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【NYY】Baby Bombersの末路


時は2016年。チームはPSを逃し、36歳のテシェイラ、40歳のA-Rodが引退。かつてのNYYを支えたメンツがどんどん消えていった。
しかし、若手プロスペクトたちの台頭により世代交代が急加速。チームは一気に若返った。
人々は彼らをBaby Bombersと呼んだ。

どうも、北海道の寒さと勉強に怖気付いているピチピチ高校生、文々です。今回は2010年代後半のNYYを支えた(?)Baby Bombersについて解説していこうと思います。

Baby Bombersの誕生

2012年、ホルヘ・ポサダが引退。
2013年、アンディ・ペティット、マリアノ・リベラが引退。
2014年、デレク・ジーターが引退。
NYYを3連覇含む5回のWS優勝に導くなど輝かしい功績を残したCore 4が遂に誰もいなくなってしまった。

2012ALCS第1戦のNYYスタメン
加齢臭がぷんぷんしますZOY!!(20代の選手2人のみ)
Baseball Referenceより引用

そんなチームを支えなければならなかったのがプロスペクトたちであった。一足先にチームを支えたのは弱冠22歳、グレッグ・バード。
2015年8月13日にデビューすると、その年は46試合に出場し11HR、OPS+135の堂々たる成績を残した。
2016年のチーム1番のプロスペクトは24歳の若手捕手、ゲイリー・サンチェスだった。現地8月3日、MLBにコールアップされると持ち味の打棒が大爆発。その月の80打席のみで11HR、OPSは脅威の1.290!!!! 51試合で20HR到達はMLB最速タイ記録!!!! 8月の月間MVPを獲得し、ROY投票でも2位にランクインした。
さらに現地9月26日のTB戦のスタメンに、7番タイラー・オースティン、8番アーロン・ジャッジの名前が。2人ともこの試合がデビュー戦となった。
メジャー初打席を先に迎えたのはもちろんオースティン。カウント2-2からの92mphの速球をライトに弾き返すと、ライト側のショートポーチへ。
メジャー初打席初HRである。
ジャッジも負けじとカウント1-2から変化球を捉えると打球はモニュメント・パークへ。
またしてもメジャー初打席初HRだ。
同一試合で複数の選手が初打席初HRを放ったのは史上初だ。さらに、その年は成績こそ振るわなかったものの22歳の剛腕投手ルイス・セベリーノも注目の的だった。
バード、サンチェス、オースティン、ジャッジ、セベリーノ。このプロスペクト五人衆を人々はBaby Bombersと名付け、贔屓のポジ要素になっていったのだ。ここからはこの5人がどのような選手生活を送ったのか、選手ごとに振り返る。

グレッグ・バード

2015年には一定の活躍をしたものの、16年は肩の手術でシーズンアウト。17年は3度の怪我が祟り、48試合の出場に留まった。しかしALDSでは負ければ終わりの試合でアンドリュー・ミラーから決勝弾を放っている。これが無ければチームは敗退していたかもしれない。

PSでは3HR、出塁率.462の大活躍を見せたバードだったが、翌年のSTでまたしても怪我でDL行き。5月下旬に復帰し、その年は自己最多の82試合に出場し11HR、OPSは.672に留まった。
巻き返しを図った2019年は5月に今度は足を大怪我し、60日DL行き。そのままシーズンエンド。そしてシーズン終了後、DFAとなった。
5年間のキャリアで4回のDL行きと怪我に泣かさ
れ本領を十分に発揮することは出来なかった。
その後のバードはFAとなりTEXとマイナー契約を結び、7月31日にメジャー昇格したが4日後にまさかのIL行き💀💀1週間後にDFAという散々な結果となった。PHI、COL、TOR、NYYとマイナーを転々とし、2023年11月5日、豪州リーグのメルボルン・エースズに入団し、プレーを続けているようだ。

ゲイリー・サンチェス

2016年のブレイクで注目度が高まったサンチェス。2017年は5試合出場した後に10日DL行きと出遅れたが、復帰後は11試合で17安打を放つなどすぐ調子を取り戻した。そしてその年で1番輝いていたのは去年と同じ、8月であった。DETとの3連戦では4HR9打点と大活躍。月間12HRを記録し、夏男を印象づけた。結局その年は33HRでOPSは.876であり、究極の打撃形捕手となった。PSでも3HRを放った。(まぁ守備にぼろはあったんだけどね第2戦とか第2戦とか第2戦とかあとメジャー最多パスボールと不名誉な記録ももらってる。)
2018年は4月にハイペースで打点を量産。逆転サヨナラ3ランを含む7HRで23打点を記録した。しかし、そんなサンチェスを襲ったのは怪我だった。6月25日に10日DL行きとなり、7月に復帰したものの、その5日後にまたしても10日DL行き💀💀自身が強かった8月の出場がゼロに終わってしまったのだ。結局彼の復帰は9月頭になり、9月打率は.179と不調に陥った。BOSとのALDSでは第2戦で2HRを記録したものの、チームは敗退した。(第4戦のサックフライは心臓止まるかと思った)

2019年も怪我から逃れることはできなかった。
4月7日のBAL戦で1試合3HRを記録する好調っぷりだったが5日後にDL行き。4月24日に復帰したが、3ヶ月後に再びDL行き。相変わらず8月には強く、8HR13打点を記録したもののPSでは9試合で4安打と沈黙した。それでもHRはキャリアハイの34本だった。(なお打点は77、そして2年ぶりの最多パスボール)
しかしここから極度の不調に陥ることになる。短縮シーズンの2020年は特に離脱はなくシーズンを終えたが打棒が不調で打率は.147。PSでも1安打しか記録できなかった。(そして3回目の最多パスボール)
2021年も打率は.207と低調。HR数も23本だった。
これを見かねたNYYは2022年開幕前にトレードでサンチェスをMINに放出した。

その後はMIN、NYMを経てSDのDHに定着。
2023年は72試合で19HRを放ったが以前打率は.218と相変わらずであった。

タイラー・オースティン

鮮烈デビューを果たしたオースティンだったが翌年の2017年は4月2日に大怪我で60日DL行き。その後は昇格と降格を繰り返し、その年は去年より少ない20試合の出場に留まり、HRも2本だった。
2018年は開幕ロースターに入ることができ、4月は複数安打試合を6としたがHRは3本のみ。5月13日のBOS戦では相手投手ジョー・ケリーとの球史に残る大乱闘を繰り広げ、5試合の出場停止処分となった。(申し訳ないけどオースティンが目立ったのこれとメジャー初打席だけだと思う)

そして7月30日、NYYはMINのランス・リンのトレード対価としてオースティンを放出。NYYでのキャリアを終えた。

その後のオースティンはMIN、SF、MILを経て2019年オフに横浜DeNAベイスターズに入団。東京五輪では米代表に選ばれ、大会ベストナインにも選出された。

ルイス・セベリーノ

剛腕投手として期待がされていたセベリーノ。2016年9月26日のTOR戦では相手打者のジャスティン・スモークに99mphの速球をぶつけ、乱闘を引き起こした。

そんなセベリーノだったが2017年は覚醒。FIP3.08、230奪三振で14勝をマーク。オールスターにも選ばれ、CY賞投票では3位にランクインした。2018年も調子を落とすことはなく、前半戦に関しては2ヶ月以上黒星がなく、14勝2敗と絶好調。後半戦はペースを落としたもののトータルで19勝。チームでは唯一の規定投球回到達者となり、FIP2.95、220奪三振の好成績を残した。(なおALDSでボコられた模様)
このままエース街道を歩んでいくだろうと思われていたが彼を襲ったのはやはり怪我だった。
2019年の4月に背筋を痛め10日DL行き。その後60日DLに移送され復帰したのは9月の半ばだった。そのシーズンは2試合の登板に留まった。
2020年は今度はまさかの右肘の靭帯断裂
TJ手術に踏み切り、今季はおろか来季もほぼ棒に振ってしまった。
2022年も怪我からは逃れられず2度のIL行き。
それでも19試合に先発登板し、7勝3敗FIP3.70をマークした。
迎えた2023年。またしても怪我で開幕ロースターにその名前はなかった。5月に復帰したものの、かつてのエースはもうボロボロだった。9月に再びIL行きとなりそのままシーズン終了。10月にFAとなった。
そして12月1日、メッツがセベリーノと1年契約を結び、よりによってのNTRという形でNYYでのキャリアを終えた。

アーロン・ジャッジ

ジャッジの活躍は皆さんご存知だろうということで簡潔に。
2017年は才能開花を果たし、52HRでALのROYに。
2018年以降はやはりジャッジにも怪我が襲うも、大ダメージには至らず。
2022年にはシーズン62HRのAL記録を打ち立てMVPを獲得。
2023年は怪我によりHR数こそ減ったものの以前ハイペース。ロベルト・クレメンテ賞も受賞した。

WHAT CAN'T HE DO????????

終わりに

結局かつての若手プロスペクト集団Baby Bombersはジャッジを残して全員姿を消してしまったのだ。(ひどいよ…!こんなのってないよ!)余りにも残酷な話である。これを受けてボルペ、ドミンゲス、ペレイラ、ウェルズ、ソープ、ハンプトン、スペンサージョーンズといった現在の若手プロスペクトたちには何が起こるというのだろうか。生き残っているジャッジももう30代である。新たなプロスペクト集団Baby Bombers 2.0に乞うご期待。(ソトとのトレードが実現すれば誰かが必ず消えるの悲しいぜ……)

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