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第9波から心守れ

※文化時報2023年7月14日号掲載の社説です。

 新型コロナウイルスの感染者数が増え続けている。専門家は6月末の段階で感染拡大の第9波が始まった可能性があると指摘した。感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行して以来、初の流行期を迎えることに対し、宗教界も警戒を怠ってはならない。

 感染者数の全数把握は5月8日の5類移行に伴って終了した。現在は、厚生労働省が指定した全国約5千の医療機関で定点把握されている。それによると、6月26日~7月2日に報告された感染者数は7・24人で、増加傾向にあることがうかがえる。

 多くの人は、コロナ前の日常が戻ったかのような印象を持っているかもしれない。世界保健機関(WHO)は5月5日に緊急事態の終了を宣言しており、そうした受け止め方は世界の常識になっているように映る。

 だが、薄皮のような日常をめくれば、コロナの脅威がなおも牙をむいていることは、すぐに分かる。

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