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おっさんの冥土の土産旅──火焔型土器をみにいく2022.11.22.


【冥土の旅程】
自宅5:30→池袋7:00─高速バス→湯沢IC9:50─徒歩→越後湯沢駅10:41─北越急行ほくほく線→十日町─徒歩→十日町博物館
→十日町14:05→越後湯沢16:01─JR上越新幹線→東京→自宅18:30

その昔、教科書で見た火焔土器を見にでかけた。
 のっけから、なんだけれど、「火焔」という名付で、この土器の装飾が「焔」以外に見えなくなるというある種の「呪(しゅ)」がかかったことは間違いない。だが、今回しげしげとみるにつけ、おっさんには「にわとり」にしか見えなくなった。しかも、ハートを抱いているにわとりにしか。
縄文土偶にはビーナスだの女神だのの古称が付けられることも多いが、解釈の幅を狭めるという点ではどうなのだろう。

経費節約のため、往路は高速バスのシルバー割、復路は新幹線の30%オフチケットを利用。流行の旅行支援は使っていない。
 往路の高速バス、久しぶりに利用したが快適。池袋を出て高速乗ってからは途中上中里でトイレ休憩をとり、湯沢ICには予定時刻より若干早く着いた。天気予報で心配していた雨も上がっており、越後湯沢まで、植木の雪囲いや軒下に置かれた自宅周囲の除雪用トラクターなどの冬支度の進む街中を20分ほど歩く。

北越急行ほくほく線は初乗り。十日町までは40分余り670円。往路はワンマンカー(復路は2両、途中六日町で上越線に乗り換えで3両編成に)だった。魚沼丘陵駅からその丘陵を抜けるトンネルに入るのだが、十日町の二駅手前の美佐島は「地下駅」だった。美佐島を発車するとトンネルを抜けすぐに駅がある。帰宅後地図でみたが、わざわざ駅を作った理由は見当たらなかった。
 十日町駅から10分弱歩いて博物館に。想像より大きな町だが、人通りは少ない。豪雪地帯だからだろう、建物一階の窓には雪避けの板をはめ込む仕組みがある。新しい家はそれが煩わしいのか、1階部分を車庫などに利用する嵩上げタイプが多かった。道路のセンターラインから融雪水がでるのも雪国仕様。駅のホームから線路にも融雪スプリンクラーがあった。
 博物館は平日だが、おっさんを含めて5、6人の観覧者がいた。
 火焔土器コーナーはガラスにへばりつくようにみることができました。堪能のひとこと。
 十日町は信濃川が作る広い谷に位置する。流域には多数の縄文遺跡がある。川をさかのぼると、やはり、無数の縄文遺跡が分布する諏訪へつづく。気候が現在とは違っていた縄文時代、いまわたしたちが見る「雪国」には別の景色が広がっていたのかもしれない。
 小さい博物館だが、興味があるかたは、近くにお越しの際はぜひ。見て、損はない。縄文土器土偶はその造形もあるが、なにより、みていて、リズムを感じることが一番のよろこびだ。作っていた人もさぞかし楽しかったに違いない。鼻歌交じりに。
 雪国の暮らしのコーナーも面白かった。校章に雪の結晶紋がおおいという展示には「へぇー」。
 観覧後、館内のガチャで「合掌土偶」のフィギュアをゲット。ついでに、マンホールカードもいただく。なぜか、住所氏名を書かされる。八戸ではキャラマンホールの実物(ポケモンのいしつぶて)を見たが、ここでは、実物は見つけられず、カードのみ。


観覧後、街へ戻り、ご当地グルメの一つへぎそばを食べ、土産にも買い、帰途についた。
 越後湯沢での乗り換え待ちの間駅外に出たが、しばらく温泉に使っていないとふと思った。次の冥土の土産旅は温泉にするか?




[2022.11.23.ぶんろく]
 


冥土の土産

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