見出し画像

ローテーション馬券の破壊力のおはなし

先々週のシルクロードSの馬券で改めて思うことがあったので、今日は"ローテーション馬券"の持つ破壊力のお話をツラツラとしていきたいと思います。


昨年のスプリンターズS 10番人気 3着に激走したシヴァージ、そして先週のシルクロードS 7番人気 2着に激走のシャインガーネット。
この2頭は、出走メンバー中、唯一の距離短縮ローテで挑んだ馬でした。
両レース共に、相手には2番人気・3番人気と人気どころが馬券内に来てもスプリンターズSは三連単380倍。シルクロードSは430倍と、美味しい馬券がゲット出来たのです。

短距離重賞レースにおいて、やはり距離短縮馬の馬券破壊力は改めて目を見張るものがあるなーと思いこの記事を書くに至りました。


短縮馬を狙う上で、ローテーションと密接に関わってくるのが血統です。
細かく言えば、種牡馬単体ごとの特徴はありますが、ここでは大きな括りでお話していきたいと思います。


血統を世界の地域ごとに分別すると、大きく3つに分類することが出来ます。

・米国型
・欧州型
・日本型

この大きく分類した3つの血は、それぞれの地で、優れた適性を持つ血統のみに淘汰され、生き残り、現代の競馬まで繋がれてきた血統です。

アメリカ競馬の特徴

アメリカ競馬の主流はダート。
それも、平坦小回りというのが大きな特徴。
前傾ラップが主流の競馬なので、テンから飛ばすダッシュ力と、トップスピードをいかに長く保たせるかの持続力に優れた血統です。
またアメリカ競馬は日本競馬よりも、もっとビジネスライクな面もあり、いかに完成を早めて早い時期から走らせ賞金を稼がせるかという面もあるため、2歳から活躍できる成長力を併せもちます。
故に、アメリカ血統は鉄砲がきく馬が多いのです。


ヨーロッパ競馬の特徴


日本の整備され、作り込まれた競馬場と違い、地形をそのまま利用されたコースが多いのが特徴です。
アップダウンが多く、丈の長い重たい洋芝で、スタミナや根性が問われる血統が繁栄してきました。
レース質は日本に近く、道中脚を溜めて直線で伸ばすという競馬が主流です。
またアメリカ血統とは真逆の、使い込まれて能力を上げる特性を併せ持ちます。
ヨーロッパ血統の馬の休み明けは要注意です。

日本競馬の特徴

日本の競馬は東京芝2400mの舞台に適性を持たせる狙いの配合が多いです。
3歳のダービーを目標として、馬がつくられます。
レース質で言えば、ヨーロッパの特徴に近く道中脚を溜めて最後の直線でキレる馬が好まれます。道中、脚を溜めるヨーロッパ的な追走能力と、最後の直線で爆発させるアメリカ的なスピード能力が見事に日本の競馬の特徴にマッチして、日本の地で独特の繁栄を遂げました。
その最たる例がアメリカからやってきた大種牡馬サンデーサイレンスと、アイルランド産まれ、イギリス育ちのウインドインハーヘアの間に産まれたディープインパクトです。


このように、世界各地でその地にマッチした血統だけが生き残ってゆくのです。
ここで、国タイプ別にローテーション馬券に活かせる特徴を挙げていきます。

アメリカ血統

・鉄砲が効くので休み明けを苦にしない。
・芝ダート共に道中の追走スピードが速いレースを好むため距離短縮ローテに強い。
・特に短距離レースで短縮馬券は決まりやすい。(1000m〜1600m)
・短縮ローテを狙う場合は今回出走の距離よりも短い距離、もしくは今回と同距離での好走経験がある馬。(前走で先行経験のある馬は尚良い。)
・馬体の完成が早いので、2歳戦から有利。


ヨーロッパ血統


・叩いて上昇するため、休み明けは苦手で叩き2戦目以降で調子を上げる。
・道中の追走スピードが遅い方が能力を発揮できる為、距離延長ローテに強い。
・特に芝の2000mより長いコースで延長馬券は決まりやすい。
・延長ローテを狙う場合は今回出走の距離より長い距離、もしくは今回と同距離での好走経験がある馬。
・1800m・2200m・2500mなど非根幹距離のレースに強い。
・基本的には芝に特化した血統のため、ダート戦では要注意。


日本血統

・アメリカ血統、ヨーロッパ血統のそれぞれの長所短所を併せ持つ。
・サンデーサイレンス→ディープインパクトを経由する血統は本質的には距離短縮を好む。
(末脚が問われない短距離戦のようなレースは苦手)
・サンデーサイレンス→ステイゴールドを経由する血統は本質的には距離延長を好む。
(オルフェーヴル産駒は父の気性の激しさが遺伝するのか距離短縮を好む)



かなり大雑把な括りでの傾向や特徴でしたが、ダート短距離での米国血統の距離短縮馬券はなかなかの威力があるので、思い出したら勝ってみると面白いかもしれません。

もっと細かい話をすると、同じ米国血統でも距離延長を得意とするアイルハヴアナザーやステイゴールドを経由しないサンデー系でありながら距離延長を得意とするハーツクライ産駒などの例外的な血統もありますが、何となく国別の血統のイメージを持っていると役に立つかと思います。


この記事を書いている週末にも、東京芝1600mで行われた東京新聞杯で15頭出走中、2頭しか出走のなかった距離短縮馬がワンツーフィニッシュを決めました。

4人気1着のイルーシヴパンサーの父ハーツクライは、本来距離延長を得意とする種牡馬ですが、本馬は過去に2000m→1600mの短縮ローテを勝った実績がありました。
また、ハーツクライ産駒が距離短縮を苦手にしている大きな要因として、ハーツクライ自身がそうであったように、トモが緩い産駒が多いために追走のスピードが上がると脚が溜まらないという弱点が大きいと思われます。

しかし、ハーツクライ産駒のもう一つの大きな特徴として重要なのが、ハーツクライ自身も4歳の暮れに有馬記念を勝ち、ドバイシーマC1着、イギリスGⅠ3着と結果を出したように、古馬になってから能力を開花させるという点です。
古馬になって馬体も充実し、距離短縮を克服する産駒も多くいます。

これはイルーシヴパンサーに限らず、ハーツクライ産駒である、ジャスタウェイやリスグラシューなども同じく古馬になってからの成長力を秘めていました。

ジャスタウェイ
→3歳クラシックは無冠。
4歳秋に天皇賞(秋)で初のGⅠタイトル。
明けて5歳時にドバイGⅠ優勝。安田記念優勝など

リスグラシュー
→3歳クラシックは無冠。
4歳秋にエリザベス女王杯で初のGⅠタイトル。
5歳時に宝塚記念・オーストラリアG1・有馬記念1着など



ここまで長くなりましたが、頭の片隅に置いておいて損のない情報かと思いますので、思い出した時に活用してもらえればと思います。
特に、短距離戦の方が血統やローテの影響が、レース結果に反映されやすいです。
その為、芝中長距離で延長馬券を狙うよりも、短距離戦で短縮馬券を狙う方がオススメです。

特にダート短距離は、午前中のレースに多く組まれるため、レース選びの選択肢が多いというのも特徴です。
この時期の東京競馬場開催の3歳未勝利戦は中山ダート1200m→東京ダート1300m or 1400mのローテーションで挑んでくる馬が多いです。

1番人気が距離延長ローテで消えそうなレースを選んで、人気薄の短縮馬の一発に賭けたり、逆に信用出来る距離短縮の人気馬を軸に、少ない点数で厚めに勝負したりと、レースごとに思考を変えて考えるのがポイントになります。


例として、2月6日の的中例を挙げます。

2021.2.6
東京1R ダート1400m 3歳未勝利戦

土曜日の傾向から外枠の2桁馬番が多く馬券に絡んでいるため、外の馬を中心に。
2頭軸三連複で信用出来る人気馬から少ない点数で厚めにの例です。

軸の2頭は1番人気13番メテオフリューゲルと2番人気14番エコロドラゴン。
メテオフリューゲルは同距離ローテながら、前走新馬戦では中京ダート1400mで上がり2位の末脚を披露したものの直線脚を余しての4着。
今回は更に直線も約100m伸びます。
前走芝スタートのダート1400m→オールダートの1400mというローテも短縮差し馬には好条件。
鞍上の継続騎乗という点も高評価。

エコロドラゴンは、前走中山ダート1800mからの短縮ローテ。
それに加え、前走はハイペースを逃げて5着に粘り込む内容。
ダート短距離でまさに狙いたいThe短縮馬です。

2着に入ったウォーカーテソーロは200m延長ローテの馬ですが、母の父Shiroccoは距離延長を得意とするMonsunの産駒。
相手には切れないと思い買い目に入れました。


2021.2.6
東京10R ダート1400m 銀蹄S

1番人気を切って手広くの例です。
1番人気は内枠に入った延長馬のジュリオ。
これは危険な人気馬のため、軸には向きません。

軸は、このクラスでは明らかに実力上位の
8.ブッチーニ。
話題の白毛一族で、横山武騎手が鞍上にも関わらず4番人気。
同距離ローテで、特に不安要素もありませんので迷わず軸に。

三連複の2列目には、短縮ローテの
11.ニュートンテソーロ。
前走1600mを2番手追走で6着の内容。
過去に東京ダート1400mの同舞台で2着の実績がありました。

同じく三連複2列目に、今回同距離ローテながら前々走1200→1400で苦手な延長ローテで1着に激走の9番人気イディオム。
短縮を得意とする馬の延長ローテ後の同距離ローテも買い要素です。
この馬のように苦手なはずの延長ローテを勝った後ならば尚更です。

もう一頭の2列目、14.オルクリストは出遅れ癖があるものの、安定した差し脚が魅力。
上がり持ちタイムも出走メンバー中1位。
外枠からの発馬であれば、多少出遅れても内で包まれて万事休すという最悪の事態は免れそう。
実際のレースでは案の定出遅れましたが、勝ち馬のニュートンテソーロに次ぐ上がり2位の脚で惜しくも4着。

三連複の1列目・2列目のみで獲れたレースでしたので、もっと絞れたなと反省も生まれたレースでした。



これは日曜日の結果です。
計4R購入して2R的中。
的中率50%
回収率301%

自分が得意とする条件のレースを狙い打つだけで、回収率は跳ね上がります。

慣れてくれば今まで拾えなかった穴馬も買えるようになるので、皆さんも是非チャレンジしてみて欲しい馬券術です。

長くなりましたが、この記事を読んで、ダート短距離レースの魅力が伝われば嬉しいです。
皆さんの馬券に幸ありますように。
今週も頑張りましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?