多色ダンダーンで遊ぼう!


多色ダンダーンとは

『《ダンダーン》は青のクリーチャーでは?』と思われる方、その通りです。では多色ダンダーンとは何でしょう? 多色ダンダーンは、海外サイト reddit にないマルチカラーカードでダンダーンと同じような遊び方をするデッキで、完全オリジナルです。
 今回、その『マルチカラー』ダンダーンについて、指定クリーチャーの選定からデッキリストを作成し調整したものを紹介します。カードが入手可能な方はぜひ遊んでみてください。
 青→白→黒→赤→茶ときて次がマルチカラーの理由は、残りの1デッキ(緑)を現在進行形で調整しているからです。緑がゲームバランスを取って面白いダンダーンにするのが最も難しい色となっています。

バリアントルールについて

 先手後手による有利さや《ダンダーン》の代替クリーチャーの特性、デッキ構成によるゲーム展開などを理由として、元祖ダンダーンからルールを追加したり削除したりする場合があります。
 多色ダンダーンではダンダーンにおける基本ゲームルールから変更点はありません。構築ルール変更で最も違うのは呪文全てがマルチカラーカードであること、1枚ずつしか入らない土地カードがあることです。多色デッキ特有の「どのマナが出るか、不足しているか」が起こるため序盤は若干わかりにくいですが、ゲームが進むと全ての色が出揃うため問題は少なくなっていきます。

さっそくデッキリストをどうぞ

クリーチャー: 10
10 ピストン拳のサイクロプス

インスタント:14
4 ナヤの魔除け
2 妨げる光
2 忌まわしい回収
2 成長のらせん
2 魂の操作
2 有事の力

ソーサリー:20
8 Diabolic Vision
2 表現の反復
2 地上の突撃
2 悪魔の戦慄
2 ボーラスの奴隷
2 不吉なワルツ
2 都の進化

土地: 36
10 3色サイクリングランド(各1)
10 2色サイクリングランド(各2)
10 スローランド(各1)
2 反射池
2 風変わりな果樹園
2 パルンズの柱

カード投入数とか効果とか

10 ピストン拳のサイクロプス

今日のゲストはこの方です

 《ピストン拳のサイクロプス》は3マナ4/3、防衛持ちのクリーチャーです。このままでは攻撃ができないですが、インスタントやソーサリーを唱えたターンは防衛を持たないかのように攻撃できます。
 デッキに入っているスペルはサイクロプス以外全てインスタントかソーサリーであるため、適切な手札調整を行っていれば多くのターンで攻撃していくことは可能でしょう。
 ただ、やはり効率的なのは複数体サイクロプスを並べた状態で攻撃をすることです。対戦相手より多くのサイクロプスをコントロールすることが勝利につながるのは他の『ダンダーン』と変わりません。

4 ナヤの魔除け

便利さとエンドカードの共存

 スペル4枚枠は《ナヤの魔除け》。インスタントでサイクロプスに3点与えれば当面の危機は脱せますし、墓地から好きなカードを拾える能力は最高のポテンシャルがありますし、相手のクリーチャーを全部タップしてしまえば勝てない方がおかしいともいえます。
 問題はこのカード、意外と2番目と3番目のモードで唱える隙がないということ。1番目のモードで緊急回避に用いられることが最も多いのが器用貧乏の証かもしれません。

2 妨げる光

使いにくいお守り

 自身か自身のコントロールするパーマネントを対象とする呪文を打ち消し1ドロー。ハマれば強いですが、対象を取ってくる呪文はそう多くなく手札に腐りやすいカードの筆頭です。
 しかし、光り輝く瞬間があるのも事実。純粋にサイクロプスを対象にした呪文の他に、《ナヤの魔除け》の3つ目の(全タップの)モードを打ち消せることは知っておくとよいかもしれません。

2 忌まわしい回収

拾うほうより削るほうが本体だったり?

 Top5枚からクリーチャーか土地カードを1枚手札に入れ、残りを墓地に送ります。序盤に土地を引き込める、終盤にサイクロプスを引き込めるカードとして重宝します。
 このカードは《Diabolic Vision》によって積み込まれたデッキをゴッソリ切削できます。相手からライブラリーハメモード(Diabolic Visionの連打で欲しいカードが全く手に入らない)を受けそうになった際に使ってみると良いでしょう。

2 成長のらせん

たかが1枚、されど1枚

 カードが1枚引ける時点で最低限の仕事は果たし、土地を置ける能力は自身のゲーム展開を有利にしてくれます。特に序盤の《Diabolic Vision》の積み順を崩す役割は大きいです。
 4マナ(2UG)に《ひらめきの瞬間》も存在していますが、このダンダーンでは《悪魔の戦慄》の続唱のヒット率を上げるためにこちらを採用しています。

2 魂の操作

相手の思惑を崩す打ち消し呪文

 3マナからはアドバンテージを取れるカードを入れています。この《魂の操作》では、相手がサイクロプスを増やそうとする目論見を崩し、自身のサイクロプスを増やすことができます。
 中盤以降、盤面を支えるためには多くのサイクロプスをコントロールしていることが重要になります。間接的にですが相手のサイクロプスを奪えるこのカードが弱い訳がありません。

2 有事の力

多色のTimetwister枠はコレ

 多色のライブラリー修復枠はこの《有事の力》となります。7マナととても重いことを除き、書いてあることは「Timetwister & 手札に来たパーマネントを1枚出せる」なので、盤面有利で撃てさえすればその有利を広げることが可能です。
 盤面と同じくらい重要なのは撃つタイミングとその時の相手手札です。終盤絶対に打たせたくない《ナヤの魔除け》《ボーラスの奴隷》《不吉なワルツ》を相手が持っているかどうか。この辺りを読み切って撃っていきましょう。

8 Diabolic Vision

5枚掘れるがシャッフルできない《思案》

 序盤から中盤にかけてゲームを支配するカードはこの《Diabolic Vision》です。5枚見て1番ほしいカードを手札に、残り4枚を積み込みするというから酷い話です。
 引き順は相手→自分→相手→自分です。最も不要なカードを1枚目に置くのはセオリーとして、残りのカードをどのように置くかは相手の「1枚引く(サイクリングや《成長のらせん》)」系カードの有無と撃ってくるかどうかにかかっています。

2 表現の反復

強力カードもこのフォーマットなら適切な強さに

 一部の構築フォーマットから押し出しを食らった強力カードも「ダンダーン」では使ってしまいましょう。2マナ呪文で実質2枚のカードが得られるこのカードは強力ですが壊れているまではいかないでしょう。
 使い方は一般的な構築デッキと同様です。《Diabolic Vision》で積み込まれたライブラリーに使えば、たいていの場合土地を1枚は引き込めるはずですので2枚のアドバンテージを得るのは難しくないでしょう。

2 地上の突撃

 数少ないクリーチャー破壊呪文の枠に当選したのはこの《地上の突撃》です。ソーサリー速度での除去であること、もっとも使われていない緑マナを使用していること、自身にクリーチャーを必要とする格闘系除去ではないこと、などが選考理由です。
 使い方は書いてある通りです。攻撃前に相手のサイクロプスを1体落として地ならしするのがわかりやすく効果的なタイミングです。

2 悪魔の戦慄

続唱の当たり確率は80%

 サイクロプスで攻撃をしやすくするための呪文として、ブロック不能を付与するのは良いアイデアです。そのうえで続唱によってアドバンテージも得られる3マナの呪文であれば合格点でしょう。
 このデッキに入っている2マナ呪文は5種類、そのうち続唱で唱えられる2マナ呪文は4種類ですので当選率は80%(手札調整3種、除去1種)。過度に期待せずに撃つのがよいでしょう。

2 ボーラスの奴隷

5マナ呪文は天秤を傾ける

 ここから始まる5マナ呪文群は「ゲームの行方を明確に変える」カードです。《ボーラスの奴隷》は相手からクリーチャーを奪い、攻撃をした後に生け贄にしてしまえます。
 例えばサイクロプス2体どうしで睨みあっているところにこの呪文をプレイすると一時的に3対1の状況を作って攻撃することができ、ターンの終了に生け贄に捧げて2対1もしくは1対0の状況を残します。その結果、ダメージ2回先行したうえにクリーチャー1体多い有利な状況を作り出します。
 ただし、このカードには致命的な弱点があります。《妨げる光》です。

2 不吉なワルツ

対象が必ず3つ必要なことに注意

 墓地から3枚クリーチャーカードを対象とし、ランダムで2枚戦場に、1枚をライブラリの下へ送ります。このデッキではサイクロプス2体のリアニメイトという結果が残ります。
 終盤に激しいやりとりがあればサイクロプスが3体以上ある状況は比較的簡単に作れます。その状況ができれば躊躇なく使ってしまいましょう。御覧の通りこのデッキには全体除去は入っていません。
 なお、気を付けるべきことはこのカードには3枚の対象が必要で、サイクロプスが2体以下では使用できないこと、デッキには2枚のワルツが入っているため、相手のターンでは相手に先に使われてしまう可能性があることです。

2 都の進化

このデッキの「3枚引け」枠はコレ

 恒例の「3枚引け」枠はこのカードです。3枚引いて土地1枚出す能力は地味ですがアドバンテージを明確に広げられる1枚となっています。特にこのデッキでは、土地の引きすぎをサイクリングランドが防いでくれるので、引いた枚数がそのままアドバンテージになることが多いです。
 中盤に《ナヤの魔除け》で墓地から拾うカードとして最も選ばれるのはこのカードです。中盤のゲーム展開として土地とサイクロプスの両方を展開していきたい場面では純粋に手札の枚数が増えることがメリットとなります。

10 3色サイクリングランド(各1)

友好3色と
くさび3色

 いわゆるトライランドはこの多色デッキのマナ基盤を強力にサポートしてくれています。そのうえ、終盤においてはサイクリング能力を利用してスペルを引きに行く役割を果たしてくれます。
 サイクリング能力については《Diabolic Vision》の積み込みをかわす役割としても重要です。この呪文を使われた際には適切なタイミングでサイクリングをして相手を出し抜きましょう。

10 2色サイクリングランド(各2)

2マナサイクリングがとても重要

 2マナサイクリングランドは友好色で5種10枚を投入しています。タップインの速度の遅さはこのデッキではあまり問題にならないため、サイクリングできる終盤に無駄にならないため採用しました。
 《Diabolic Vision》との関係についてはトライランドと同じです。こちらの方が2マナなので扱いやすいかもしれません。

10 スローランド(各1)

3ターン目からアンタップイン

 2色以上出て、アンタップインできて、アンタップイン条件が明快で、出るマナも明快という条件を満たした土地がコレでした。他にはチェックランドやフィルターランドが候補に挙がりました。
 2色出て、3枚目以降であれば問答無用でアンタップイン、出るマナはテキスト枠で明快ということで選択しましたが、お手持ちの2色土地と差し替えて使用しても問題ない枠です。
 なお、この「ダンダーン」シリーズで最も高額になったのがこの多色デッキです。理由が「土地が滅茶苦茶高いから」というのはマジックらしいですね。

2 反射池

5色出る系ランドその1

 自身のコントロールしている土地が生み出せるマナを「反射」して生み出す土地です。中終盤に自由にマナを生み出せる土地となるように投入されています。
 逆に序盤では生み出せるマナに偏りが出るため、色事故(5色のうち1色もしくは2色出ない)を回避するためには役に立たないのが難点です。

2 風変わりな果樹園

5色出る系ランドその2

 相手の出せるマナを見て、自分が出せるマナを決める土地です。こちらは《反射池》と異なり相手のコントロールしている土地依存なため色事故を減らしてくれる働きも持っています。中終盤強いのは《反射池》と同じです。

2 パルンズの柱

最強の土地はコレ

 「多色にしか使えない」好きな色が出る土地です。デメリットがデメリットになっていませんね。

多色ダンダーンの戦略とテクニック

 他色ダンダーンは、そのクリーチャー選択と付随するカードの選択によって、元祖とは全く異なるプレイ感覚の新しいゲームになります。そのため、今回は多色ダンダーンをプレイするに際し知っておくと得をする戦略とちょっとしたテクニックをご紹介します。

序盤は《Diabolic Vision》を使って土地を取り合う展開に

 多色ダンダーンでは指定クリーチャーが《ピストン拳のサイクロプス》で3マナ、ゲームを決めるスペルが5マナに集中していくことから、序盤はタップインランドを処理しながら土地を並べあう展開となります。
 その中で手札を調整することができる2マナスペルをうまく利用していくことが重要となります。特に8枚枠である《Diabolic Vision》はこの序盤に使うと効果的で、相手に土地を引かせない展開を作れれば中盤以降に手数で優位に立てるでしょう。

中盤は《ピストン拳のサイクロプス》でコツコツダメージを

 土地が5枚程度並んだ中盤以降は、手札次第で2アクション取れるようになります。クリーチャーを並べつつ《妨げる光》で守る、《地上の突撃》で除去をして攻撃、追加のサイクロプスを並べるなど、相手のライフを狙った動きも可能となります。
 5マナ圏のスペルもこの中盤から使用できるようになり、《都の進化》を使ってアドバンテージを取ることができるでしょう。《ナヤの魔除け》はこのタイミングで墓地から《都の進化》を拾いなおすために使うと強力です。
 また《Diabolic Vision》に対しサイクリングドローで積み順が妨害できるようになるのもこの中盤の駆け引きの1つです。手札のサイクリング土地は「置くのか」「構えるのか」重要な選択となってきます。

終盤は《ナヤの魔除け》《ボーラスの奴隷》《不吉のワルツ》で

 土地が8枚以上並ぶ終盤戦、5マナスペル+3マナという動きが可能となってきます。《有事の力》が撃たれるまでは墓地に多くのサイクロプスが置かれているはずなので《不吉のワルツ》を通すには最良のタイミングとなります。
 中盤にダメージをしっかり与えられていれば《ナヤの魔除け》や《ボーラスの奴隷》で押し込むことが可能となるでしょう。この2つの呪文とも《妨げる力》によって打ち消されてしまう(=打ち消すことができる)ので、中盤以降に引いた際には手元に残しておくのも戦略の1つとなります。
 なお《有事の力》が1回以上撃たれた後はライブラリーのスペル密度が非常に高くなります。《Diabolic Vision》は5マナの優秀スペルを探しにいくことも可能となる反面、残りのカードを積み込むのが難しくなることは知っておくとよいでしょう。

特に《不吉のワルツ》を簡単に撃たせないプレイングを!

 《不吉のワルツ》はこのデッキでは無力化する方法がなく、サイクロプスを2体盤面に増やす強力な効果のためこのカードを複数回通してしまうと盤面を制圧されて敗北に直結します。
 そうならないためにも墓地にあるサイクロプスの枚数をカウントしておき、3枚以上にならないようにゲームを展開することが必要なことを知っておくとよいでしょう。
 サイクロプス同士で相打ちを取らず、すれ違いで戦うことも必要です。《ナヤの魔除け》や《悪魔の戦慄》といったカードが戦闘をサポートしてくれます。
 逆に自分が《不吉のワルツ》を撃ちたい盤面では積極的にサイクロプスが倒される盤面を作っていくことが肝心です。そのためには攻撃するためのインスタントorソーサリーのマナ+5マナのマナ基盤を準備することが必要となります。サイクリング土地をドローに回しすぎないように注意しましょう。

他色のダンダーンもあるよ

 ここまで多色ダンダーンのデッキと解説を行ってきました。これで白、青、黒、赤、多色、茶のダンダーンが出そろったことになります。次回は最終回、緑で作ったダンダーンを紹介予定です。

<ダンダーンのまとめ>
白:《ヨツンの兵卒》
青:《ダンダーン》
黒:《奈落に住まう騙し屋》
赤:《岩山トカゲ》
緑:(近日公開) …次回はコレ
マルチ:《ピストン拳のサイクロプス》 …今回紹介はコレ
アーティファクト:《錆の精霊》

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