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目黒線のアリス

地下鉄のホームに突然アリスがあらわれた。

「サングラスのおじ様?どちらまでですか?」

面識もないのに、いきなり話しかけられた。

「俺は隣の駅だけど…」

久しぶりに聞くネイティブな英語。ただのゴスロリかと思っていたけど西洋人の顔だった。
童話のままの笑顔を見せて、アリスは語りかける。

「隣の駅には何がありますの?」
「小さな商店街があります。それにもちろん僕の部屋のあるマンションも。」

しばらくとりとめのない話をしていると、俺の携帯が突然鳴る。仕事のクライアント。
「失礼」といって携帯をもち少し目を離すと、次の瞬間、僕はもうアリスを見失っていた。

地下鉄のアリスは何を伝えに僕の前に現れたのだろう。

アリスは何を探して、ここに来たのだろう。また兎を追ってここに迷い込んだのだろうか。

ドジソン先生(ルイス=キャロル)が偏執的に愛した少女アリス=リデルの虚像は、今も現実と童話の世界を彷徨っているのだろうか。


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ぶんちゃん

望んでない波乱万丈が僕の人生に勝手に起こり続けました。 もう疲れました。やぎ座の僕はもっと安定した基盤を望んでいるのに、いつも運命に振り回されています。 でもがんばって書き残そうと思いました。こうして書き残す事が運命のいじめへの僕の唯一の抵抗なのです。
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