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元ひきこもりの女性と会った

元ひきこもりの女性と会った。彼女は保健所のひきこもり自助グループのボランティアをしていたこともある。ちょうど、僕が仕事を辞めたときに会ったから3年ぶりの再会になるのか。

今日、彼女と会ったのはハートネットで「ひきこもり文学」が再放送されるのを知らせるために彼女にメールを送ったのがきっかけだった。

ドトールで待ち合わせをした。彼女が先に着いていた。僕も注文しよう。

「沖縄黒糖ラテをロングで」
「はい……ロングですね」と店員さん

あとで気づいたんだけど、Lはラージの略だったような気がする。めちゃくちゃ恥ずかしいんだが。店員さん合わせてくれたのか。さすがだわ。

彼女は特別養護老人ホームで働いてもう15年近くなるという。最初は、週3のパートだったけれど人手不足もあって1年でフルタイムの正規雇用となった。

「元ひきこもりで働き出した人の職種の介護率がすごく高いような気がする」
「常に人手不足だからね。履歴書に傷があっても入れちゃう」と彼女。
「そうか。仕事はどんな感じ。前は『利用者さんに腕を噛まれた』なんて言っていたけど(笑)」
「いろんな人がいるからねえ。でも、最近は現場に入ることは少なくなったかなあ」

彼女はケアマネージャーとして事務作業が増えたらしい。その量が膨大で自宅に仕事を持ち帰らないと終わらないという。

「もちろん、そのぶん給料が出るわけじゃないでしょ?」と僕
「うん、そう。利用者さんがいるからストライキはできないしね(笑)」

中高年のひきこもりの報道がされたとき、人手不足だから彼らを労働力として使うべきだという意見をよく目にする。その人手不足の原因がどうしてなのかを知りたい。

もし、労働環境が悪いためだとしたら、そこに元ひきこもりを投入することでその労働環境を改善するインセンティブは働かなくなる。ゾンビ企業を延命させてしまう。そして、そのブラックなゾンビ企業がひきこもりを生み出す片棒をかついでいたとしたら? 悪い冗談だ。

社会がひきこもりを生み出す責任の一端を担っておきながら、中高年ひきこもりのために社会保障費が大変だと騒ぐのは反発したくなる。でも、僕は敵を作りたくないから言わないけれど。僕はずるいんだ。

「前に話したとき、カフェで読書することが多いと言ってたけどいまもそう?」
「うん、文庫本を買ってカバンにいれてカフェで読む。パソコンも持ち込んで仕事をしちゃうこともあるけど、良くないなと思ったり」
「休みの日でも家にいないんだ?」
「家にいたくないからカフェに行っちゃうなあ。DVDもレンタルしない。ひきこもっていたときは、よく観ていたけどね」
「いま一人暮らしだよね。自炊している?」
「仕事が終わるのが遅くて帰りに外食で済ましちゃうかなあ」

彼女はむかしから我慢強い人だという印象があった。休みを入れることを言い出せなかったり。もっと話したかったけれど、2時間だけと設定しておいた。時間制限をかけたほうが、満足度が高いような気がするし、お互い疲れないから。

※彼女に会うのに電車ではなくチャリンコを使った。片道1時間かかって(道に迷った)疲れた。でも、良い運動になった。

記事の内容がよかったぜという方だけでなく、喜捨して徳を積みたいという方にも喜んでいただけるシステムになっております。この機会にぜひ(^_^)v