創立100周年へ、建学理念を再確認 大正大学・神達学長に聞く
※文化時報2024年3月5日号の掲載記事です。
天台宗、真言宗豊山派、真言宗智山派、浄土宗、時宗が運営する大正大学(東京都豊島区)の神達知純学長(54)が、文化時報のインタビューに応じた。混迷する時代に、建学理念の「智慧(ちえ)と慈悲の実践」をテーマに掲げ、社会課題の解決に貢献できる人材を育てたいと語る。2026年の創立100周年に向け、伝統と歴史を重視しながら先進性を取り込み、「大正大学らしさ」の確立を目指す。(山根陽一)
伝統とモダン共存
《大正大学は仏教連合大学構想に基づき、1926(大正15)年に創立された。2024年4月には6学部11学科からなる総合大学として、約5千人の学生が学ぶ》
――大正大学の校風を教えてください。
「ひと言で言えば、古さと新しさが混在している。仏教の伝統を尊重しつつ、近年の取り組みは先進的。5宗派の僧侶を目指す学生がいる中で、社会課題に実践的に取り組む学部も多く、自主性に富んだ学生が多い上に、女子学生の比率も比較的高い。教授陣は各界の第一線で活躍した人たちがそろっている。多様性のある大学だ」
――個性的な学部がそろっていますね。
「特徴の一つが地域創生学部。東日本大震災を契機に、地域へ目を向けることの重要性が高まって生まれた。巣鴨という足元を見つめ直し、自治体や企業などと連携し地域の活性化を図っている。学生も積極的に企画運営に関わり、実践教育につなげている。日本各地で地域貢献を学ぶべく、宮城県南三陸町や京都市にエリアキャンパス、静岡県藤枝市、兵庫県淡路市、徳島県阿南市にサテライトキャンパスを設置している」
「また2024年度から…
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