苦手を切り刻むハナシ
就労継続支援ビルド、開設から半年が経過したので改めて関係機関様に改めてパンフレットを送ってみました。
利用者さんにお手伝いをお願いすることも考えたのですが、そもそも軽作業系の事業所からステップアップしたい!と希望してビルドに来た方も多く、ビルドにはその方なりの「やるべきこと」があって通所されているので頼めないのです。(気分転換にやるよ!という場合は歓迎しますが)
さて
就労支援事業所の軽作業として定番の封入作業ですけれど、この作業にはどのくらいの工程があると思います?
作業訓練や就労場面での作業切り出しで使う課題分析という方法ですけれどアセスメントのために作業をお願いするときには、マニュアルや細かい指示をせずにあえて自分で考えて作業していただくことがあります。
過去の経験で言うと
たとえば封入作業については
送付文を三つ折りしてパンフレットと一緒に封筒に入れて糊付け。
この作業をひとつにつきひとつずつ片付けていく方が多いです。
効率を考えると、先に示した通り送付文の三つ折りと封筒に入れる作業、さらに糊付けは別々にしたほうがスムーズにすすみます。
流れ作業をイメージしてみてください。
流れ作業では、1つの機械もしくはその担当の人は同一の作業を繰り返しますよね。そのほうが効率的に進むからです。
より効率的な方法を思いついて作業できるかどうか?は、自分が取り組んでいる内容をどれだけ細分化できるか、手を付ける前に作業をイメージできるかに関わってきます。
そして、それが苦手だからこそ課題分析という手法が存在するしマニュアルがあると作業しやすくなるわけですが
その方の苦手がどこにあるのかを探る上では、最初は雑な指示を出しつつ、徐々に手を加えていくやり方を取っているのですよね。
ちなみに、過程を逆にして…
最初に手取り足取り→徐々に自分ひとりでできる部分を増やす→最終的には全部自分ひとりでこなす。
自己肯定感が低く成功体験が少ない方には、このほうが向いています。
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なぜこんな話になったのかというと…
ビルドのスタッフは指導員であると同時に現役のイラストレーターだしデザイナーなのです。利用者さんにお願いする作業以外にも、自分でも案件をいくつか抱えています。そもそも利用者さんと一緒に進めているプロジェクトもたくさんあって、本当に忙しいです。
どうしても優先順位が
①支援
②納期もの
③プロジェクト
④雑務
になりがちです。
そして、雑務の部分には締切りの無いタスクが多数含まれています。
やろうと思っているけれど時間が無くてできないでいるアレコレ…
たとえばSNSの更新やマニュアルの改訂、急いでいないけれどいつかやりたいと思っている新しいプロジェクトの企画書、自社のサイトの更新、自社のパンフレットの更新etc...
いつでもいいから、とか時間があるときにやっておいて、と渡されているタスクを放置して、ある日急に「あれどうなった?」とせっつかれるのが仕事あるあるです。
締切りが無い仕事を片付けるのにはどうしたらいいのか?
何度か話しあってきました。
1日の中で「今日やること」をタスク区切ってこなしていく方法は?
1日に10分でも、それをやる時間を取ることはできないかな?
こんな記事も見つけました。自分なりの締切りを設定して、周囲に公言する方法です。
そして気づきました。
課題分析ができていないのかも。
私はタスクをこなすときにセーブポイントを複数設定します。
今日は送付文を作ろう。
今日は送付先のリストアップをしよう。
今日は封筒を作ろう。
・・・
今日はここまで達成するという小さな目標設定をするためには、やろうと思っているタスクに何が必要なのかを分析する必要があるのです。
目標を小さく設定して「小さな達成感でいっぱいにする」作戦。
苦手なものであればあるほど目をふさぎ、考えること自体を放棄しがちです。
得意なこと好きなものならたぶん自然にできているはずなのですが。
自信のなさや苦手な気持ちは邪魔をして、取り掛かることそのものを邪魔しているようです。
目標を細かくするうちに、苦手感も一緒に細かく刻まれているはずなので
苦手な作業ほど解決の糸口探しをしていくのが良い方法なのかもしれません。
苦手もろとも切り刻む。そんな作戦。
頭の中がとっちらかっていると、ひとつのことをやっている途中で「あ、あれもやらなきゃ。これもやらなきゃ」と思考が寄り道しがちですが整理することで作業効率も上がります。
ちなみに、このときに紹介した工程管理についてはさらに進化しています。
面倒ごとや苦手な仕事があるときこそ、一息ついて落ち着いて整理する時間を取ってみるといいのではないでしょうか。
いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。