即効性が高い心霊動画を見た話

 https://www.youtube.com/watch?v=TsCmGtxGJrQ
 これです。

 上の動画は、最近見た動画だ。シークエンスはやとも曰く、「霊感があると、こちらを見ている。そうじゃない場合は、一緒に映っている女性の方を見ている」らしい。
 私は霊感がある……らしい。自分ではあまり信じてはいない。
 実際に見たことは、片手ほどしかない。聞こえる声や音、見えるものは全て幻聴や幻覚だと思っている。精神障碍者手帳を持っているのだ。これは心の病から出ているものだろうと考えていた。
 写真は二階のベランダにいる女性を撮っている。その背後に、別の女性がいた。写真の角度から言って、映らない場所に、入れない場所に、女性が立っている。
「めちゃくちゃ、目が合ってるわ」
 コーラとポップコーンを食べつつ、夜10時くらいに見ている時でした。

「そんなに即効性があるのか」
 ぼんやりと考えた時に、ふと気が付いた。

 後ろにいる。

 何かがいる。突然、背後に気配を感じた。
 質量をもった何かだ。その何かが、私の背中に立ち、顔を覗こうとしている。

 部屋の空気が一気に重くなる。同時に、背後の気配が色濃くなった。
 視野が狭くなり、淵の方から段々と暗くなる。同じ感覚を経験したことがある。
 風呂場で上を向いて髪を洗っている時だ。首の神経が圧迫され、眼のふちから徐々に暗くなっていく。
 意識を失ったらまずい。
「振り向いたら終わる」

 もしかしたら、叔父がふざけて後ろに立っているのかもしれない。いや、そんないたずらをするような人ではない。
 だが、質量をもったナニカが私の背後にじっ……と立っている。その感覚がいつまでも離れない。
 気を紛らわせなくては、ならない。出来るだけ、穏便に。かつ、確実にいなくなるようにしなければ。このままだと。
「憑りつかれる」
 私は、そっとswitchの電源を入れる。動かす手が、いつもより重い。そうしているうちにも、背後の気配はまだ、いる。
 早く、なんとかしなくては。

 そして、とあるゲームソフトを立ち上げた。
 私は何とかしようと考えて……。

 暴言を吐きながら、スプラでガチマッチを潜った。

「くそ雑魚SPことサメライドでキルされる気持ちはどう!?ねぇ、今どんな気持ち!?」
「こっち来いよ、ホコォ!!!!どこ行ってんだボケ!」
「オバフロ、お前絶対許さないからな。顔覚えたからな」
「ごめんな、リッター。このサメライドは、お前を殺すためだけに出したんだ」(サメライドでリッターに向かいながら)

 気が付いたら、気配は消えていた。飽きたのか、もしくは「こいつ、やべぇな」と思われたのか。はたまた、気のせいだったのか。
 私は考えを止めるため、首を横に振った。
 気のせいだ。この疲労も、手の震えも、感情も全てはスプラのガチマッチに潜ったからだ。

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