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「うんこドリル」シリーズが3年連続ミリオンセラーになった8つの理由

「そんな下品なものは結構です!」―。

「うんこ漢字ドリル」発売の数か月前、とある書店さんに営業の電話をかけたらいきなり怒られたことを今でも鮮明に思い出します。
「うんこ」と発したことを信じてもらえないこともありました。
「ぶんこドリル?」
「うんこです」
「え・・?」
当時20代のピチピチギャルであった私は何百軒も書店をまわり、ひたすら電話をかけ「U、N、K、O!うんこ、うんこドリルです」と言い続けました。

そんな苦労を乗り越え、ついに迎えた2017年3月の発売日。
爆発的大ヒットの始まりは、店頭で「うんこ漢字ドリル」を見つけた、あるお客様のTwitterでのつぶやきでした。「変なの見つけた!うける!」その写真が瞬く間に拡散され、バズり、完売店が続出し始めます。
5月になると地上波テレビ、新聞、ラジオ、週刊誌、Webとありとあらゆるメディアに紹介され、年末の流行語大賞にもノミネート(ちなみに他の候補は「35億」「ハンドスピナー」「ひふみん」など)されるなど一世を風靡。この年の累計発行部数は全6冊で280万部を突破し、学習ドリルとしては史上空前のセールスを記録することになりました。

あれから3年……うんこドリルもすっかり「あの人は今」状態になっているかと言えば、実はそうではありません。あまり知られていないかもしれませんが、うんこドリルシリーズは18年103万部、19年137万部と3年連続ミリオンセラーを記録。多くの子どもたちに愛され続けているのです。

今回は、そんな「うんこドリル」の発売4か月前に、運よく!タイミング良く!文響社に入社し、その恩恵に与ったラッキーガール、営業の松永(29)が、「うんこドリル」が一発屋にならず、3年連続ミリオンセラーになった理由を自分なりに解説してみたいと思います(!)

まずは編集面から。

①とにかく早く、たくさん出す!
王道の「漢字」に加え、小学生向けに「算数」や「英語」、2~6歳児向けに「ひらがな」「おかね」、ドリル以外にも「おりがみ」や「シール」など社員でも把握しきれないぐらいにラインアップが充実。現在は50点を超えており、今後は、検定試験に対応した大人向けドリルも発売予定です!

②確実にウンと実力がつく内容
当たり前ですが、うんこドリルは学習教材です。新・学習指導要領にいち早く対応し、学年や年齢ごとに必要な学習内容が網羅されています。さらに、物語形式で楽しく問題が解ける工夫を凝らしたり、複数のイラストレーターがイラストを担当して飽きさせないようにしたり。ついでにあと1か月だけ20代ピチピチギャルの私もびっくりするような、豪華おもしろおまけが毎回ついています。

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《「くうかん5・6さい」についてくる、組み立て式うんこきりん人形!》


そして営業面。

③とにかく売り場を「うんこ」で埋め尽くす
社運をかけ、本格的木製「うんこテーブル」数百台と本格的鉄製「うんこ什器」数千台を作成。一等地でなくても、嫌でも目に入る強烈なインパクト什器を全国の書店においていただきました。もちろん狙いは「さすがにうんこの上に他社本は置けないだろう」。うんこの上に他社の本を置いているとうんこ警察が見回りに行きます。

④業界の流れに抗い、うんこ案内人を増やした
出版不況のため、書店営業員を減らしている会社が多い中、全国各地にラウンダーさんを増員し、補充などのフォローを手厚く出来る環境を作りました。

⑤うんこ先生、ミッキー化計画
会社HP、書籍案内、POPなどお客様の目にするあらゆるところに「うんこドリル」のメインキャラクター「うんこ先生」を登場させました。その一環として、なんと全社員の名刺にも(!)

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《文字の色、例文、うんこ先生のポーズなど自由に選択できました!笑》

⑥うんこに糸目をつけない広告出稿
交通広告や新聞広告を本当にしつこいくらい出稿し続けています。JR広告は、粘り強く何週間も打ち続けていたため、乗客の方から「気分が悪いから取り下げてほしい」という苦情もありましたが、面の皮の厚い我々は動じません。

⑦虎の威を借るうんこ
うんこドリルやうんこ先生の認知度を高めるための部署「うんこ事業部」を新設。様々な超有名企業や団体とコラボし、露出を増やしました。コラボパートナーは不二家さん、リクシルさん、ライオンさん、消防庁、ツエーゲン金沢(Jリーグ)……etcとスポーツ界や財界、霞ヶ関にも着々とうんこを浸透させています。

⑧うんこファンサイトの創設
事業部が運営するファンサイト「うんこ学園」では、大胆にもうんこドリルを応援してくれるお子様にドリル制作への協力を依頼。ほかにもうんこ先生との交流会を開催するなど着実にうんこ結社化を進めています。ちなみに「うんこ学園」には校歌もあります(ここだけの話、大勢の子役俳優を集め、学校の校舎を貸し切り、大人と諭吉の力を見せつけて(!)PVを制作しました。お時間あれば、YouTubeでぜひ検索ください。

いかがでしょうか。我々はうんこというパワーワードに頼りこそすれ、甘えることはありません。全社が一体となり、かなりストイックに愛される工夫を追求し続けているからこその3年連続ミリオンセラーだと確信しています。
ちなみに、現在文響社出版マーケティング部では、うんこ案内人を大募集中です!ご興味のある方、ぜひお待ちしております。ありがとうございました!!

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