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【後編】電子書籍ストアの書店員ってどんなひと? vol.1  auブックパス

~後編:この想い届け~! 燃える選書とこだわり篇~

「電子書籍ストアの書店員ってどんなひと?」と題し、auブックパスさんから3名の書店員さんをお招きして、企画立案から選書、ユーザーの反応までをおうかがいするインタビューの後編です。前編はこちら
 
――「売り上げにつながった」という実感があったキャンペーンには、どんなものがありますか?
 
Cさん:昨年実施した「海外文学・翻訳小説」特集の50%クーポンは、34倍の売り上げがありました。auブックパスは翻訳小説があまり動かない書店なのですが、誰もが表紙は見たことがあるというようなメジャー作品などを目玉商品として露出しました。キャンペーン中の販売の伸び率が飛躍的に高く、実績につながりました。
 
Oさん:昨年末で6回目を迎えた毎年恒例の人気企画「このBLに感謝!」キャンペーンというのがあります。マンガの賞レースを意識したもので、売り上げや人気度に関係なく、BL担当が読んで「これだ!」と思ったものを独自の視点でピックアップします。その年に人気だったジャンルなど、3つのテーマで部門を作成して、紹介しています。BL好きの方は薦められたものを読んでみようという方が多いので、BL好きスタッフが総力を上げて実施する名物企画です。作家さんに対して「今年も新刊を出してくれてありがとう」という想いを込めた企画です。
 
――逆に、売り上げはそれほどでもなかったものの、記憶に残るような思い出深いキャンペーンはありますか?
 
Oさん:今年の1月29日「いー肉の日」に、グルメ漫画のなかでもお肉が登場するコミックのキャンペーンを実施しました。作品に出てくるお肉がおいしそうなコマを並べた、おなかのすくキャンペーンページになったのですが、企画者である私の満足度が高いキャンペーンでした(笑)。
 
 
Cさん:私は3月8日の国際女性デーに合わせた「シスターフッドを感じる本」というキャンペーンですね。売れ筋のコミック『作りたい女と食べたい女』なども入れながら、柚木麻子さんの著作ほか、小説も幅広く選びました。2、3年前から温めていた渾身の企画で、クーポンのキャンペーンは終わったのですが、実はまだストアページの下の方にバナーを残しています(笑)。
 
――キャンペーンの裏には、企画をしているみなさんの思いが隠されているんですね。キャンペーンを企画するにあたって、たいへんなことは何ですか?
 
Cさん:常に2か月先のキャンペーンを考えるので、その時期のムードなどを想像して検討する必要があります。たとえばその時期に大きなイベントがあれば、関連するテーマを取り上げたりします。逆に今すぐやりたい! というキャンペーンは、許諾などスケジュールの問題で、すぐストア上で展開できないときにもどかしさを感じます。
 
Iさん:アイデア出しの時点で「この作品を入れたい!」とチョイスしたのに、他作品との組み合わせがテーマとそぐわなかったりすると、難しいな、まだまだだな……と思います。
 
Oさん:編成上、予算との兼ね合いもあり、売り上げを見込める作品を目玉商品として入れることが必要になります。自分のチョイスと目玉商品のバランス、さらにジャンルによってユーザーに刺さるキャンペーンかどうか、という判断もしなければいけません。トライ&エラーを繰り返してそのへんのバランスをつかむのが一番難しかったりしますね。
 
――最後に、これからやってみたいことがあれば教えてください。
 
Oさん:現時点では、たくさんの作品を並べるキャンペーンをつくることが多いので、なかなか難しいのですが、1つの作品を重点的に売り出すということをやってみたいです。丁寧に説明して、魅力を伝え、auブックパス発の人気作を生むことができたら最高です。
 
Cさん:新しい本と出会ってほしいので、今年度はストア独自無料キャンペーンに力をいれていこうと思っています。無料をきっかけに気軽に読み始めてもらうことで、既刊作品への導入をつくっていきたいです。
 
Iさん:最近はプロレスにも興味があるので、プロレスに関するキャンペーンもやってみたいと思っています。経験がない分、既存のものにとらわれず、新しい視点で企画を出していきたいです。
 
auブックパスのみなさん、ありがとうございました!
新刊から既刊作品まで、読書欲を刺激するキャンペーンが目白押しのauブックパスさん。ぜひストアを訪れて、こんなふうに生み出される毎月の独自キャンペーンに注目してみてください。その先には、きっとすばらしい読書体験があるはずです!

これからのキャンペーンも楽しみです!

番外編~入魂のキャンペーンは、担当者がアーカイブゾーンにバナーを残しがち~
 
auブックパスのストアページの下部には、編成担当者が頑張って作った過去のキャンペーンバナーが並べられています。「この場所にバナーを置いてほしい」と出版社から直々にリクエストが来ることも!
 
名探偵がいっぱいいる 探偵小説」や、「シスターフッドを感じる本
などなど……クーポンや値引きはありませんが、選書をみるだけでも楽しいラインナップです。ぜひご覧ください。

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