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ガンに名前を

 根治不可。

5年生存率を伝えられ、2024年の9月で10年。

改めて、キセキってあるんだなと実感しています。


 ただ、なかなか薄情なもので、

「生きていることがキセキなんだ!」と思いながらも、

日々の生活が常にキラキラしている☆彡

わけでもなく(汗)、

ひと言で言えば「ガンになる前と、さして変わらない生活」

をしています。



 それでもふとした時に、例えば、最近で言えば、

長男の卒業式に参加した時。

「まさか自分が、生きて長男の卒業式に参加できるなんて」

と、卒業式の内容より、そのキセキに感無量でした。


 そういう意味では、ガンになったおかげで、

「感謝する機会」は、圧倒的に増えました。


 さて、そんな私のガン。


実は私、ガンに「名前」を付けています。



名前は「バートン」。


私のニックネームです。



 ガンに名前を付けた理由はシンプル。


 これから先、私が「もう十分に生きた!そろそろ、死ぬか♬」

と思うまで、私の人生を一緒に生きてもらわないといけない。

 だったら、親しみを込めて、愛称を付けたほうが、

ガンに対して親近感も抱けて良いのではないか?と思ったのです。


 ニックネームを付けたからと言って、

常に声かけをするわけでもありません。


 ただ、私の意識の中で、「ガンに愛着」は沸いています。

さすがに「ガンが大切」とまでは思えません。

しかし、

「治らないガンが嫌だ、ツラい」とは、一切思いません。



 以前、まじめに不真面目な主治医の先生が、

私のガンの状態について、分かりやすく説明してくれました。

「バートンさんのがんは今、高速道路を走っているイメージ。

快適に走っている間は、再発はしない。

でも、”ちょっと疲れたから休憩”と言って、

SAやPAに入ってしまったら、再発してしまう。

だからね。いつも気持ちよく、快適に走らせてあげて」


 なるほど〜。


 どうやら私のバートン(がんのこと)。

私の体が、相当に気に入ってくれたようだ。

だから、10年が経とうとしている今も、

私の中に居続けてくれている。

私のことが好きで、離れたくないんだな。

カワイイ奴(笑)


 だったらもう、このまま私が「お疲れさま。もう良いよ」

と声をかけるまで居てもらおう。

そう、決めました。



 「ガンになった方が良い」とは、決して言いません。

ガンになった事で、

・検査のたびに憂鬱になります

・ちょっとした痛みでも、「再発?」と不安になります




 それでも私は、

・ガンになったおかげで、バートンが居るおかげで、

人生の質は確実に上がった


 そう、言い切れます。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。



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