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【能登半島地震】「總持寺祖院、復興の象徴に」石附貫首、門前町見舞う

※文化時報2024年4月16日号の掲載記事です。

 曹洞宗大本山總持寺(横浜市鶴見区)の石附周行貫首は3月22日、能登半島地震で甚大な被害を受けた總持寺祖院が所在する石川県輪島市門前町を訪れた。石附貫首は地元住民らに「復興の象徴になるよう修復したい」と述べ、再建への意欲を伝えた。祖院の将来に対する不安を打ち消す意味を持つ訪問となった。

 関係者によると、石附貫首は地震発生直後から現地入りを希望。2月ごろに祖院へ意向を伝えていたが、大本山總持寺では4月1~21日の太祖・瑩山紹瑾(けいざんじょうきん)禅師700回大遠忌法要を控えており、現地の復旧状況を見ながら春の彼岸のタイミングでの訪問となった。

 当日は、總持寺の渡辺啓司監院が同行。午前に金沢駅で祖院の高島弘成副監院が出迎え車で門前町へ向かった。到着後は、三松関前で一行を関口道潤監院らが出迎え、大祖堂(法堂)や雲衲(うんのう)が参じる坐禅堂などの状況を視察した。

 石附貫首は、大祖堂で本尊に合掌。比較的軽微な被害だったことに触れながら、「大祖堂で法要ができるようになれば」と復旧への期待を寄せた。

 その後、門前町の避難所を視察し、地元住民と交流。2007(平成19)年の地震を経て、復興に尽力した住民らを気遣う場面もあった。この中で「能登半島にとって、祖院は信仰面でも観光面でも大切な場所。地元の心の支えとなり、復興の象徴になるよう、修復したい」と希望を述べた。

 ただ、祖院の復興には資金面で見通しが立たない部分もあり、宗議会では規模縮小や復興そのものを問う議員もいる。石附貫首は「再度の復興には時間を要する。慎重に計画を立て、継続した取り組みが重要だ」と指摘し「鶴見としても全面的に支えていく」と力を込めた。

永光寺では県内の被災状況を聞き取った=石川県羽咋市

 この後、石川県宗務所と現地対策本部が入る永光寺(ようこうじ)(羽咋市)で、屋敷智乘宗務所長から県内の被災状況を聞き取った。

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