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デッキ構築のお話(その構築、オーバーキルしてませんか?)


◾️挨拶

お久しぶりです。スノーマンです。

アンケート調査にご協力いただきありがとうございました。今回は最も得票の多かった「デッキ構築」について話していきたいと思います。

私の戦績はというと、昨年12月から復帰し、直近5ヶ月ではなんとか50位以内に入れているような状況です。

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今回は、こういった成績を収める中で意識していることを書き記していきたいと思います。とはいえ、私自身も行き詰まってる感があり、さらにステップアップするために何が足りないのかは見えていない状態です。

今回は自分で一度整理する点も込めて、フンワリした部分をなんとか解消しながら言語化しています。今回もとんでもないボリュームですが、お付き合いいただければ幸いです。

それではいきます。


◾️ランクを上げるために必要なこと

まず大前提としての話になりますが、ランクマでポイントを盛るには何が重要でしょうか?連勝すること?先攻を多く取ること?いいえ、違います。
答えは【平均勝率】を上げることです。【平均勝率】とは、「先攻の勝率と後攻の勝率を平均化したもの」と定義します。先攻8割、後攻4割ならば、【平均勝率】6割のデッキと言えます。

何百戦と戦うランクマにおいて、先攻後攻の回数は均等になるように収束します。一時的な先攻後攻の偏りは全く関係なく、【平均勝率】6割のデッキを回し続ければ必ず勝率6割に収束し、その勝率に応じた順位に落ち着きます。

最低レートが20-40マッチなので、平均勝率67%(3回に2回勝てる状態)を超えると、回せば回すだけ無限に盛れることになります。

こちらの記事に、ランキングボード内で必要な【平均勝率】の目安を示しています。自分の目標とする順位に応じて、どれくらいの【平均勝率】が必要かを設定するのも、デッキ構築の1つの指標になるかもしれません。

◾️デッキ構築タイプ


デッキ構築のタイプとして、大きく以下の3タイプに分けてみました。
私は完全に①タイプです。他のタイプはあくまで私の主観と予想で書いていますので、その前提で読んでいただきたいです。

当然②や③でも強い構築を作ることは可能です。私はすぐに①寄りの考えに寄せてしまう傾向があるので、私が伸び悩んでいる原因はここにあるような気もしています。(すぐラプソーン抜く癖があったり…)

①安定思考タイプ
デッキパワーを平均的に収めようとするタイプ。いい意味でも悪い意味でも勝率が安定する。しっかりと環境にフィットした構築が取れていれば高い勝率を維持できる。反面、デッキパワーが足りていないと低い勝率で安定してしまう。ランクマ向き。

②上振れ思考タイプ
デッキの強い動きや特定のメタなどを多く取り入れるタイプ。噛み合えば連勝する可能性が高い。反面、噛み合わない引きの時にもろくなりがちで、連敗する可能性も高く勝率がブレやすい。ココ一番の大会向き。

③環境メタタイプ
しっかりとデッキ分布や流行りを把握し、そこに照準を合わせたメタやデッキ選択を行うタイプ。非常に難しいが、ハマれば勝率を重ねることが出来る。反面、流行の移りが早い環境ではその見極めが難しく、勝率が安定しづらい。ランクマ向き。

◾️デッキパワーとは

私の過去記事でも何度も出ている単語ですが、今回はなんとか数値化した考え方をしてみたいと思います。

デッキの動きには「上振れ」と「下振れ」が存在します。「上振れ」時には150点の動きができ、「下振れ」時には50点の動きしかできないといった具合です。

このデッキの安定度は50〜150点と考えられます。デッキの安定度の幅はそれぞれ異なり、いわゆる「上振れ」デッキと定義されやすいデッキほど、この振れ幅が非常に大きい傾向にあります。

逆に、イレブン系統のようなデッキは、上振れ幅は広くないものの、下振れ幅も少ないため、70〜120点のような振れ幅の狭い安定したデッキとも考えられます。

私は【平均勝率】を上げるポイントは、この振れ幅の下限を押し上げることにあると考えています。

例えば、相手の動きが平凡で、70点の動きで勝てるゲーム展開があったとします。先の例で言えば、後者のデッキは下限70なので、ほぼ必勝です。対して前者は、【下振れ】を引いて下限の50点や60点の動きしかできなかった場合、負ける恐れがあります。

いわゆる「勝てる試合」を落としてしまうわけです。逆にこの試合で「イカマデサ黄金兵の150点上振れ」ムーブを当てたところで、それってただのオーバーキルですよね?となります。(マデサだけで80点の動きができると判断するならば、イカ黄金兵は"勝ちを勝ちにする"おまけカードと言えます。)

この振れ幅はデッキタイプだけでなく、構築によっても変化します。

後述する【上振れカード】を多く採用するほど振れ幅が広がり、【安定化カード】を多く採用するほど振れ幅を減少させることが可能です。


◾️上振れカードとは


「状況によって、強さの上限および下限のブレ幅が大きいカード」です。思いつくもので言えば、

「ライアン」「マッドファルコン」「みなごろし」「大王イカ」「黄金兵」「ダークペルシャ」

あたりが分かりやすいでしょうか。

「タイタス」「ヘルクラッシャー」「心眼一閃」「ラプソーン」

なども一応定義としては当てはまります。(ヘルクラ心眼一閃に関して言えば、下限でも120点くらいあるので入れない理由はないですが…)


これらは100点どころか、他のカードでは代用できない150点の動きができる可能性を秘めています。反面、使えないゲーム展開では20点程度のゴミクズ同然となる可能性も起こりうるカードです。


こういった【上振れカード】を多く採用するほど、デッキの動きがブレやすくなります。噛み合わない時はビックリするくらい噛み合わず、相手の普通(50点くらい)の動きにも対応できなくなる可能性が高くなります。

◾️安定化カードとは


【上振れカード】と対照的に、デッキを安定化させやすいカード。ドローソースやサーチなどもこれに近い。「引かないとダメなカードというよりは、引いてもゲーム展開を悪化させない」汎用性の高いカード。

反面、安定化カードの投入はデッキパワーダウンに繋がりかねないので注意が必要。安定化カードの一例をあげましょう。

・とげぼうず
あらゆるデッキや状況に対して、一定水準を叩き出せるカード。150点の活躍はないが、時に他の1コストでは代用できない100点級の働きもみられる。

・ジゴック
条件付きではあるものの、【ビルド】系デッキにおいて、ヒーローで建物を供給出来るので、毎試合安定した動きを狙うことが可能。

・ブラッドレディ
先攻と後攻の安定化が図れるカード。特に、先攻の勝率を落とさずに入れられるなら採用候補。

・シーゴーレム
ブラレとともに、環境を支えた汎用性の塊。高水準スタッツゆえに、とりあえずいれとけの代表格。

・スノーベビー
これもとりあえず入れとけの汎用除去。テンスキも相まって、どのゲームでも一定水準の活躍ができる。

・メダルにゃん、ドラゴン
汎用手札入れ替え。【上振れカード】の塊であるデボカミュの安定感を底上げした裏のエースとも言えるべきカード。標準スタッツも持ち合わせているので、腐る心配はなく、一定水準の活躍は見込める。


◾️デッキの安定化に成功した構築例

先月1位を獲得したTobyさんのデッキを見てみましょう。ハッキリ言って、私は衝撃を受けました。これこそ私がランクマにおけるデッキ構築で目標としている「ブレ幅を極限まで減らした」理想型のデッキとしか言えません。

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上記で示したブレ幅の大きい【上振れカード】を極限まで減らしています。汎用性は高いものの、対面によって強さが変化しやすい「あくまのツボ」まで抜いています。逆にメダルにゃん2枚採用など、とにかく安定重視の構築となっています。

これは、【デボカミュ】デッキパワーの高さを生かして、ブレ幅の下限を限界まで引き上げた成功例といって良いでしょう。Tobyさん自身の発言を見る限りでも、安定志向に強いプレイヤーですので、意識して組んでいると思います。


続いて私の先月の構築。こちらも同様に「みなごろし」や「ライアン」のようなブレ幅の大きいカードを極限まで減らした構築にしています。

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先月この奇跡テリーを用いて200戦ほど行いました。10戦毎に戦績を見た時、5勝5敗の1回を除いて、全て6-4以上の戦績をキープしていました。連敗も最大で3連敗でした。

奇跡テリーは、武器屋ハイタッチだけで90点くらいの動きは確保されています。この動きが前提である「ライアン」や「ファルコン」は"勝ちを勝ちにするカード"と位置付け、採用を見送りました。

代わりに、ハイタッチ失敗時に戦線維持ができる「とげぼうず」「ジゴック」「ベジター」などを採用することで、動きの下限を引き上げて「下振れ」時にも戦えるようにしています。

◾️デッキ構築手順

私のデッキ構築の手順はおおまかに以下のような感じです。②の時点でデッキパワーを見極めて、安定して高い【平均勝率】が出せるデッキかどうかを判断しています。

①まず強そうなデッキを試す

②勝率と勝った試合の上振れカード率を確認
(この時点で高い勝率が出てなければ論外。【上振れカード】での決着が多い場合は、そこを入れ替えれないので、このデッキの限界と判断)

③そこを入れ替えても問題ないか検討

④実際に入れ替えて試行錯誤

⑤徐々に上振れカードを削ってデッキの安定化

当然のことながら、②→⑤にいく過程で全く勝てなくなることも多々あります。「元々のデッキパワーが足りていない」「入れ替えるカードが弱い」「抜いたカードの存在が大きい」など原因はいくつか存在します。
負け始めたらまた②に戻って…というような感じで②⇄⑤を行き来しながら、勝率の安定化を目指し、デッキ構築を行います。


デッキの安定化を図るうえで、重要になるのが相手の動きの最大値です。
【イレブン】系デッキや【ディスカミュ】などは、ターン毎の最大の動きが決まっています。よって、同じゲーム展開になることが多く、ゲーム展開の安定化を図りやすい対象です。私が過去にイレカミュミラーの理論構築をした際もこういった観点がありました。

逆に【デボラ】系デッキやピサロ系デッキのように、コストダウンを多用するデッキに対してはゲーム展開が毎回異なるため、動きの最大値がゲーム中に変化します。結果、狙い通りに噛み合わせることが非常に困難となります。

こういったデッキに対する解決策の一つとして、私は「どこまでの上振れを切り捨てるか」を1つのポイントとしています。
例えば、【デボラ】デッキなら「1回目のケチケチ3枚以上」、ピサロデッキなら「2枚以上のランプカード使用からの最速ゼルドラド」などです。

無理なゲーム展開を取りにいく構築を作ろうとすると、必ず自分も【上振れカード】を要求されてしまいます。「◯◯されたから◯◯入れよう(いわゆるメタカード)」は相手の【上振れカード】に自分の【上振れカード】を重ねる、自分に分の悪い賭けです。

しっかりとそれを認識したうえで入れるのであればいいと思いますが、「ただ腹立つから入れる」のはただの八つ当たりです。そのメタカードを引いたせいで他の試合に負けても自己責任です。
どこまでがそのデッキの許容範囲かを見極めて、「割り切るものは割り切る」事も時に大切でしょう。


◾️まとめ

いかがでしたでしょうか。私自身も少し安定志向に偏りすぎている傾向があるため、必ずしも全てが正しいとは言えません。

今回このような記事を書く中で、モヤモヤフンワリとしていた部分が少し晴れてきて、もうワンステップ上がるためのいい整理になったような気がします。

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それでは、また( ´ ▽ ` )ノシ

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