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宗教離れを超える僧侶へ 福祉仏教入門講座6月開講

 文化時報社は6月から、社会活動に取り組む僧侶のための「文化時報 福祉仏教入門講座」の第6期を、オンラインで開講します。「葬式仏教から福祉仏教へ」をキャッチフレーズに、宗教者と医療・福祉の専門職ら計約140人が受講した人気の講座です。

 宗教離れが叫ばれる昨今、「寺院消滅」は現実のものとなりつつあります。看取(みと)りから弔いまで、人生をトータルに支えることで、檀家・門徒・信者や地域住民から真に必要とされる僧侶・お寺となり、難局を乗り切る方法を共に考えます。

 講座は全7回。まず多職種連携の方法について学び、普及が進む成年後見制度=用語解説=の仕組みを大づかみで理解します。ソーシャルワーク=用語解説=に取り組む僧侶や障害者福祉に詳しい当事者、市民後見人として活動する非営利活動(NPO)法人の代表らを講師に迎え、宗教者が果たすべき役割について、宗派を超えて学び合います。

 皆さまのご参加をお待ちしております。

「親なきあと」に連動

 福祉仏教入門講座を受講すれば、8050問題=用語解説=ヤングケアラー=用語解説=に通じる「親なきあと」相談室を開設することができます。

 「親なきあと」は、障害のある子やひきこもりの子の面倒を親が見られなくなったあと、本人たちがどう生きていくかという問題です。ここに伴走する宗教者をサポートしようと、文化時報社は2021年10月に一般財団法人お寺と教会の親なきあと相談室を立ち上げました。

 財団には現在、宗派を超えた16の寺院・施設が支部として加盟しており、当事者家族はもとより、地域の方々や福祉関係者に高く評価されています。「誰一人取り残さない」お寺として生き残るためにも、ぜひ参加をご検討ください。

▽講座名:文化時報 福祉仏教入門講座
▽開講日:下記の表の通り
※全7回の出席が原則です。いずれも友引前日です。
▽時間:午後7~9時
▽開講方法:テレビ会議システム「Zoom(ズーム)」
※欠席時は録画で受講可能です。
▽受講料:1万6500円(税込み)
※全7回分です。欠席時の返金はできません。
▽申し込み:ホームページ(https://bunkajiho.co.jp/lecture.html)からお申し込みの上、受講料をお振り込みください。
▽締め切り:5月24日
▽振込先口座:京都信用金庫 七条支店 普通3012160

【用語解説】成年後見制度(せいねんこうけんせいど)
 障害や認知症などで判断能力が不十分な人に代わって、財産の管理や契約事を行う人(後見人)を選ぶ制度。家庭裁判所が選ぶ法定後見制度と、判断能力のあるうちに本人があらかじめ選んでおく任意後見制度がある。

【用語解説】ソーシャルワーク
 生活に問題や不安のある人々と関係を作り、適切な援助を提供すること。「社会福祉援助技術」や「相談支援」と訳される。専門に行う人はソーシャルワーカー(SW)と呼ばれ、病院や福祉施設、自治体などにいる。社会福祉士や精神保健福祉士といった国家資格を持つ場合が多いが、必ずしも資格は必要ない。

【用語解説】8050問題(はちまるごーまるもんだい)
 ひきこもりの子どもと、同居して生活を支える親が高齢化し、孤立や困窮などに至る社会問題。かつては若者の問題とされていたひきこもりが長期化し、80代の親が50代の子を養っている状態に由来する。

【用語解説】ヤングケアラー
 障害や病気のある家族や高齢の祖父母を介護したり、家事を行ったりする18歳未満の子ども。厚生労働省と文部科学省が2021年4月に公表した全国調査では、中学2年生の5.7%(約17人に1人)、全日制高校2年生の4.1%(約24人に1人)が該当した。埼玉県は20年3月、支援が県の責務と明示した全国初の「ケアラー支援条例」を制定。全国の自治体で同様の条例制定が相次いでいる。

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