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キリンは高血圧 #64 辞書の生き物

キリンは高血圧? 貧血にならないの?

 キリンの身長は約5メートルで、心臓は3メートルほどのところにあり、そこから脳まで2メートルも血液を送らねばなりません。そのためキリンの血圧は260mmHgと高く、人なら治療が必要なレベルです。

立ちくらみ

 キリンはその長い首で高いところの葉っぱを食べられますが、水を飲むときには前足を大きく開いて地面まで首を下げる必要があります。
 水を飲んだ後は逆に首を伸ばしますのでキリンの脳は頭を下げるときに5メートルの血液が脳に向かい、逆に頭を上げると同じ5メートルの血液が脳から抜けていくことになりますので、普通なら血管が破れるか貧血で倒れてしまします。皆さんも急に立ち上がった時など、立ちくらみを経験したことがあると思いますが、せいぜい2メートルです。5メートルでの立ちくらみは本来なら相当なものでしょう。
 ところがキリンの血管は網目状の逆流防止機能を備えた特殊構造を持っており、脳内の血圧の急激な変化を抑えています。首が伸びる進化の裏には心臓や特殊な血管構造など関連組織の進化も連動して同時に起こる必要がありそうです。

進化

 ダーウィンの進化論では、自然淘汰で少しずつ環境に適応した個体が生き残って優位な個体ができるとされていますが、キリンの場合、首が中途半端に長い、進化途中のキリンの化石が見つかっていません。キリンの進化が少しずつ進んだのではなく一気に首の長いキリンが現れたのだとすると、首に加えて足の長さ、心臓血管系も同時に変化したことになりますが、起こりえるでのしょうか。しかも1匹だけでは子孫が残せませんので、同様な劇的変化を起こしたキリンが複数現れる必要もあります。
 進化は奥深いですね。はやり神様や宇宙人がいたんでしょうか。


 

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