松(A・TYPEcorp.)さんのガチチャレをやっていたので、経過をまとめてみた

 こんにちは。最近、イラストの解像度を全て72dpiで描いていたことに気づきました。
 イラスト、描いてますか?私は、二年くらい停滞期間を超えたのちにようやく描き始めました。
 描いているうちに、三年前にある企画(?)に参加したことを思い出しまして。
 それが、タイトルにある「イラストレーター松(A・TYPEcorp.)さんのガチチャレ」です。



・松(A・TYPEcorp.)について


 イラストレーター兼マンガ家で、代表作は「ざっくりSCP」と「キラーズホリデー」です。書き方本では、「デジタルイラストの体描き方辞典」を出版しています。今年、キラーズホリデーの5巻が発売予定。
 添削歴は8年以上で、以前はニコ生で添削活動をしていました。現在はYouTubeに活動拠点を移しています。
 添削総数は2500人以上、プロのイラストレーターも輩出している方です。(ツイッター引用)
 
 https://www.amazon.co.jp/KILLER%E2%80%99S-HOLIDAY-%EF%BC%91-%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AFELMO-%E3%83%BBTYPEcorp/dp/4867160083

https://twitter.com/atype55




・ガチチャレとは


 松さんの添削は二種類あり、通常の添削とガチチャレがあります。
 ガチチャレとは、週一でイラストを描いて松さんに送って添削してもらうことを言います。
 12週にわたって行う長期的な添削です。プロになる事が目的のため、通常添削よりも厳しい目で見られます。(人格否定や強い言葉は使いません)
 枠が決まっており、私が参加したときは2名まででした。
 完走することが難しい反面、完走した人はほとんどがプロや絵にかかわる仕事についています。
 私は、なぜかWebライターになりました。なんででしょうね。


・私のイラスト歴について

 小さいころから描いていたものの、ほとんど手癖で描いていたので初心者。
 ガチチャレをした理由→枠が空いていたから


・一週目


 添削は松さんが配信で喋り、こちらがYouTubeのコメント機能で返信をしていく形です。
 好きなように描いて提出。添削が進むにつれて、画面が赤でいっぱいになっていく。
 冷や汗をかきながら配信を見ていると、松さんからある提案をされます。
「自分が描きたいイケメン(イラスト)の方向性を決めて、イラストをトレースしてください。トレスする絵柄は統一してください」
 トレス。トレース。定期的にTwitterで燃える話題の一つです。なぜトレス?
 曰く

「身体の比率は難しい」
「情報量が多く、専門的すぎてわからない。トレスをして何この線!?と自分で疑問を持った方がいい」
「トレスをすることで、身体の比率を自分の身体に叩きこませる」
「身体に覚えさせると、書き方本を見た時に知識が追い付く」ということでした。

 条件は、「一日最低1枚、最大で10枚まで。バストアップで慣れる」「トレスをしつつ、きちんと提出用のイラストを描くこと」でした。
 やりました。アイドルマスターSideMのカード絵で。一日一枚を三か月。二枚、三枚としていたので合計で100は超えてたと思います。
 当時は、トレスをする→オリジナルで描くをずっと繰り返してました。
 松さんからは「無理をしない」「欲を出さない」と言われました。高すぎるハードルはしない。欲を出さないとは、燃え尽きないようにという事だと解釈しました。
 線画のみ、もしくはべた塗りでイラストを送ることになりました。
 

・二週目

 ここで私はあるミスを犯します。一週目の話をよく聞いていなかったので、模写を提出してしまいました。人の話はきちんと聞こう。
 松さんに「模写かな?」と言われつつも(すいませんでした)、「書き込みが増えましたね。情報量が多いです」「比率、よくなっています」と褒められました。

・三週目以降

 ここからはひたすらトレス→オリジナル→添削→トレスの繰り返しです。途中、何度か色を塗り忘れたりしていました。塗り忘れはどうして起こるのだろうか。
 一枚一枚描くたびに、新しい事にもチャレンジしていきました。表情をつけ、手の表情をつけ、ハイライトをつけ。そして、常に何かを描き忘れる。

 10週目と11週目は松さんが個人的に見たいとの事で、全身絵を描きました。ガチチャレ中にやることかなぁと言っていましたが、私個人としてもいずれ全身絵を描く可能性があると考えたので、全身絵を描きました。

 本来のガチチャレは、お題などはないのですが今回は異例として進めていただきました。ほんと……あの……ありがとうございます……。

 配信を見ている方にも「日々進歩している」「うまくなっている」など、暖かい声をかけていただきました。あったけぇなぁ。

・最終週


 ラストは一週目で出したイラストのキャラを別の構図でもう一回描いて提出しました。描き忘れは最後まで改善されませんでした。
 最後まで冷や汗だらだらで、配信をチェック。
「全体的に胴体の幅が広い傾向があったが、うまくバランスよくなりましたね」「顔周りよくなりました」
 最初に描いたイラストと比べつつ総括。
 一回の遅刻もなく、新しい事をしつつ、無事にガチチャレを完走し卒業しました。

 描いて提出してを繰り返すうちに、メールの文面にも変化が現れました。
 最初は、非常にあいまいな質問でした。「なんかよくないんですよね」「いい感じじゃない」がほとんどだったんです。
 段々と「腕のこの部分の書き方が分からない」「三十代の雰囲気を出したいが、どうしても若く見えてしまう」など具体的になっていきました。


・当時のスケジュールについて
 早朝スーパーの清掃で4時間労働なので、余裕がかなりありました。
 日曜に提出→火曜に添削だったので、以下のスケジュールで動いていました。

 日曜:提出、次のイラストのモチーフ探し、トレス一枚
 月曜:トレス一枚、大ラフ
 火曜:トレス一枚、添削動画を見る、ラフを固める
 水曜:トレス一枚、線画に入る
 木曜:トレス一枚、線画
 金曜:トレス一枚、塗りに入る
 土曜:トレス一枚、塗り

 上記が基本のスケジュールです。日によっては、トレスの枚数を増やしたりクロッキーをしたりです。


・トレスについての考え


 正直、表に出さなきゃいいのでは?と思います。トレスした絵を自分のだ!と言い張るから著作権的にアウトになると考えています。個人使用であれば、問題ないはずです。ちょっと言い切るのに自信がないですね。はい。
 トレスの活用法ですが、頭空っぽにして線をなぞるだけだと効果はほとんどないです。どうしてここに線を書いたのかと言った「意図」を考えながら、書いたほうが効果的です。

・結論

 トレスは効果があります。ただ、頭使わないと線をなぞるだけなので意味がないです。また、トレスだけ必死にやっても意味がないです。トレスをして、自分の作品を描いて、初めて目に見える形で効果が出始めます。
 ダルビッシュ投手も「頭を使って練習しないと普通に嘘つくよ」と言っていますが、そうだと思います。
 個人的には「見せなきゃええ」と思っています。
 
 松さんの練習方法は、「成功体験を積む」ことに重きを置いているんだと思います。

 追記;このnoteを描くために当時の配信を見返していたのですが、無知ゆえの自信に満ち溢れていて心が痛い痛いなりました。


ガチチャレ一週目
ガチチャレ最終週

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