見出し画像

自分の人生において、その選択が正解であることを信じているから。

現在58歳の男性。1965年生まれ、父は家具職人、母はパートで働いていた。4軒の長屋で育った私の子供の頃は、特に一般的なものではなかった。幼稚園は行きたくなかったのだ。なぜなら、音楽が嫌いだったから。
嫌いな笛ばかり吹かされた。太鼓が叩きたかったのだが、左利きで不器用だった。しかし、幼稚園での泥団子作りやカブトムシの幼虫を掘り出してくれる先生と過ごす時間は、何よりも楽しかった。発表会でみんなの前で話すのが恐怖だったが、その頃から何かに打ち込む楽しさを感じ始めていた。
小学校では、かけ算九九が覚えられず、恥ずかしい思いをした。しかし、負けず嫌いな性格が、コツコツと努力する力を与えてくれた。そろばん教室に3年生から6年生まで通い、3級で辞めた。字が汚かったため、習字教室にも通った。
中学生になって、勉強は得意ではなかったが、目標ができ、好きになった。何時間でも本屋で立ち読みし、いろんなものに興味を持った。ただ、数学と理科の力学分野だけは、好きだったものの理解できなかった。
そんな僕が、今、電験三種の国家試験を受けているのだ。平成28年から令和5年まで、コツコツと続けている。2年前に機械と法規が合格し、今年上半期に理論が合格した。残すは下半期で電力を取れば、晴れて電気主任技術者の免状が取れる。
ビル管理という仕事になんとなく入り、一番苦手な分野で生きているのは不思議なことだ。一度は逃げ出したくなるような困難が待ち受けることもあったが、幼稚園時代からのコツコツ努力の精神が、逃げずに立ち向かう力をくれた。
何が正解なのかはわからない。それが私がここまで生きてきた正直な気持ちだ。しかし、逃げずに立ち向かったからこそ見えた景色もある。
選ぶことの連続で続く人生では、選んだ先にも、それを土台にした次の選択が待っている。それでも選ぶことをやめるわけにはいかない。いつか、あれもそれも全部が繋がって、自分だけのとっておきの景色が見つかるはずだと信じて、これからもコツコツと努力を続けていく。
私の人生は、常に挑戦と努力に満ちている。幼稚園時代の音楽嫌いや、小学校での九九の苦労、中学時代の立ち読みなど、一見些細なエピソードが、今の自分を形作っている。
これからの人生でも、逃げずに向き合い、選ぶ勇気を持つことで、自分だけの道を切り開いていく。そして、電験三種の合格を目指し、一番苦手な分野で生き抜く力を見せるつもりだ。自分の人生において、その選択が正解であることを信じているから。


#あの選択をしたから


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?