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〜権利月を走り終えて〜

◾️挨拶

 お久しぶりです。スノーマンです。いつもご愛読いただきありがとうございます。大盗賊杯7位だったほろあさん(@HOROA_write)の記事を拝見して、共感できることが多々あり、その湧き上がった感情を込めて久しぶりに書いていこうかなという次第です。

 私の方はというと、ギリギリではあるものの19位という結果を残し、無事3次予選へと足を進めることが出来ました!ここまで進めたのは全て、yakinikuさん・カイトさん・和菓子さんの集めた調整班のメンバー、そして応援して下さった皆様のおかげです。本当にありがとうございました!感謝しかありません!

 今回は、権利月初挑戦にして、ここまで辿り着けた過程を綴ってみたいと思います。プレイング論とかは特に書いてませんが、お暇な方は読んで頂ければ幸いです。

◾️勇者杯を目指したきっかけ

 実はと言うと、イレカミュで5位に入れた時点で引退するつもりでした。やるにしてもボチボチかなあ…というつもり、、、これが2月頭でした。そんなモチベの中、初めて最初から勇者杯観戦をしました。これがもう……全試合ハラハラドキドキで、涙あり笑いありの素晴らしいゲームの連続でした!あの伝説の一戦は今でも目に焼き付いています。

 そして勇者となったのは、自分の構築を完コピしてくれた大きなメダルさん!これほど嬉しいことはありません。実際に選出はほとんどありませんでしたが、ミラーに強い構築で相手のイレカミュ選出を縛っていたので、戦略勝ちといったところでしょうか。この勇者杯でモチベは最頂点。自分も目指してみたいという想いに至りました。

 しかし、情報集め・デッキ探し・試行錯誤…と1人で行うには限界も感じていました。半年近くライバルズから離れており、辞めていた間ずっとメンバーとして残してくれていたギルド「れーぷる作房」にも感謝はあるものの、溶け込めず少し浮いた存在…といった状況でした。

 そんな時、yakinikuさんのこのツイートが目に止まります。

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 これを利用しない手はない!!!ということで飛びつきます。yakinikuさん・カイトさん・和菓子さんの厳選な?審査を抜け、無事調整班メンバーの仲間入り。いざ入ってみるとそこには、まめさん含め、100位以内に名を連ねるプレイヤーがズラリの8名。勇者が2人もいるって贅沢すぎる…。

 まあこういった経緯で今の調整班に入り、勇者杯を目指す事になりましたとさ!

◾️調整班に入ってよかったこと

 いろいろありますが、特に良かったのはこの3つです。調整班に限らず、強豪ギルドなどでも同じなのかもしれません。

1.情報共有できる

 とにかく情報が早い。メタや流行りなど、Twitterで話題になる1日、2日前には情報が入る。1人ではとても収集しきれない量で大助かり。そしてこの調整班の裏ボスともいえる存在であるガルートさんの収集能力、まとめ能力の高さ。神。

2.意見交換できる

 実力者勢揃いなのもあり、とにかくレベルの高い会話。自分1人では気づけない引き出しがドンドン増えていく。

3.ライバル心でモチベが上がる

 同じ頂を目指すもの同士の一体感!素晴らしい!…かと思いきや、調整班同士で当たれば全力で潰し合う。チームというよりは、良き戦友達(ライバルズ)。モチベアゲアゲ↑↑

◾️新弾発売後〜2月末まで

 ここからは「権利月20位以内」を勝ち取るという目標に対して、どういったプランニングで考えていったかの過程を記していきたいと思います。

 2月20日くらいに新弾が発売され、ビルド一色の環境になりました。とりあえず最初は思いつく限りのデッキを色々試していました。

 順位はなんとか50位以内をキープしているものの、そこから先に進めない状態……。負け越してはいないのになかなか順位が上がらない…そんな壁を感じていました。結局、これだ!というデッキに出会えないまま、2月の最終順位は23位止まりでした。

 これも良い結果ではあるのですが、「権利月20位以内」を目指す上で圧倒的な物足りなさを感じていました。当然、権利月はさらなる競り合いが予想され、その競り合いの激しさの予測もできない状態で不安が募ります。そんな中である1つの仮説が生まれます。

◾️ランキングボードに潜む4つの壁

 その仮説は、「ランキングボード内には、99人が立ちはだかる4つの壁があること」です。1月、2月と戦う中で、100位以内、50位以内、20位以内、10位以内にそれぞれ壁があると感じました。

・第一の壁 100位以内 勝率50〜55%

 多少デッキパワーが低くても、しっかりと勝ち越してさえいればランキングボードには乗れるようなイメージ。実際に、環境問わず自分の得意リーダーなどでここを超えられるプレイヤーも多い。しかし、ここでデッキパワーを見誤ると、第二の壁でつまづきかねない状態になる。

・第二の壁 50位以内 勝率55〜60%

 ここまで来ると、目に見えて勝ち越さなければ入れなくなってくる。ここから先を目指すのであれば、やはり自分の得意なデッキではなく、「勝てるデッキ」を握らなければいけなくなる。

・第三の壁 20位以内 勝率60〜65%

 もはや連勝を積み重ねなければポイントが盛れなくなる。「勝ちで20pt、負けで40pt」と表現されるがまさにこの状態(マッチングシステム改善により、多少は緩和されているものの)である。2月はこの6割という勝率の壁を越えられず、ここから先に進めなくなってしまった。

・第四の壁 10位以内  勝率65%以上

 異次元レベルの猛者しかいない中で、驚異の勝率が求められる。もはや構築だけでは辿り着けない領域であり、プレイ練度と構築その両方が完璧に組み合わさることが要求される。イレカミュで5位を勝ち取れた時は、それだけの自信と理論が構築できており、その手ごたえも感じていた。

 概ね体感ではありますが、このような仮説を立てました。そしてそれは、結果的にほぼ正しかったと推測しています。つまり、ここから逆算して考えると、「20位以内」を達成するためには「勝率6割以上を出せる正しいデッキ選択」が必要最低条件として求められるわけです。

◾️6割以上勝てるデッキとは

 6割と聞くと、あまり高く見えないかもしれませんが、「100戦して60勝40敗」と言われればその難しさが一目瞭然でしょう。運要素が大きく絡むカードゲームにおいて、平均6割以上の勝率を叩き出すことは簡単なことではありません。あのMTG(マジックザキャザリング)のトッププロですら勝率7割出すことは不可能、という話を聞いたことがあります。

 勝率は、「先行後攻の有利」「デッキ相性」「メタ流行度」「プレイ練度」「デッキ構築」「上振れ」など、様々な要因で変動します。全てを一度に評価することは困難であるため、以下の3点を意識しながら慎重にデッキパワーを見極めることとしました。

1.戦績をつける

 調整班の和菓子さんが行っていたのを見て、軽い気持ちで始めましたが、これが非常に有効でした。まず一目で「先後どちらが強いデッキなのか」が分かります。また、「勝率に先後の偏りが影響していないか」の判断材料となります。「特定のデッキに対する先後の勝率」なども集計することができますね。

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2.相手の上振れで負けた試合は基本考慮しない

 負けて当たり前です。どのデッキでも返せないような最強ムーブをいちいち考慮すると、デッキパワーを測り損ねる事態になりかねません。(◯ねクソが!!という気持ちを必死にこらえましょう。)どうしようもないゲームは除外できるよう、上図のようにメモを残していました。

3.勝ち負けに関わらず試合を振り返る

 こちらも非常に有効でした。接戦になった試合の後は、1〜2分程度この時間を設けていました。負けた試合ではなく、「勝った試合」も振り返ることがポイントです。

 手順は以下のように行っていました(③、④は順不同)が、「自分が不利になるようにシミュレーションする」ことが大事です。これは、「運で勝った」という要素を極限まで取り除くためです。

①お互いが出したカードを辿る

②どこかにゲームを決める有効打があったか?を探す(この有効打が、いわゆる「刺さる」に紐づけられることがあります)

③自分が有効打になるカードを持っていなかった場合の展開を想定する

④仮にあのカードを出されていたら負けに直結していたか?を思い浮かべる



 このように、あらゆるシチュエーションを想定することで、「デッキ相性差」「今使っているデッキの弱点」「プレイに対する裏目(いわゆるプレミ) 」などが見えてきます。極論を言えば「20分で2戦」より、「10分で1戦+10分で振り返り」の方が効率的かもしれません。リプレイ機能の実装はよ……。

◾️権利月開始〜ナーフ前まで

 ということで権利月が始まります。徐々に環境が固まり、ナーフ直前はイレカミュ一色になりました。しかし、このミラーで6割以上勝てるだけの理論構築が出来る気がせず、早々に断念します。

 仕方なく、イレカミュにも6割取りつつ、一定数いるゼシカテリーにも5分以上の勝率が出せるご都合デッキを探すことになります。そして残り2日にして、ようやくその構築にたどり着きます。

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 コンセプトはマタンゴ以外の試合を確実に拾いつつ、マタンゴ2のイレカミュに勝てることでした。マタンゴが減り始めてたとはいえ、15-5(勝率75%)を叩き出す予想以上の結果。そしてナーフ時点で、11位まで登り詰めます。ここまでは当初のプラン通り順調でした。

◾️ナーフ後〜権利月終了まで

 良い順位に着けていたため、ナーフ後は環境が固まるまで2日ほど様子見していました。ここが失敗でした。ここから先も、目指すは「6割以上のデッキを探すこと」が最優先事項だったにも関わらず、一歩出遅れてしまいます。順位をキープする代わりに「経験」という大事なチャンスを逃してしまいました。

 そして毎日のように巡り巡る環境の変化についていけず、徐々に順位を落としていきます。ここでイレテリが台頭し始めますが、これまたミラーで勝ちきれず、負け試合を分析しても、どこが問題なのか掴み切れないままでした。

 まだイレテリ最強説を疑っていた自分は、そのデッキパワーに気付けず再び他のデッキ模索を始めます。(最終結果の1〜9位全員がイレテリだった事を考えると、この選択は間違いなく失敗でした)

その後もデッキが見つからないまま、残り5日。この時点で、120位まで転落し、もう後がない状態でした。ここで藁にもすがる思いで手を伸ばしたのが、大盗賊杯10位を獲得した「あるえむ式フロトル。この時点で、調整班内のあるえむさんと和菓子さんが、このフロトルですでに20位以内に入っていました。

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 元々トルネコ全般に苦手意識があったため敬遠していましたが、実際に20戦ほど使ってみたところ、先行8回、後攻12回にもかかわらず、12-8(先4-4,後8-4)の好成績。しかもまだまだ、プレイに怪しさを感じている上で、です。ここでフロトルのデッキパワーの高さにようやく気づき、このデッキと心中することを決めます。ここから59戦の成績は

先行27-3(勝率90%)

後攻15-14(勝率52%)

合計42勝17敗(勝率71%)

 という驚異的な勝率を叩き出し、120位からものの5日で、19位へと滑り込むことができました。コピーデッキは苦手なのですが(回す前から入れ替えてしまう癖がある)、このデッキに関しては最初から最後まで30枚全てそのまま。間違いなく環境にフィットした最高のデッキでした。

■まとめ

 ここまで長々と読んでいただきありがとうございます。紆余曲折ありましたが、デッキ選択に重心を置いた立ち回りは個人的に満足しています。権利月に関わらず、今後のランクマでも更に上を目指したいけど、なかなか先に進めない…という方の参考になれば幸いです。

 3ヶ月連続で全力で走り切ったので、ちょっと燃え尽きてしまってモチベ低下中ですが、BO3の練習にもこれから励んでいきたいと思います。今後とも応援いただければ嬉しく思います。


それでは、またの機会にノシ

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