貧乏はお金がかかる~不都合な真実~
料理というのは一種の文化資本(cultural capital)である。読書や芸術に対する関心もその家庭の影響が大きい。
料理は、栄養バランスを考えながら複数の食材を組み合わせなければならない。多くの食材を犠牲にしながら試行錯誤をする必要がある。それが許され、推奨される家庭で育った子どもは、料理という文化資本を獲得する確率が高い。
あるニュース番組で生活保護受給者の家計簿が紹介された。その生保受給者の食費や食生活を見てネットでは一部の人間が叩く。
「カップラーメンなんて割高だ。節約する努力をしていない」
その叩く人たちは料理ができるのだと思う。ただ、料理は誰もができるものではなく、前述のとおり、親から引き継いだ文化資本に寄るところが大きい。そして、料理ができる健康状態なのだと思う。
精神疾患になってしまうと料理ができていた人ができなくなることがある。僕の通っている地域活動センターでレンジでチンするご飯をいつも買っている人がいた。
「ご飯をまとめて炊いて冷凍しといたらどうですか? そのほうが割安だと思いますよ」と僕が言ったところ、
「うん。それはわかっているんだけどねぇ……」と彼は力なく笑った。
そのときは、意味がわからなかったけど、自分が職場で精神的に追い詰められたときにわかった。しんどいとご飯を炊くことすらできなくなる……。お米を水で洗って炊きあがったあとにサランラップに包むという工程を考えただけでもう無理。
メンタル悪化→まともな料理を作れない→食費がかかるor全く食べないという負のスパイラル。これが深刻になれば、別の病気になって医療費だってもっとかかる。
格安SIMというのが出てきて数年が経ったが、高所得者ほど利用率が高いというデータがある。つまり、低所得者ほど通信費にお金を使っている。これは金融、保険、不動産にも言えることで低所得者ほどリテラシーが低く、そのためにお金がかかる。
貧乏ほどお金がかかるという不都合な真実である。
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