のお母さんや子どもたちはどうしているだろう。 ただでさえこのフォーメーションで手が足りていない毎日。日々のお勤めや祖母の介護、こどもの療育、全国への出張、綱渡りのスケジュール。備えあれば・・・の一番の備えは自分が子どもたちと一緒にいる時間をどれだけ増やせるか?なわけで、改めて生き方を考えさ

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          2018/06/14 小善は大悪に似たり 大善は非情に似たり

          山崎豊子さんが先輩作家の富士正晴さんに宛てた125通の書簡類の内容が公開された。その中の一つに「どの編集者も商品価値としてしか接してくれず、ほんとうの批評を聞けず、堕落しそうでこわいです」というものがあった。ちょうど『白い巨塔』を刊行した1965年のもの。 坊さん・住職・あちこちで役職が増えてくると、ほんとうの声が聞こえなくなってくる。Facebookのいいね!もそれを加速させる装置のひとつだ。だからこそ、自分に厳しく(まわりが本当のことを言ってくれなくても自分に嘘はつけな

          2018/06/14 小善は大悪に似たり 大善は非情に似たり

          2018/06/04 握っているから掴めない

          去年の8月24日にNPO法人化した特定非営利活動法人おてらおやつクラブの第一期総会が無事に終了しました。県庁への決算資料提出や各助成団体への報告など事務対応が続きますが、なんとかここまでやってこれたこと、支えてくれる皆さまへ改めてお礼申し上げます。 坊さんが法人を作ってまでやることなのか?(ほかにやることあるだろう)とたくさんのツッコミをもらい続けた一年でしたが、本当に貴重な経験と出遭いに支えられた一年でした。やや乱暴な言い方かもしれませんが、NPO法人化することで個人プロ

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          2018/06/03 それ五枚刃なん?

          名古屋のビジネスホテル。大浴場。体洗って湯船に浸かろうと立ち上がったら連れが頭にシェービングクリーム塗りたくって剃髪していたので訊いてみた。 「それ五枚刃なん?」 「え、え、おまえ、おれにきいてんの?」みたいな顔して振り返ったのはめっちゃ怖い顔した別の人。 (やべ・・・)「あ、すんませんっ」 とりあえず湯船につかっていると、連れが入ってきた。怖いおっさんとおんなじ格好してるし。だんだん笑いがこみ上げてくる。怖い顔した人、よく見てみると知ってるお坊さん(飯田さん)にそっ

          2018/06/03 それ五枚刃なん?

          2018/06/02 本の本

          「本のある空間」作りを少しずつ進めています。借りたら書く。その本を読んだ人にしかわからないレビューシステム。本を読んだら何かを手放せる場所。 選書のため、とっちらかった蔵書の整理を始めたらこれがまあ全然進みません。久しぶりに出会う友達と毎晩同窓会。「ああ、君にはあのときに助けてもらったね」と、寝る間を惜しんで懐かしい本を手にとっています。 乱読多読が僕の読書スタイルですが、30冊に一冊、月に一冊は読まないと気がすまないのが、本のことについて書かれた「本の本」です。 本の

          2018/06/02 本の本