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『暑寒を制す』省エネの極意は熱を制することから始める〜今までとは違った熱の性質を知ることで大きな省エネ効果が出て驚いた〜 熱、光、電波、いろいろなものが太陽からは飛んでくる。人間に有害なもの無害なもの、有益なもの無益なもの。

このコラムでは、太陽のパワー省エネについて掘り下げて考えてみたい。

わたしたちが考える熱に対する大いなる勘違い、というか思い込みを明らかにしながら、理想の省エネ論を独断的に混ぜ込んで進めていく。

結論から言うと「太陽の熱」を理解すれば、熱全体がコントロールできて、省エネは大幅に進むと考えている。

世の中で一番エネルギーを使うのは熱を引いたり足したりする運動で、この熱をコントロールできれば大幅に省エネが進んでエネルギーコストもダウンする。

では、なぜそれが一般的ではなく、普及も進まないのだろう。

そこには、経済的な理論も大きく絡んでくるので一概に「これがベストだから全員が採用すべきだ」、とはなかなかいかない大人の事情も大きく影響している。

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さて、太陽から降り注がれるもの、といわれてまず想像するのは「光か熱」、だと思う。「電磁波」と答える人もいるかもしれない。

まずは「熱」について考えてみる。太陽から降り注がれる「光と熱」は「太陽の恵み」なんていわれ方もする。しかし、その正体を知っている人がどれだけいるだろうか。

まあ、大体のことは小学校の理科の時間に習ったことで説明がつくのだが、それがなかなかできない。

なぜこんなことを問うかというと、熱を理解すれば使うエネルギーをぐんと抑えられるから。「熱を制すればエネルギーを制することができる」と思っている。

なぜなら熱を加えたり引いたりするためのエネルギーが一番大きいからだ、と話したが、たとえば家庭内では冷蔵庫、炊飯器、電気ポット、エアコンなどは熱を加えたり引いたりする。電子レンジもそういう意味では、間接的に熱を加えたり引いたりするから同じと思っていい。

家庭の電力消費が一番大きいのは、これら熱関連の電化製品だ。いまや、照明はLEDの進化により省電力優等生に成り上がってしまった。だから、家庭の電気代はほとんどが「」のために払ってると言っていい。もはや「光」にはそれほどお金がかからない。

パソコンやテレビなんかもそれなりにエネルギーを消費するのだが、これらも熱を発する。本来は機能として熱を発する必要はないのだが、どうしても電子部品や可動部品から熱が出てしまう。そして、この無駄な熱を発するためにエネルギーが余計に使われてしまうのだ。

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わかりやすい話はクルマの例だろうか。燃料を燃焼させたパワーでエンジンを動かして、その動力がタイヤに伝わってクルマは動く。クルマが動く仕組みは、簡単に言うとそういうこと。ところが、この燃焼によって発生したパワーが動力として利用できるのは30%程度に過ぎない、と言われている。

残りの70%はすべてロス。自動車メーカーはこのロスを1%、いや0.1%減らすために日夜努力しているのだ。そしてこのロスのほとんどは「熱」に変わって失われてしまうのだ。これが全体の60%といわれ、後の10%は摩擦などのロスだ。

エンジンを触ればやけどするほど熱い。当然だ。鉄の塊の中でガソリンが燃えているのだから。それでも、エンジンは冷却水によって冷やされている。言い換えると、ガソリンエネルギーの70%は、冷却水と排気ガスに「熱」となって奪われてしまう。ということ。

この、「熱」に逃げた分のエネルギーをすべて動力に活かさすことができると、クルマのエンジンで簡単に飛べる、なんてことがいわれたりしていた。それぐらい「熱」のエネルギーというのは大きいのだ。

太陽からの「熱」も同じ。とてつもないパワーを持っている。でも、実は太陽からは「熱」はやってこない。これっぽっちもやってこない。

じゃあ何で暖かいんだ!?

順に説明していくが、ここでは象徴的な事象をひとつだけ紹介してみよう。

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太陽の表面温度は何℃だか知ってるだろうか?

①太陽の表面温度は約6000℃といわれている。

 (因みにコロナは1,000,000℃程度だといわれている)

②宇宙の温度は絶対零度。摂氏に換算すると-270℃

③太陽と地球の距離。149,600,000km

④地球の表面温度。-18℃〜15℃

⑤因みに月の表面温度。-170℃〜110℃。

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もうなんだかおかしいことに気づいただろう。6000℃が-270℃の空間を1.5億km進んで地球に着くと15℃になっている。月だと110℃。

なんと6000℃という超高温から発せられた熱は一気に-270℃まで低下して、1.5億km進むうちにふたたび15℃に上昇するのだ!

いやいや、そんなことはあり得ない。ということで、太陽からは「熱」は降り注がれていないということがわかったと思う。ではなんでこんな現象になるのか、は追々話していく。

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まずは「熱」を制して、使う電力を極限まで下げまくる。これが第一。そして、下げきってから太陽光発電システムなどの発電設備とバッテリーを導入する。

そうすると、必要な電気がミニマムなので、システムもミニマムで十分。なので設備投資もミニマムで済む。

無駄な電気をガンガン使っておきながら、中途半端な自家発電装置をつけても設備代の浪費で終わってしまうかもしれない。


職業上、本音ではすぐにでも太陽光発電システムを買ってもらいたいのだが、ここは我慢してまずは使う電気を減らすことから。利益相反状態がしばらく続くが我慢することにする。

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(一部の)世の中は売電ブームだが、所詮時限立法的な法律なので、いずれは売るより自分で使った方が得になる。そもそもが、そこへ持っていくための売電制度なのだから。

どういうことかというと、使う電気よりもはるかに高い金額で、発電した電気を電力会社に買い取らせることを義務づける法律をつくったのだ。高価な発電設備を普及させるために国が発電事業者に与えたインセンティブだ。一般的にはFIT法とよばれている。

ところがそのインセンティブは誰が負担するかというと、需要家と呼ばれる利用者が相応に負担する。つまり、国民が負担するということになっている。

それがこのまま買取を続けていたら国民負担が洒落にならないほど大きくなる恐れが出てきたし、設備も量産効果でかなり安くなってきたからそろそろ売電制度やめようか、ということになってきた。

つまり、インセンティブの期限がそろそろやってくるというわけだ。

当初から、発電した電気は自家消費させるのが目的だったので、計画通りといえば計画通りなのだが。

そういうことで、電気は自分でつくって自分で使う時代になる。そんな遠くない将来。

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設備費用が下がったといったが、実はまだ下がらないものがある。しかも、今後の電気環境はコイツの性能アップと価格低下に大きく左右されるのだ。

それは何かというと、バッテリー

業界的には蓄電池という呼び名の方が一般的だが、ここではかっこよくバッテリーと呼んでみることにする。

バッテリーがもっと使いやすくなると、太陽光発電で余った電力を売らずに蓄電して夜使うことができる。そうすれば、電気そのものにはお金がかからなくなる。バッテリーが小さくても、使う電気が少なければ問題はない。

だから、先に省エネなのだ。そして、蓄電池にはHEMSという概念を連結することで、能動的な省エネが実現する。そして最終的にはZEHを実現することで、理想の省エネは完成する。とりあえず。

ちなみに、HEMSとはHome Energy Management System、ヘムスと読む。要は家庭で使うエネルギーを節約するための総合的な管理システムのこと。

電化製品や電気設備をつないで、発電や消費電力を見える化して能動的に省エネ行動を起こしたり、自動制御やスマホなどによる遠隔操作ができるようにすることで省エネをすすめる、というもの。

ZEHはZero Energy Houseでゼッチと読む。住宅を省エネ仕様にして、太陽光発電などの再生可能エネルギーを導入してエネルギー収支をゼロにすることを目指す住宅のこと。

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このストーリーは、太陽「熱」からスタートして、最終的には「理想の省エネスタイル」にもっていくつもりだが、総合的に話を進めたいので、時々太陽光発電の投資に関する情報なども交えたりするかもしれない。

「年金2000万円問題を太陽光発電投資で代替するには無理がある」のでこう乗り切れ!みたいな話。これも基本的には独論なので、気が向いたら話すことにする。

では、「理想の省エネ」への楽しい旅を始めることにする。

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