親の年金で暮らすTについて(フル)
Tは中学時代からの幼馴染。今でも1年に1~2回は会う。
無職で親の年金で生きている。僕は毎日働き続け、税金を大量に払い、体も心も壊した。
Tは毎日寝て食べるだけの生活だ。
僕は生に意味を求めすぎて自分をがんじがらめにしばっている。
Tはスマホも持ってないが、誰にも拘束されていない。
僕は何度も別れの傷に苦しんだ。積み重なり出口がない苦しみに変わった。
Tは恋人がいた事がないし童貞だ。
生活に疲れ切った僕はもう笑う事もできない。
Tはくだらない事で笑えるしいつもニコニコしている。
Tは何も初めから無職だったわけではない。30代前半くらいまでは普通に働いていた。何かあって仕事をやめて、そこからずるずる引きこもりだ。
何度か彼に働けと説教したし、いろいろ助けたりもしたつもりだ。
僕はずっとがんばって働いている僕の方がTよりもえらいと思っていたのだ。だがそれは間違っていた。
人は息をして生きているだけで偉いのだ。それ以上はない。
「人間が生きる事=働いてお金を得る事」と信じているのは間違った教育のせいだ。
社会貢献は重要だ。だが今多くの人がやっているのは支配階級の幸せのために人生を犠牲にする行為だ。
人間の価値がそんな事で決まると教えた教育が間違っているし、そんな事で線を引く僕の方が圧倒的に下劣だ。
僕とTは同じ人間として生きているという点でフェアだ。
何か差があるとしたら僕の欲と業が深すぎただけだ。
僕は人生に意味がないと嫌なのだ。自己顕示欲が異常に強く承認欲求の
僕は毎日苦しみ日々と未来に絶望している。
Tは無欲だし将来を不安に感じない。
お互い人生の終わりが近づいた。
僕は孤独死がほぼ確定している。
Tには3人の妹がいてその妹にはそれぞれ子供がいて、孤独に死んだりはきっとしない。看取る家族がいる。
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