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第二のひきこもりやらせ報道疑惑の炎上案件になりかけた話

先日、ひきこもり関係のイベントで「直撃LIVE グッディ!」のディレクター(あるいはスタッフ)に声をかけられた。

「このあいだのNHKの中高年ひきこもりのやらせ疑惑のことで来ました。ひきこもり像について関心がありまして、『グッディ』という番組で取り上げたいと思っております。安藤優子がやっている番組でして、彼女は精神科医の斎藤環さんが参加しているマラソンの集まりでも一緒です」と彼は言った。

彼をふくめて数人でひきこもり像について語ろうと思っていたけれど、ガンダムの話やJOJOの話になっちゃった。

「JOJOでも近距離パワー型や遠距離自動追尾型のスタンドがあるようにひきこもりにもいろんなタイプがいるんですよ」と力業でひきこもり像について話題を戻そうとしたが、無理があった。

そのイベントが終わったときに、その「グッディ」のディレクターらしき人にまた声をかけられた。

「これから家に帰るんですか? 一緒にいって部屋の中を撮らせてもらっていいですか」と言われてとまどった。最初の自己紹介のときに、斎藤環という名前が出てきたのですっかり油断してしまった。まともにひきこもりのことを取り上げるんだろうなと思った。

今日会ったばかりで何の信頼関係もない相手に自分の部屋を撮らせて翌日テレビで放送するなんてあり得ない。ひきこもりじゃなくてもフツー嫌だろう。センシティブな問題なのにやり方が雑すぎる。NHKは半年かけて信頼関係をつくってきた。そのすごさがあらためてわかった。

でも、正直に告白すると迷った自分もいた。その方は、物腰柔らかで良い人っぽいんだ。ガンダムやJOJOの話にも付き合ってくれたし、何か協力したくなったんだ。

同じイベントに参加していた人にあとでこんなことを聞かされた。

「あのテレビ局の人がケータイで電話していたのを偶然聞いてしまった。『絵が間に合いそうにないです』と言ってたよ」

たぶん上司からいろいろ詰められていたんだろうなあと思った。僕と話をしていたときも何度か電話がかかってきて席を外していた。その意味では、大変だと思うけれどこちらも大変だしなあ。

翌日の「グッディ」の番組を見たけれど、取り上げられた方は世間が求めるひきこもり像だった。二階に潜んでいるけれど姿は見せないという、ジャパニーズ・ホラーっぽい感じ。

これ以外の取り上げ方をすると、やらせ疑惑が生じてまとめサイトや5ちゃんねるで叩かれる。ひきこもりがピンクのシャツを着ているだけでやらせだと疑われて叩かれるんだもん。

それをおいしいと思って僕に声をかけたのかもしれないけど、そういう消費のされ方はいやだよなあ。

記事の内容がよかったぜという方だけでなく、喜捨して徳を積みたいという方にも喜んでいただけるシステムになっております。この機会にぜひ(^_^)v