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仕事の本質はイレギュラー対応にある

「仕事の本質はイレギュラー対応にある。」

社会人駆け出しの頃に参加した社内研修の中で、最も印象に残った先輩社員の言葉である。当時の自分は目の前の仕事をこなすのに精一杯で、仕事の全体像すらもおぼろげな状態であったが、この一言で視界が一気に開けた。そもそも仕事には「レギュラー」と「イレギュラー」がある。それを峻別すれば、もっとスムーズに仕事を進められるのではないか、と考え始めた。

何が「イレギュラー対応」なのか?
イレギュラー対応と一括りにしてしまったが、実際にはどのようなものがあるだろうか。例えば、備品の購買や会議の議事録作成はレギュラー業務として卑近だろう。業務の遂行手順がおおよそ決まっており、迷うことは少ない。また、「仮説・計画通りに進行する業務」も同じくレギュラー業務に近いと私は思う。レギュラー業務とは、想定した通りに円滑に進む業務である、と言えよう。イレギュラー業務はその裏を返せばよいので、想定した通りに進まない業務だと考えられる。イメージを膨らませるために具体例をいくつか挙げてみたい。

・報連相が正確でなく、関係者が誤解した状態で仕事が進んでしまった時。
・必要な物品が納期までに来ず、代案を考えなければならない時。
・実験操作を誤って実施し、再実験を追って実施すべき時。
・仮説を裏切るような結果を得て、新たに仮説を考える時。
・終えたつもりの仕事でミスが発覚し、急いで修正すべき時。

イレギュラー対応に必要なこと
レギュラーな状態であれば、心も身体も凪いでいて安定するが、一方でちょっとした刺激にも敏感になっていく。そうするとイレギュラーな事態に対してアレルギー反応を示しやすくなる。この負のスパイラルに入らないためには、少しでもいいからイレギュラーな事態を歓迎することだ。その上で、いつイレギュラーな事態が起こってもいいように、毎日30分〜1時間程度は余裕を持てるような業務量を意識する。

終わりに
まずはレギュラー業務を着実に進めることが何よりも大切である。その上で、いかに迅速かつ丁寧にイレギュラー対応を進めていくか、ここが腕の見せどころだ。一度経験したイレギュラー対応も、しっかり振り返ればきっとレギュラー化できる。新しいことへ果敢に挑戦していく際、イレギュラーな事態が多すぎると逆にやる気を失ってしまう。昔の自分がイレギュラーと思っていたことをレギュラー化していく一方で、新しいイレギュラーな事態を常に歓迎していく姿勢こそが、きっと大事な資質になるだろう。

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