気になる女子高校生

いずれの御時にか・・・・と書き出したら紫式部作・源氏物語の
の序文のようになるが、それこそいずれの御時からか定かでないが、
学校登校日の毎朝、いつもの時間にいつものところで出会う女子高校生がいる。

どこに住んでいるか、名前も知らない。学年も知らないし、挨拶も言葉も交わしたこともない。また、いつのころから気になるようになったかも覚えていないが、少なくとも数か月以上前からだけはわかる。拙者がバスを利用するようになったのが半年になるからだ。

彼女もまた毎日のことだから、拙者のことを知らぬはずはないと思うが、それを聞き出すことはできない。

一般的によく見られる女子高校生の登・下高姿は複数人の2名から数名連れで歩いているのがよく見られるが、この学生はいつも一人で、バスでもなく、自転車でもなく一人で歩いて登校しているから、友達と待ち合わせして歩くほどの距離ではなく、学校の近くか学校近隣町の子供であろう。
すれ違い様によく見ると、化粧はしてないと思うが、顔は丸顔で目がパッチリ。眉毛はきれいに整えられ、美少女といった感じ。最大の特徴は口が小さく、上唇は富士山のようにはっきりとしてとてもとても可愛らしい娘さんだ。

拙者の住まいは、某高校と道路を挟んだ裏手にあり、通勤、街に出るには、校舎とその前の運動場の横道を通って表通りのバス停まで出なければならない。

表通りのバス通りに突き当たると、右側30メートル程度に校門(正門)があり、左側30メートルほどにバス停がある。彼女と出会うのはこの区間、合計右左60メートルの間である。

名前も知らない、言葉も交わしたこともない。知人・友人の家族でもないから関係のない全くの他人である。 だが、不思議なもので、名前も知らない、言葉も交わしたことがないその人でも毎日会っていると、以前からの知り合い、友達のような気持になるものだ。

その人が急に会わなくなると、今日はどうしたのかな?、休校?、だろうかと考えたり、病気になったのかな?、あるいは転校したのかな? と色々と考えたりして心配してしまう。
人間とは不思議なものである。

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