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累卵の危うき:るいらんのあやうきにある #206 辞書の言葉

累卵の危うきにある

 「累卵」は積み重ねた卵のことで、その卵のように非常に不安定で危険な状態を表す慣用句です。
 語源は中国の「韓非子」で、大国に挟まれた曹という国について危うい状態にあるとした表現とされています。

 「物価の優等生」言われた卵は数十年間、大きな価格の変動がありませんでしたが、鳥インフルエンザの発生やエサ代高騰などで値上げが続いています。

 スーパーなどでは透明なパック入りで卵がうずたかく積まれているのを見かけますが、良く割れないなぁと思ってしまいます。衝撃を緩和するパックの構造は素晴らしいものです。

 もともと卵の殻はその丸いアーチ状の形状により、上下方向の圧力には強い構造となっています。親指と人差し指の腹で握りつぶそうとしてもふつうの人の握力ではつぶれません。
 10個くらい並べた卵の上に板を置き、その上に大人が乗っても割れません。

 こんな卵も、さすがに落とすと(一点に力がかかると)簡単に割れてしまいますが、ひな鳥は生まれるときにこの殻を自ら破って出てきます。
 親鳥が外から手助けすることもあります。
このことは、#6で紹介した啐啄(そったく)と呼ばれます。


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