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山口周さん新著「NEWTYPE-ニュータイプの時代、感想。

前著「エリートは何故美意識を鍛えるか」に感化され新著を読了。

前著では、VUCA(Volatility,Uncertainty,Complexity,Ambiguity)と言う状況で、そこでは経験則に基づくクラフトマンシップや、論理思考や状況分析に立脚するサイエンスだけでは、不十分で、直感や感性を源とするアートが重要な要因になってくる。だから現代においては、論理性だけではない直感、法律だけに頼らない倫理感・善の軸、市場調査に頼り切らない美の価値基準、即ち美意識が重要なのだ!と言うのが主な内容であったのに対し、本著では「美意識を持つ」、とは具体的にどういうことなのか?について語られていたと理解した。

前著の感想で、自分らしさとはなにか、「真のこれで良いのだ」を見つけることで、自分の軸を確立することが大事、と感じたのだが、本著はまさしくそれに対するヒントが満載で、貪るように読み進めた。かなりバイアスをかけて読んだので、主観的な感想を自分為の記録として。(*ので、本著の正しい内容が知りたい方は、読み飛ばして下さい。)

これからの世の中では、問題となる不便が少なく、問題解決の能力、手法は過剰になり、問題解決力ではなく、「問題発見力」がより求められる。問題、とはあるべき姿からの乖離であり、問題を認識するには、「あるべき姿」を構想する必要がある。(即ち確たる美意識を持つ必要がある、と読んだ)

例えば、若者の社会貢献への意識の高まりは、モノが過剰で、意味が希少である時代を反映している。若者は常にハングリーで、かつてはその対象がモノ、所有、であったのが、意味、シェアに変わったのだそうだ。こんまりの片付けメソッドがモノに価値があった近代の終焉だと。

でも、一方でそんなモノが溢れている現代だからこそ、会えてモノを所有することの意味が深まる、という気もする。

「意味がある」ことの価値が高まるが、そもそも「意味がある」とはなんだろうか。「意味」はそもそもヒトが意味付けるものであると思う。何に意味があり、何に意味がないのか、判断する基準=「自分なりの美意識」を持つ事が必要なのだ、と読み解いた。

そのためには、「自分を知る」必要があるだろう、自分が何をしたいのか、何が自分にとって大切なのか、を知る事が、意味を見いだすことにつながり、その先に自己実現があるだろう。南極点への探検でアムンゼンがスコットに優ったのは、彼が自分を知った上で、心から南極点に行きたい、という自律的なモチベーションがあったからだ、というエピソードがそれを端的に表している。また、しばしば大きな組織が、小規模からはじまるスタートアップに完敗する例も、同じロジックと言える。

自分を知る、にはどうすれば良いか?それは色んな価値観に触れる必要がある。とにかくなんでもやってみて、色んな価値観に触れて、自分が何に引っかかり、何が好きで、何が不得意で、どんな偏見があるか、体験するのだ。

でも身体は1つ、時間は限られている、「始めたことをやめる」のもとても大事。やめ上手は始め上手にもなれる。(山口さんが前著でネガティヴな案件として引用していた、堀江さんの著書にポジティブ言及していたのは、とても好ましい)

更に響いたのは、色々な体験をする際に、自分のわかる範囲で要約しようとせず、真の意味を共感する事で、はじめて自分を多様化し、つまり自分を理解できる、というくだり。

無限に広がるネット上で、沢山の人と繋がっても、自分の価値観に凝り固まって寄り集まっていては、けっして自分を知る事などできない。

一方で、それでも社会は、組織は、システムは回っていく。そんな中で、しなやかに生き、自分らしさを見つけ、ハッピーになれる、そんなヒントを沢山もらった。ありがとう。

ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式 https://www.amazon.co.jp/dp/447810834X/ref=cm_sw_r_cp_api_i_IiFiDb9EQJ23P

#山口周 #NEWTYPE



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