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ノースキルのひきこもりが生き残るには、比較優位の概念を知ることが大切

ダメ人間の自分が働くにはどうすればいいか悩んだことがある。長年ひきこもっていた人であれば、そうだろうと思う。

昔、何かのきっかけでリカードの比較優位という概念を知った。リカードは英国の経済学者さん。

たとえば、世界に日本と北朝鮮しかないとする。

日本は毎年工業で100兆円、農業で30兆円を稼ぐ。それに対して、北朝鮮は工業で40兆円、農業で10兆円しか稼げない。

北朝鮮はもうダメかというとそんなことはない。日本が工業に特化して農業をすべて北朝鮮に任せたほうがトータルで稼げる金額が増す。

実際は、世界に2カ国しかないわけないし、農協がぎゃーぎゃーうるさいし、国防上自国で食料を生産できなきゃダメだと言い出す人もいる。でも、理屈の上ではそうなる。

個人単位で考えてみた。

Aさんが営業で100万、事務で20万を稼げる。Bさんは営業で20万、事務で10万しか稼げない。でも、Aさんが営業に特化してBさんに事務を任せたほうが全体の売上は多くなる。あるていど横断的なことも必要だとしても基本的な考えた方としてはこうなる。

リカードすげえ。なるほど、ダメ人間でも生きていけるよなと思った。

もちろん、すべての分野で下っ端でいるということで自尊心の問題は出てくると思う。そして、会社の人間関係やローカルルールなど不確定要素もたくさんあるけれど、理屈としてはノースキルの人間でも活躍できる機会はある。

MBAホルダーはなぜウォール街を目指すのか?

ハーバードのビジネススクールでMBAを取ったエリートは、なぜウォール街を目指すのだろうか。競争相手のレベルが高いからそこで生き残る確率は低いはずなのに。頭の良い彼らが、それがわからないはずがない。つまり、収入以上に社会的地位が欲しいのだと思う。

でも、そのプライドを捨てれば他の産業(風俗など)で生き残る確率が劇的にあがり、稼ぎやすいんじゃないだろうか。もちろん、最近の風俗産業の経営レベルも上がっているらしく、それに代わる産業を探す必要があるかもしれない。それはおそらく人がやりたがらない仕事か、だれも注目していない仕事だと思う。

プリンタのインクを交換するのだって立派な仕事

時々、僕は自治会のお手伝いをしているんだけど、お年寄りからプリンタのインクを交換してほしいという依頼が来たことがあった。作業は秒速で終わり、これほど楽な仕事はないと思うのだけれど、できない人にはできない。

「エアコンのマニュアルをなくしてしまった。だから、ダストボックスの手入れができない。なんとかして」との依頼もあった。いまは各メーカーがPDFでマニュアルを公開しているのでダストボックスのページだけプリントアウトしてすぐに解決した。

「パソコンがおかしい」「ネットにつながらない」という依頼もあるが、これもほとんどがググれば解決できる。それでも解決しないならばプロバイダのカスタマーセンターに電話をして聞けばいい。

わからない人は、何がわからないのかがわからない。だから、カスタマーセンターに電話をしても疑問点を質問するのが大変なんだ。これを僕が代行して聞く。それ自体が仕事になる。一種の通訳や翻訳みたいなものだと思う。

こういう広義の草むしりが、とても需要がある。現役世代は仕事で外に出ているし、お年寄りはパソコン関係は苦手だ。自分の子どもに頼むといろいろうるさがられるので抵抗があるという。ここで僕みたいなノースキルのひきこもりでも比較優位によって仕事が生まれる。

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ちなみに実際の草むしりをしたことは一回ある。いや、冷静に考えると草むしりレベルではなかった。庭に植えられた樹木の枝を切り落とした。これは僕一人だけでなく数人がかりでやった。真夏の暑い日できつかったけれど達成感があった。

樹木の伐採は技術が必要だからこれは素人が楽にやれる仕事ではないかもしれない。でも、体力的な仕事であればお年寄りより比較優位で役に立てることがある。買い物代行やカーテンの洗濯(洗ったあとのカーテンを取りつけるのは重くて危険)など。

いずれ自分で独立して商売にしようと思ったけれど、自治会活動の一環として位置づけられちゃって今さら「金儲けするぜ!」と言い出せなくなった・゚・(つД`)・゚・ ウワァァァン 。(もっとも自分の体調が不安定なので難しかったと思う)

ただ、周りのお年寄りたちから信頼を得られたのは大きかった。そして、自分でも人の役に立てるんだと思ったら少し自信がついた。暮らしやすくなったし、よく声をかけられるようになった。憂鬱な気分で歩いていると、近所の人が「大丈夫?」と心配してくれるんだ。すごく嬉しかった。

記事の内容がよかったぜという方だけでなく、喜捨して徳を積みたいという方にも喜んでいただけるシステムになっております。この機会にぜひ(^_^)v