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黒服バイト

はい、ひろしです!
1に挑戦、2にバイト、3に睡眠!

さて、一般的には枯れ果てる40代のワタシ
毎日同じ事の繰り返しで面白みがないトシゴロ
スライム倒してるだけじゃ、つまらないよね

メタルスライムを倒すべく
夜のクラブの黒服に挑戦した

女性がお酒を提供してくれる「クラブ」
キャバクラ、スナック、みたいな感じの
黒服のバイト

夜の7時
とあるビルのクラブへ

久しぶりのクラブ活動

まず、難問から幕開けです
お店のあるフロアにエレベーターが行きません
何度ボタンを押してもだめ

一つ下の階で降り、非常階段を使います
しかし、非常階段は備品で溢れてる…
避けて非常ドアを開けに登ります!

ドアはカギが掛かっていて開きません
これトンチ?

気を取り直し
考えた結果、もう一つのエレベーターを使用
(エレベーターは2機ある)
すると、すんなり行けました

緊張するなか、エレベーターが開きます
真っ暗…
時計を見ると18時50分
就業時間は19時15分からなのに?

5分後、エレベーターがズーンと動きます
そして現れたのは

「よっ」

野沢さんが髪を
ストレートにしたような女性が登場
開口一番
「え?こわっ、開いてたの?」

ビルの各階には一つのテナントしかなく
「鍵」をするとエレベーターで
行けない設定らしい

「ママに花が来てたのね」と

ん?ママじゃなかったんだ…

すると、エレベーターがまた動き
第一陣の人が次々と出勤してきます

若めの男性や女性も出勤し
開店準備が始まりました

緊張する中、若い女性から制服を貸してもらい
準備します(どの人がママ?とか思いながら)
するとすぐに  
「◯◯というお店へ行ってワイン3本持ってきてほしいんだけど」とお使いがありました

ただでさえ滑るツルツル路面に
とても滑る革靴でワインを持って帰るミッションに、緊張が走ります

目的のお店に着き、ワインを3本もらい
すかさず値段を聞くと
「3本で3万くらい」という
(普通じゃん…)

ゆっくり歩き無事にクラブへ着く

次々と女性キャストが着いています

若い男性スタッフ(こデブ)から
お店の席番を教えてもらいます

さらに若い男性(イケメン)から
詳細な説明を受けます
・インカムをつけさせられます
・トイレの案内のやり方
・飲み物のお茶の種類
・氷やコップ、灰皿の数等
・トレンチ(お盆)の扱い方

気がついたら20時
開店時間のようです
(特に朝礼もなくダラダラ始まる) 

1組のお客様が到着(インカムで知らせあり)
女性キャストが2名付きます
(ここでママを知る)
シャンパンを一発目から開けてます 
なんで?

他の女性キャストは
空いている座席で待機してます
真顔なんで怖い…

こデブ黒服は30代前半
開店前に「夜の仕事初めて?」と聞いてきたり
開店後に「どうよ?」とか聞いてきます
男性黒服は自分を合わせ3人
女性黒服も1名いますが
基本的に、最後の「お会計」係です

教育係のイケメン黒服は
東出昌大に似ています
「黒服してまだ1ヶ月なんで、あまり教える事ないんですけど」と謙遜

離婚して4年、今は山ごもり中

開店しているにもかかわらず東出君は
めちゃくちゃコミニケーションします
「どんな仕事してるんですか?」とか
数多くのバイトしてますが
相手が仕事を聞いてくるのは
なかなか時間が経ってからが多いのに

彼は大学生で帰りはタクシー代が出ないので
雪の中自転車で来ていると、笑って言う
よく行くホテルのバイトで
ホテルマンより全然うまい
ふたまわりも違うのに親近感がすごい

開店して22時まではゆっくり
その間、待機中の女性キャストを見ると
スマホをイジり、服とか見ていたす
(人によって違うのは当たり前か)

意外に氷はすぐに7割くらいに減り
氷を替えるついでに灰皿交換、を実施する
お客様も女性キャストも会話に夢中で
見ている訳がないけど緊張…しかない

数回、女性キャストから
「お願いします〜」と声がかかる
5回中1回しか反応できない

こデブ黒服が私の代わりに対応し
終わった後に
「女性から声掛かって行かなかったら
いる意味ないから!」と叱咤

中で洗い物して、と言われ
お客様が入りだしてきたので
中に入りシャンパングラスを洗う

21時にもう一人の黒服が出勤していた
彼は長くこのクラブで働いていたけど辞め
パティシエをしている
この日は呼ばれて出たようだった
彼も20代で、コミニケーションが上手い

やたらとシャンパンが出るから
特殊な形のグラスを洗わないと間に合わなく
インカムでも数合わせが始まる

中は食洗機がある
グラス専用に拭く長い布があり
時間がない時 こデブ黒服が
「口のとこだけ洗えばいいから」と
東出に急ぐよう指示します

洗って、サッと拭いて
お店のグラスケース置き場に
銀のスベスベしたお盆に乗せ運びます
階段でグラスが触れ合い「シャリン」と鳴る

お客様が帰るとバッシング
ホテル宴会バイトで慣れているので楽勝

台所に入ると
女性キャストがお酒を冷ましていて
ただで狭い台所でお盆を持ってすれ違う
普通にしたら胸に当たりそうなので
低姿勢で回避しゆっくり当たらないようにする

台所には炊飯器がある
女性黒服が「炊き込みごはん」を作る
丸い紙でできた弁当箱に入れ
事前に切られたネギをタッパから出しまぶす
透明な蓋をしてお客様の後ろを通り
キャッシャー(レジ)へ渡す

インカムで数回、「ご飯弁当」を持って来るよう
指示を受け作って渡す

用意していたご飯がなくなり
まだ作りたいからお使いを頼まれる
・チューブ入り生姜
・サンマカバヤキの缶詰

キャッシャーの野沢さんに
お使いのお金をもらいに行く

「チューブい…」
ごもってしまうと、野崎さんは髪の毛を逆立て
「えっ?」と、逆鱗に触れたかのように
睨まれる
(1秒固まる)
滑舌良く、2つの物を言うと3,000円渡され
「レシートでいいから」と言われる

「寒いから上着ていきなさい」と
優しい声掛けをされるも
あの睨みようは…一体何だったのだろうか

さて、コンビニには
サンマの缶詰が売っているのか?

とりあえず行ってみると…
あっさり両方売っていた

無事お使いも終わり
また女性黒服が炊き込みご飯を作る
サンマの缶詰が入ったご飯も旨そうだった

シャンパングラスをやたらと洗い
台所にいる女性キャストの間を抜け
下げ膳をする時間が続く

台所で
「◯◯ちゃん、15分で良いから付いてよ」と
こデブ黒服が女性に言い寄る

「それしたら、時給1億になりますか?」
「私ママにずっとついて、もう無理」
「0時45分で上がらせて下さい」
「お腹空いたからオニギリ食べたい〜」

東出黒服がたまたま味噌汁を作っていて
「ボクがいびつなおにぎり作ります」
 
というやり取りの中でもシャンパングラスを
拭いていたら、終わり時間となる…

帰ろうとしたら、最後のお客様が帰る時で
エレベーター前が混んでいたので影で待つ

東出黒服が近くに来て
「今日はありがとうございます」と笑顔で言う
女性黒服が通り掛かり 
「バッシングしてよ―」と言うがすぐに
「もう帰る時間ですから」と東出黒服が
フォローしてくれる

どんだけ良い人なんだよ!
と思いながら帰る
 
後日、アプリの自分の評価を見ると
1つ下がっていて、このお店からも
コメントがなかった


















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