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【後編】新たな市場を開拓!|ファーメンステーション代表酒井さんにインタビューをしてきました!

こんにちは、Buddy's編集部です!早速後編を見ていきましょう。

前回の記事では、ファーメンステーションの由来、エタノール製造までの軌跡、そして酒井さんの仕事への向き合い方などをお聞きしました。
後編では、お仕事についてお話を聞きつつ、今後の展望、Buddy'sに対するコメントなどをお話していただきました。
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インタビュー|ファーメンステーションの哲学、今後

井上:このお仕事で一番好きなところってどこですか。

酒井:何かが何かに変身するところ。みんながそれにびっくりすることが好きです。だから、地球環境のためというわけでもないのかもしれません。もちろん大事なことではありますが。
でもなんで頑張っているのかなって思うと、面白いからですね。だから、面白くない事業はやりたくないですね。

井上:面白くない事業はあったのですか。

酒井:そうですね。実際にやってはいないけれど、商品の横流しやうちでやらなくていいよねってことはやりたくないですね。売り上げは欲しいけどらしくないよねっていう話はメンバーと共有しています。

井上:こだわりや、ゆずれないポイントはメンバーとどのように共有していますか。

酒井:その都度ディスカッションをするようにしています。まだメンバーが少ないのでできます。これから会社が大きくなっていったら、同じようにはいかないため、今は言語化の作業をしています。
ミッション、ビジョン、バリューなどを見直して、ファーメンステーションの哲学はなんなのかなどを言語化しています。
絶対に譲れないところは、未利用資源、有効活用されていない資源をサステナブルにしていくところです。高い技術力で未利用資源を活用資源に変え、そして、欲しいと思えるような商品に変えていき、サステナブルアクトをしていく。

井上:休耕田の利活用には限らなくなる?

酒井:そうですね。今やっている試みとしてリンゴの搾りカスの活用があります。JR東日本さんと協働しています。年間20トン排出されるリンゴカスをディフューザーにしています。コメに限らずリンゴの搾りカスなどを発酵させたり蒸留したりして、日用品に変化させています。
それだけでなく、パッケージにも着手するかもしれません。実際にペットボトルの再生プラ100%で作られた容器を使い始めています。発酵に限らず、サステナブルな方向に世の中のプロダクトを変えていこうとしています。

市岡:発酵から外れる場合もある?

酒井:発酵だけでなく、蒸留をする場合もあります。例えば、ヒエヌカの利活用があります。現在全てがゴミになっているので、その油を利活用しようとしています。
スタートは発酵だけれども、そのノウハウを利用していきたいですね。ヒエヌカの利活用は楽しみです。国内でまとまったヒエヌカが取れるのは岩手の花巻くらいしかありません。
ゴミがリップとかになったらすてきですよね。科学の力に頼りながら、根拠を検討し続けることが大事ですね。もともと研究開発の会社ですから。

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井上:実際に、社員のみなさんは商品を利用していますか。

酒井:みんな利用しています。ポケットにも必ずスプレーが入っていると思います。自分たちで納得できないものは売れないと考えています。

市岡:自社ブランドとOEMのバランスは?

酒井:原料売りもしていますが、OEMが多いですね。
自社のミッションに沿って考えると一つのブランドが売れても仕方ありません。このブランドだけで世間を席巻することは難しいと考えています。色々なゴミを活用したり、市場を広げることを考えると一つのブランドだけでは広がりが見えません。
だから、OEMを行います。あのブランドにも、あのお酒にもファーメンステーションが関わっているんだね、となることが狙いです。うちの原料を使うとこんなことがこれだけできるよとアピールしていきたいです。
トレーサビリティが価値になると考えています。そのため、自社ブランドはショーケースの一例と考えています。

インタビュー|現在に至るまで

市岡:学生時代からの延長で、始めたのですよね。マネタイズなどはどのように検討していたのでしょうか。

酒井:ビジネスモデルは全然考えていませんでした。もともとコンサルタントになる予定でした。人を雇う予定もありませんでした。会社の登記にもコンサルタント事業と書いていました。
でも、実際に始めてみると自分がつくらなければと考えました。ですが、エタノールを売る許可を持っていませんでした。実験の許可は受けていましたが、販売許可は受けていませんでした。
そのため、発酵カスを利用した石鹸の販売から始めました。実証実験を重ねており、肌にもよいということが明らかでした。当初は「岩手銀河プラザ」などで売っていましたね。
次第に原料が売れるようになってきました。評判がよかったんです。
デング熱が流行ったときに、「虫よけスプレー」はどうかという話がありました。その流れで虫よけスプレーも作るようになりました。

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でも流れに任せるままでは、本当にやりたいことはいまのままではできないと思いました。それに気づいたのが2、3年前でした。だから、会社を大きくしなくてはいけないと考えました。中小企業からベンチャースタートアップに生まれ変わりたいと思いました。

そうしていく中で、徐々にストーリーに共感する会社も増えてきました。そこからOEMもスタートし始めました。事業の先行きが見えないといわれることもあったけど、だんだん市場が出来てきました。そこで私の気持ちも固まってきました。市場はつくらなくてはいけないと考えました。私たちはできるという証明をみせなくてはいけない。最終的には、例えば未利用資源を利用してできたエタノールが原料となることが当たり前になる世界をつくりたいと考えています。
OEMも原料売りもどんどん伸ばしていきたいですね。通じる人に大事にしてもらえるブランドにしていけたらと思っています。

市岡:ところで、子供のころや学生時代から環境問題に関心があったのですか。

酒井:そうですね。私が通っていたICUではそういう関心のある人が多かったです。関心を持つのが当然という環境にいました。
一番のポイントは銀行員時代3年目に国際交流基金に出向したことです。日米センターで日本とアメリカのNPO団体の支援をしていた時のことです。
世の中の課題を解決するのは市民であるという時代でした。地球環境のためならお給料はいらないくらいの気持ちの人たちと関わることが増えました。当時私は、金融業で関われたらいいなとは考えていました。そういう仕事を探していましたが、なかなか見つかりませんでした。

市岡:起業精神はあった?

酒井:全くなかったです。父はサラリーマンでしたし。社長になりたいとかも考えていませんでした。東京農大にいるときもどこかに就職しようとしていました。でも、関心に適う仕事が見つかりませんでした。

市岡:日米センターに出向していなかったらファーメンステーションはなかった?

酒井:ないですね。

市岡:そこがターニングポイント?

酒井:そうですね。その時から20年以上たっていますが、いまでも彼らとは仲良くしています。最近は仕事で一緒になることもありますね。いまやその業界で重鎮になっている人たちも多いですね。

市岡:事業を進めるうえで、嬉しかったことは?

酒井:商品を使ってもらっていいねと言ってもらえることなどですね。
メンバーが楽しそうにしている様子を見るのもうれしいです。全く知らなかった人たちが自分の日常に入ってきている、その関係性がおもしろい。いい仕事が出来ているなと感じます。
逆につらいことは覚えていません!覚えていても仕方ないですしね。
もしかしたらこれから忘れられないようなつらいことが起きるかもしれないですね。

インタビュー|私たちBuddy'sに対して

市岡:Buddy’sの「#どうせ買うなら」について

酒井:どうせ買うならって良い言葉ですね!そのくらいの気持ちで思ってもらいたいですね。

市岡:プラやビニール袋などは利便性を求めて環境によくない素材が使われているため、必要悪だとは思っています。だから完全になくすことはできません。
だけど、その事実に少しでも気づいてもらえることが大事だと思っています。そんな小さな気づきを与えるための言葉として、「#どうせ買うなら」があります。

酒井:説教臭くならなくするためには、いいですね。

井上:もう一つハッシュタグがあるのですが。

酒井:なんでしょうか?

井上:「#やさしサイクル」というのですが、どういう印象をうけますか。

酒井:やさしいサーキュラーということですか。

井上:まさにそうです!当初、やさしさブーメランにしようとしたのですが、却下されました(笑) 御社の循環図は、まさに「#やさしサイクル」だと思います。

市岡:最後にBuddy’sに一言いただけますか。

酒井:ファーメンステーションの商品を扱ってもらえることがすごくうれしい。お話を聞いてもらっているのもうれしいですし。仲間が増えるのも面白いですね。

市岡:Buddy’sの意味はそこにあります。仲間たちが集まるからBuddy’sなんです。

酒井:そういうことなんですね!確かにそうですね。

市岡:お忙しい中、インタビューにお付き合いいただきありがとうございました!

酒井:すごく楽しかったです。ありがとうございました。

インタビューを終えてー


まず、インタビューをしていて感じたことは酒井さんのお人柄の良さです。インタビュー当初からとてもにこやかに対応してくれました。話している私たちも楽しくお話が出来ました。
インタビューの中で、「たまたま、偶然」という言葉が出てきましたが、凄まじい適応能力と応用力があるから、偶然をものにできたのだと感じました。
新たな市場をつくっていく、この言葉にも心を打たれました。私たちBuddy'sもそう言えるよう邁進しなければならないと感じました。

ファーメンステーション代表酒井さん、本当にありがとうございました!

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