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境界アリス⑦最後に会ったアリス

2009年の12/24日、クリスマスのあまりのウザさに自宅アパートから飛び降り自殺を図ったアリス。 一命をとりとめ、入院した。

アリスの住む新小岩
010/9/11アリスがどうにか歩けるようになったというメールをアリス本人からもらった。
お見舞いというわけでもないが少し会いに行く事にした。
そしてこれが僕と生きているアリスのリアルでの最後の接触となってしまった。

自殺未遂でアリスの腰骨が砕けてしまったので、後遺症は残っていてうまく歩けないようだが、ほんの短い距離ならば歩けるようだ。
  
それでも自宅から駅までのほんの数百メートルの途中でへたばってしまったみたいで、途中のベンチに座っているというアリスを携帯で誘導されながら迎えに行った。

プリクラを撮りたいと言うので、近くのゲーセンでプリクラを撮った。

ゲームなんかはまだちょっと無理のようだった。
まだというかもしかしたら、ずっと無理なのかもしれない。
それでもずっと車椅子じゃなくてよかったなと思う。俺も半年ほど体験しただけだが、あれは辛い。

アリスの病状には治ったりするものと、もう治らないものがあると思う。

時間がたてば解決する事と、時間経過によりだんだん悪化するものがあると思う。

それは肉体的な事だけでなく精神的なものもそうだ。

アリスの人生や気持ちを考えず、状況だけ見れば、誰でも自殺未遂したのだから、自業自得というのかもしれない。

ただ一部の人には、ふいに死の衝動が走る時があるという。

俺もそうだ。死にたいと今まで一度も感じた事ない人は、聞かなくてよろしい。
その代わり、そうゆう人にはどんな人も自殺も止めないでほしい。

「生きていればいい事がある」「命は大事」

なんて僕には口が裂けても言えない。

自分の価値が見出せないまま、生きていくというのは辛い事なんだ。

アリスはこれからも、苦しみ続けると思う。 でも彼女なりに、自分の存在意義を見つけようとはするだろう。

いやそうしてほしいのだと僕は願っていた。

そうゆう意味では 誰でも自分を探すアリスだ。誰でも聖夜に自殺するかもしれないアリスだ。

そして僕らは少し傷のなめあいをしなきゃ、前を向けないのかもしれない。

それが、例え幻想という名の嘘であっても、必要悪かもしれない。

現実や時間に立ち向かうためには、少し夢や休息が必要なのかもしれない。

休みすぎて、夢から抜け出せなくなってはいけないけども、現実に立ち向かうためのエネルギーは誰でも必要だと思う。

それがあの時、もう少し足りてなければ、聖夜に飛び降りていたのはアリスではなくこの僕だったのかもしれない。

退院したアリスはこの日以来僕にまた毎日電話をするようにメールする。
その頃、僕には恋人らしき人が現れていて、少々困まりはじめていた。

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