ロードトリップはひとりじゃない
サムネイルは、ロサンゼルスでのロードトリップの道すがらの写真。フロントガラスの半分が自然光のグラデーションに染められるという、そんな贅沢な景色がずっと続く。
夏を待ちきれず大分早めにもらった夏休みは、元同期に会うべくロサンゼルスに行ってきました。
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「LA、楽しそうだったね!なにがよかった?」という、「アメリカのにおいがする~~〜」と言われまくるチョコレートを配りながら尋ねられる常套句。
「んーっと、もちろんHollywoodはすごかったし、砂漠をドライブしたりとか、あとドーナツがめちゃくちゃ美味しかった・・・」
なんでだ、なにがよかったのかと聞かれると難しい。
映画「きみに読む物語」でいつの日か…!と夢見た、ロマンチック&デンジャラスな鉄骨むき出し観覧車に乗れたサンタモニカピアも、
(レトロな遊園地で、観覧車にひょいっと飛び乗って強引にデートに誘うシーンですよ!)
LALALANDのデートコースを追いかけたグリフィス天文台も、
世界のエンタメの湧き水なんか?!と思わざるを得ないHollywoodも、
「芸術は爆発だ」の名言を思い出したサルベーションマウンテンも、
画面上でしか見たことのないようなマッチョ達の汗が煌めくベニスビーチも。。。
どれもこれも、思い描いていたザ★エルエーを十二分に味わえるスペシャルコースで正真正銘、最&高だった。(古い言葉こそ使いたくなる、ちょっとしたマイブームです…)
海辺に映えるサンタモニカピア。あの丸いのに乗りたかった、のだ!!(叶った!)
ドライブ中に何度も目にした、紫の花を付けた木がロマンチックですごくすきだった。「ジャカランダ」という名前らしい。
サルベーションマウンテン。オープンカーで往復6時間かけてこの小山を目指した。つまり映えとは。
そう、存分にLAを堪能できたことは間違いない。
けれども、「なにがよかったか」と聞かれて真っ先に思うのは、どんな観光スポットよりも、半年ぶりに再会した彼女との「おしゃべりの時間」だった。
同期兼ベスティーの彼女とはこちら。山下さんちのちえちゃんです。
※LAに興味がある方はぜひこちらにジャンプを!サルベーションマウンテンの紹介もあります。
「ちえはロスに、わたしはちえロスに」のキャッチコピーを掲げて活動してきた半年間。
東京にいた頃は毎日何をそんなに話すのよっってくらいダラダラと話し続けていた。
恋い焦がれたアメリカの土を踏んでもなお、東京、森下の月の下でしていたことと同じことをしてしまった。一瞬で半年前にタイムスリップしてしまうのだ。してしまった、といいつつ、やっぱりこんな時間こそが、私にとっては何にも代え難い幸せなのだと噛み締めた5日間だった。
けれどアラサーに片足突っ込んでいる(いや、両足?)私たちは、ただ「楽しい」ことだけをくっちゃべってるわけにもいかず、お互いあれこれの不安を吐露する。
「楽しいのがいちばん!」を信じているけど、それだけでは決して満足しないことも知ってしまっているのだ。
この日記を書きながら、なんとなくこの歌を思い出した。
つらい仕事にご褒美のないときも
惚れた人が選んでくれないときも
不幸だった訳がわかっている
今は損しただなんてまるでおもわない
あの世でもらう批評が本当なのさ
デートの夢は永い眠りで観ようか
最期の日から数えてみてほらご覧
飛び出しておいで目抜き通りへ
大好きな椎名林檎様&トータス松本様の歌である。
つらい仕事にご褒美のないときも、惚れた人が選んでくれないときも。そんなの、我々にとっては日常茶飯事だ。仕事のご褒美を感じるのは大体お給料日だし、惚れた人は惚れたまんま、一番にはなれない。
そんなやりきれない日も、彼女は乾いた大地LAとやらでひとり生き抜いている。
歳を重ねるごとに確信が強くなっていくことのひとつに、傍から見て眩しく楽しそうに見える人ほどこれはもう絶対的に、人目につかない場所で孤軍奮闘しているということがある。
渦中にいる本人の孤独や焦りといったものは、どうしたって本人にしかわかり得ず、家族でも恋人でも親友でも取って代わることはできない。
「あの世でもらう批評が本当なのさ」とは言わずに、現世で幸せになろうなぁと肩組みたい気持ちだけれど、「最期の日から数えてみ」たら、どうせ今の焦りや悩みだってまぶしく、羨ましく感じてしまうんだろう。
私たちはずっと、ロードトリップの途中なのだから。
ちょこちょこスタンドに寄ってガソリン補給しないと走り続けることはできないし、エンジンふかしまくってたらエンストしてしまうことだってあるだろう。たまにはインナウトでチーズどろどろのポテトを食べないとモチベーションも上がらない。
ゴール地点はまだ見えないし、砂ぼこりもそろそろやばいと思っても、半信半疑で(八信二疑くらいかもしれない)決めたルートを進んでいれば、一面砂漠の中で、突如サルベーションマウンテンのような鮮やかなゴールが現れるかもしれない。
ドライバーの苦労が本人にしかわからないのであれば、せめて旅の道中も楽しくなるように、私は他愛ない話をするおしゃべり相手でいさせてちょうだいねと思う。
ネタに事欠かすことのないよう、私は私のロードトリップを進めながら。
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