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蚊帳の外:カヤのそと #189 辞書の生き物

蚊帳の外

 集団の中で仲間外れにされ、必要な情報をもらえなかったり、関与させてもらえないなど不利な扱いを受けることを表す慣用句です。
 「カヤの外に置かれる」などの表現で使われます。

 蚊帳(カヤ)は、寝ている間に蚊にさされないよう、布団全体を覆うように部屋に吊り下げた網のかごのようなものですが、最近は、網戸やエアコンの普及、「蚊取り線香」や「蚊取マット」などの防虫剤の発展などもあり使われなくなりました。

 蚊帳の中にいる人は蚊に刺されませんが、蚊帳の外の人は蚊に刺されることで不利な立場にいることになり、その状況の違いからできた言葉です。

 日本では蚊帳は使われなくなりましたが、蚊が媒介するマラリアが猛威を振るっているアフリカでは、防虫剤が練りこまれた繊維で織られた蚊帳が、マラリア防除にために使われており、感染者数を減らすことに役立っています。
 この蚊帳を生み出したのは日本の住友化学です。現地で活躍していた開発者や営業マンの中にはマラリアに感染した人もでて、大変な苦労があったそうです。
 

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