全部夢だったら良かったのに

気分最悪。居心地最悪。一人暮らしの家に帰ってちゃんと生きていける自信なんて、到底ない。ずっとこうやってぬくぬく、熱くも冷たくもないぬるま湯に浸かるみたいに、ずっとここにいたい。いたくないけど、いたいの。痛くないけど、痛いの。わたしが蔑ろにしすぎたのかなとか、愛情を言葉にしなかったからかなとか、手料理振る舞わなかったからかなとか、サプライズをちゃんとお手本みたいに喜ばなかったからかなとか、もう間違いはたくさんあったのかも。それをひとつひとつ治していけば、彼女は満足したのかな。満足して、わたしの隣にまだいてくれたのかな。わたしは彼女に言いたいことも言えずに、電話するのも耐えだった思ってたのかな。憎たらしい。怒ってる。悔しい。先を越されたみたい。わたしは言わないように、そうしないように、我慢我慢、ってしていたのに、容易くその選択肢を選んだ彼女が心底憎い。彼女のその浅はかさとか、軽率さが、大っ嫌い。地獄に落ちればいい。はやく不幸になればいい。死ねばいいのに。わたしの日常から彼女が消えたら、きっとせいせいするんだろうなって思ってた。もっとひとりの時間が増えるから。ストレスな発言をされないから。言いたいこともちゃんと言えない自分に嫌気がささなくなるから。バイト代全部自分のために使えるから。だから、もっと楽になるんだろうなって思ってた。でもそれはきっと、わたしから彼女に、ちゃんと手順を踏んで、さよならを言った場合の話。それ以外は、全部例外。例外だったから、こんなにしんどいんだよ。想定外は、いつでも許せない。わたし、あんたが理由で死んでやりたいの。怒りがカンストすると、死んでやる!ってなるの。だから死んでやりたい。あんたの目の前で。トラウマになればいい。ふつうに生きるを出来なくなればいい、わたしにとってあんたが呪いなように、あんたにとってわたしが呪いになればいいのに。そういう短絡的な思考。簡単でしょ。あんたはでもいいね。友達が目の前で死んだ、って理由できっと同情されんだろうね。可哀想って、あの子のことよく見ておかないとって、たくさん心配されんだろうね。わたしがまだあんたのことを忘れていないのに、あんたはきっと韓国に旅行に行く。おそろいの香水も、誕生日プレゼントにもらったピアスもパーカーも、出会った頃に聴いてた曲も、一生に好きだったグループも、もう全部やだ。もう全部殺して、なかったことにして、わたしも死ねたらよかった。そうなったら、いまよりきっと気分は楽だっただろうな。見切りがついたら、あんた関連のもの、ぜんぶ、着払いで送り付けるから。いつになるだろう。いつだといいんだろう。最悪。災厄。罪悪。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?