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【緊急社説】信教の自由に立て

※文化時報2023年10月17日号掲載の緊急社説です。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)という特殊な教団だけの問題に押し込めるべきではない。政府が民法の不法行為のみで宗教法人格の剝奪を求めたことは、宗教界の自浄作用が働いていないことを意味する。宗教を大切にする一人一人が事態を重く受け止めるとともに、宗教弾圧の歴史を念頭に冷静なまなざしを持つことも忘れてはならない。

 文部科学省は13日、旧統一教会への解散命令請求を東京地裁に行った。宗教法人法に基づく報告徴収・質問権の7回に及んだ行使に、教団が正面から応じなかったためだ。

 2022年7月の安倍晋三元首相銃撃事件で、実行犯が旧統一教会への恨みを動機に挙げたことから、一連の問題は瞬く間に社会を席巻した。霊感商法や宗教2世への人権侵害は、それまでも被害者や支援者らによって声高に叫ばれていたのに、私たちメディアをはじめ多くの人々は耳を貸してこなかった。まずこの点を猛省する必要がある。

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