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境界アリス①鏡の国の少女

2008年11月18日04:56の日記より
ふいに鏡の国の住人とお話しする事ができた。ぼくの記憶がただしければ、たしか彼女は140年近くも鏡の国に閉じこもっていたはずだ。

失った恋人と似た口調で似た事を話してくれた。
愛する人が生き返ったみたいな気がして、すごくうれしかった。

だからしばらく少し前向きになれそうだと思う。

過去の悲しい事や辛い事はたくさんある。
だけど、死んだ悲しみより、一緒に時間を過ごせた幸せをより多く覚えてあげようと思う。本来、思い出はどんどん美化されるべきなのだ。

どうしても悲しみが強く刻まれているけど、人との関係にも、自分の現在の状況にも、永遠なんてありえない。”ずっといっしょに”なんてのはおとぎの国の言葉であって、現実には絶対に存在しない言葉なのだ。

ならば

その人と別れた苦しみよりも、その人と出あった喜びを大事に思えるように、そして
人は出会えば必ず別れるのだから、別れる不安で苦しむより、今現在、いっしょにいる人たちの事を幸せに感じられるように、心をコントロールする強さを身につけられればと思う。 


次のお話
アリスの章②血液の熱

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