時計の思い出

画像1 26年前、結婚が決まり、 結納返しって事で相方の家から頂いた時計。 デザインがとても気に入っていて、図々しくこの時計が欲しいと頼み込み、憧れの時計を頂いたわけでして。 電池式で、時計屋で電池を替えてもらった時、店の職人はとても小さい交換用ネジを無くしたらしく、暫く経ってから自分で開けてみて気がついた。 それでも多少のトホホや怒りより、こんな時計見た事ないだろうとなんか誇らしげで、シンプルで機能的美しさはネジの一本無くてもカッコイイと思う有様だった。 #時計 #ホテル#アルドロッシ #門司港
画像2 この時計の特徴は、ムーブメントとベルトの付いた本体が取り外せて、懐中時計としても使える画期的なもの。 文字のフォントスタイル、針とのバランス。 このシンプルな品の良さに痺れたのである。 しかしながら汗っかきの手首と革のベルトとの相性が悪く、ベルトは臭くなり、ベルトを取り替えようと思いつつ、電池を交換する機会も逃しながら、やがて時計は引出しの中に居場所を移し、忘れて去られていった。 何故急にこの時計を思い出したのか。
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画像4 つい最近、仕事で北九州のプレミアホテル門司港に泊まる機会があった。 旧名 門司港ホテルはイタリアの建築家アルドロッシの設計で、インテリアデザインは内田繁といった二人の巨匠が手掛け、1998年に竣工した。 二人共その頃の私にとっては彼等への憧れと尊敬が仕事のモチベーションでもあった。 アルドロッシのデザインはシンプルでモダンでもあり、クラシックさもある雰囲気にため息が出た。 自分がデザインする時いつもアルドロッシのデザインが気持ちの中に流れていた。
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画像6 部屋は20年も経ってリニューアルされているだろうと思う。 窓枠やガラリ戸のしつらえは当時のままなのか。 窓から関門橋と船舶の行き交いを眺め、久々にゆったりとした気分に浸っていた。
画像7 というわけで、この時計はアルドロッシのデザインで、帰りの飛行機の中で引出しの中の時計を思い出したのだった。
画像8 ALESSI 社のmomento。 当時カッシーナで購入した。 現在は復刻版が三分の一ぐらいで買えるとか、販売終了だとか、定かではない。 今度試しに電池を交換してみよう。 他の職人さんに替えてもらおうかな・・・。

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