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【銃を持った鬼ごっこ】 #逆噴射小説大賞2019

「オーライィ、もう終わりにしてやるよ、何か言い残すことはあるかい」

銃口を向けられた私はふと考える。なんでこいつに、私を殺そうとしている、しかも今日あったばかりのこの男に何か言い残すことがあると思われたのか、この勘違い、思い込み、気に食わない

「あなたに言い残すことはございませんっ!」

「ホヮット?何言ってやがる、ほら、女、みえねえか、この銃が」

「質問は一つずつにして頂きたい。あなたに言い残すことがない理由を答えればいいのか、それともその銃が見えるかどうか、その質問に答えるべきなのか、選びなさい」

「シット、だまれ、ぶっ放すぞ、てめえはみちゃいけねえものを見たんだ、ぶっ殺してやる」

「だまれ、また新しい要求が出てきました。いいでしょう、わたしはその願い通り黙秘します」

「ヘイ、黙り込むな!決めた、もう、殺す」

「黙るのをやめました。そしてその命令はあなたにこれから襲いかかる不幸の引き金だ。まず、さっきからその文頭にしかこない一言英単語、ダサい、何がシットよ、発音ワル、あれでしょ、映画好きを自称しながら吹き替え版の映画ばっか観るタイプ?あたり?」

「ウォゥ、なんだテメェいきなり」

よし、完全に精神面で優位に立ってる。潰してやる、この気に食わない男

「ウォゥ?何よそれ、あんた、B'zみたいよ、それ、洋画じゃなくて、B'z、B'zよ、B'z。いくわよ、ウルトラ、ソーゥル」

「……」

「ヘーィだろ、ヘーィ、合いの手、あんたの得意なひと単語英会話!」

つーかまえたっ、銃、よじってやる、ほら、も〜らいっ

「痛え、くそっ」

「ほら、逃げろ逃げろ、なにがくそっ、だよ、シットだろ、そこは。」

「なんなんだ、この女」

「なんなんだ?B'zファンのあんたにわかりやすい名前、そうだ、太陽のKomachi Angelってのはどう?さぁ、逆転だ、精一杯逃げな!孤独のRunaway歌いながらね!」

この征服感、快感、始まったばかり


【続く】


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