【東日本大震災】追悼の旅、今年も実現 大船渡湾で「船上回向」
※文化時報2024年3月15日号の掲載記事です。写真は大船渡湾で船上回向に臨む石原住職(左)。
東日本大震災から13年となるのを前に、浄土宗生福寺(大阪府泉大津市)の石原成昭住職は6日、岩手県大船渡市の大船渡湾で「船上回向」を行った。浄土宗浄願寺(大船渡市)の鬼海(きかい)信隆住職が同行。地元漁師の協力を得て漁船に乗り込み、念仏を唱えて犠牲者を悼んだ。
石原住職は長年にわたり復興支援活動を行っており、大船渡市から「さんりく・大船渡ふるさと大使」に任命されている。船上回向は「お坊さんらしいことをしたい」と2015(平成27)年に始め、新型コロナの影響で断念した年はあったものの、今年も実現した。
この日は下船渡漁港から出港し、湾と外海の間の防波堤近くで停船して、回向。念仏中に菊を献花し、「南無阿弥陀佛」と書いた念仏石を海に沈めた。回向後はカキの養殖の様子や復興しつつある大船渡の街並みを船から見学した。
石原住職は「この時期に毎年こうして大船渡湾に来られることが当たり前でないことが、コロナ禍やここ数年の数々の悲しい出来事で強く感じている。多くのご縁に感謝している」と話した。
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