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春はあけぼのなのか問題

この頃の、早朝。

毛布にくるまるような寒さがなくなって太陽のぽかぽかした光を浴びたとき、虫やら草花やら、生命の息吹が聞こえるようで、朝がやって来たのが嬉しくって「春はあけぼのだなぁ」と感じる。

しかしながら、気付く。

ついこの間まで、冬は冬で玄関を出てまだ汚されていないみずみずしい空気に触れて、「やっぱり冬はつとめてですねぇ先輩」と思っていた。

「どっちも早朝ですやん・・・?!」

どういうこと・・・どっちが早いのよ・・・。
冬も春も結局早朝がいいって言うの?そうなの?はっきりして・・・

古語辞典でそれぞれをひいてみると、意味は下記の通りだった。

「あけぼの【曙】」・・・夜明け方。
「つとめて」・・・①早朝。②翌朝。
                                          ※weblio古語辞典より


「あけぼの」は、夜明け前のまだ暗い時間、「暁(あかつき)」の終わりころから、日の出前の明るくなる時分の「朝ぼらけ」に先立つ時刻をさすという。

「あけぼの」の方が「つとめて」よりちょいと早いということになる。

確かによくよく考えれば、『枕草子』に出会い「春はあけぼの」を初めて読んだとき、オレンジだとかうすむらさき色だとかうすピンクだとか、自然光の織り成すグラデーションが心いっぱいに広がっていた。だって「やうやう白くなりゆく山際」だし。

「春眠暁を覚えず」ということもあるだけに、やっぱりあたたかい朝はこの上なく気持ちいいよね。


日本語は美しいと言われるけれど、「Good Morning」なんて言葉も大好きです。

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