キーワードは【本音】 響け!ユーフォニアム【好きなアニメを語る】
『響け!ユーフォニアム』は,京都府宇治市のとある高校の吹奏楽部を描いた作品です.実は地元が近くということもあって存在は以前から知っていたのですが,実際に見てみて,ものすごく胸が熱くなる作品でした.
アニメ『響け!ユーフォニアム』はこれまで,テレビアニメや劇場版が複数作成されていて,時系列がやや複雑です.公式の以下の画像がわかりやすいかと思います.
そしてこの度,2024 年 4 月 7 日(日)より,テレビアニメ第 3 期が放送されます.今期は E テレで放送されるというのも,少し考えさせられるところがありますね.第 3 期から見ても十分楽しめる作品だと思いますので,もしまだの方はぜひ以下の動画で追いついてください!
では,個人的『響け!ユーフォニアム』の素敵なところを紹介します.
⚠️ 以下ネタバレを含みます ⚠️
(とはいえ,そんなにネタバレが深刻になる作品ではないです)
キーワードは【本音】
人は誰しも本音を抱えていて,それを隠したり,言えなかったりするものです.言ったとて,そのせいで関係がギクシャクすることもあります.『響け!ユーフォニアム』の舞台となっている高校の部活動は,狭くて複雑な人間関係で,一層,見え隠れする本音がひしめき合う場なのかもしれません.
この作品の魅力は,そういった本音がぶつかり合う瞬間にあると思います.いくつかのシーンを時系列で振り返ります.
テレビアニメ 1 期『響け!ユーフォニアム』
――久美子と麗奈の【本音】
まずは衝撃の冒頭.
おい.久美子.この子はこういうところがあります.ただ,その後は本人も結構反省しているようで,その後はこういうポロっとは抑えられている気がします.
でも,実はこの言葉は,後に麗奈との関係を縮めていくきっかけにもなっています.
表の顔だけでなく,裏の顔も見せられたことで,麗奈は久美子の奥行きある魅力に気づいていたのかもしれません.どこか猫を被っているような子の中に隠された本当の気持ちに触れたい,麗奈には同感です.
久美子は冷めていて,空気を読んで周りと合わせることをあまり重んじていません.そんな久美子だからこそ,麗奈も本音を打ち明けます.
冷静な久美子でしたが,コンクールに向けた練習を経て,少しずつ変化していったようです.ある箇所の演奏がうまくいかず,ついに久美子は外されてしまうことに.その夜,久美子の感情が爆発します.
ついに久美子は,中学最後のコンクールのときの麗奈の気持ちを知り,同じ目線に立ったのでした.
テレビアニメ 2 期『響け!ユーフォニアム2』
――久美子とあすかの【本音】
あすかは不思議な人でした.周囲のことは何もかも見抜いているように見えて.逆に自分はたいていおちゃらけていて本音を見せない.行動や言動に一見して一貫性がなく,どうしたいのかわかりづらい人.
そんなあすかの事情がついに明らかになりました.
複雑な家庭事情.あすかは部活に来られなくなり,部に不安の空気が漂います.本人も,コンクールに出ることを諦めた模様.
久美子は,あすかと話をします.が,やはり手ごわい…….
あすかの言うことも一理あります.でも,久美子がみんなと少しずつ関係を構築してきたこともまた事実.みんなの言葉が建前だったとは思えません.自分や,みんなの,あすか先輩と一緒に出たいという素直な気持ちを否定されて,久美子の感情が爆発します.
久美子の力強い言葉は,あすかにもしっかりと届いたようです.末代まで呪われてもいいから,どんな顔してるのか,見てみたかったな.
結局,久美子は模試を盾に,母親を説得して,コンクールに出場できるようになりました.
ただ,一つ気になったのは,模試の結果が出たと聞いて,あすかが先生の所へすぐ飛んで行った点.久美子の言葉が無くても,あすかは最初から模試の結果で母親を説得するつもりだったということなのでしょう.さも諦めたかのような顔をしていたのに,実は裏で着々と作戦を進めていたあすか.やっぱりわからない人です.
『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』
――奏の【本音】
久美子 2 年生編.個性豊かな 1 年生たちが入部してきました.
中でも個人的に目が離せないのが奏.
めっちゃええこと言うやん.素敵やで.と思ったのは最初だけ.
次第にいろいろぶっこんできます.
飛び出していってしまった美玲を擁護する奏.
奏はふてくされてどこかへ行ってしまいました.
そして,時は進みコンクールに向けたオーディションが始まりました.奏は手を抜いて演奏し,夏紀と久美子が止めに入り,夏紀に真意を聞かれるのですが…….
今まさに目の前に敵を作ってる気がするけど,大丈夫そ?
奏を追いかけ,中学のときのことを聞いた久美子.しかし,強烈で,どこかで誰かに言われたことのあるようなカウンターが.
奏は中学のときのコンクールで,先輩を差し置いて出場したにもかかわらず,結果が振るわずに心無い言葉を掛けられ,心に深い傷を負いました.きっとそのとき,文字通り皆が手のひらを返したのだと思います.
だから,奏は味方が欲しかった.敵がいてもいい.対立するのは当たり前.その中で,自分のことを守りたい.
奏が最初に久美子と会ったとき,「実はまだ,入るかどうかも決めてなくて」と奏が言うと,久美子は左足を一歩引いて,境界線の内側に戻ります.普通,もっとグイグイ勧誘してきそうなところなのに.しかも,希望者が少なかったから高校でもユーフォを続けたと言う久美子.吹いていたのは先輩に教えてもらった曲.奏は一言「優しいんですね」と.
まるで敏腕面接官のようですが,この僅かな会話で,奏は気づいたのだと思います.この人は,一歩引いてうまく立ち回る,自分と同じタイプだと.信頼できる,味方になってくれる人だと.
美玲も味方に引き入れようとしますが,久美子すら思っていたように動いてくれず,ふてくされてしまった奏.
夏紀にも本音をぶつけます.だって後ろには,頼れる久美子先輩がいるから.久美子先輩がうまく場をまとめてくれると信じていたから.
奏も結局は,久美子の説得に応じて,本気でオーディションに挑むことになりました.
一歩引いて安全な人間関係を構築しようとする奏でしたが,久美子には【本音】を打ち明けることができて,久美子が皆との懸け橋になってくれたことで,少しずつ皆を信じられるようになっていったのかもしれません.
まとめ
登場人物の【本音】が垣間見えるシーンをいくつか紹介してきました.皆が【本音】を隠したり言えなかったりするから続きが気になるし,いざ溢れ出す瞬間は,心にずんと伝わる迫力があって,心が揺さぶられます.そんなところが好きな作品,『響け!ユーフォニアム』シリーズの紹介でした.
3 期の注目ポイント
3 期は遂に,久美子 3 年生編! 高校最後のコンクールに挑みます.
個人的に気になっている注目ポイントを 3 つ紹介!
葉月はコンクールに出られるのか.2 年間 1 度も出ていないけど,3 年生だからといって出られるとも限らないのがオーディション.これまでずっと楽しそうな雰囲気で部活に取り組んでいましたが,そろそろ険しい表情も見られるのかもしれません.
揉め事と無縁のサファイア川島.コンバスの技術も強豪校の知識もあって,後輩にも慕われる良い人.でも,トラブルを華麗にかわしてきているというか,関わり合いにならないようにしている気がします.サファイア川島が【本音】を叫んでいるところも見てみたいな.
ユーフォに超上手な 3 年生が転校してくるらしい.久美子は,部長として皆を引っ張りながら,自身もぬかりなくコンクールに出場できるのか!?(これがたぶん本筋)
放送まであと数日,とっても楽しみです!
では最後に一言.
――そして,次の曲が始まるのです.
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