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ごまめのととまじり 辞書の生き物 #17

ごまめのととまじり

 小物が大物にまじって一人前のつもりでいることの表現です。実力がない者がふさわしくない地位にいることのたとえとして使われます。
 「ごまめ」は正月料理の田作りに使われる小魚のカタクチイワシのことで、「とと」は漢字では「魚」と書き、幼児語で魚の意味を持っています。小さい魚が一人前の魚になったつもりで交わっている状態を示しています。

かまとと

 「とと」がでてくる言い回しに「かまとと」があります。かまぼこが魚(とと)から出てきていることを知らない初心(うぶ)なふりをして聞く女性のことで、いまでいうぶりっ子のイメージでしょうか。

とど

 「とどのつまり」の「とど」は、出世魚のボラの最終段階を指したもので、海獣のトドのことではありません。最終的に、結局という意味で使われます。「とと」と「とど」は海の生き物で似ており、「ごまめのトドまじり」と間違って使われることがあります。ごまめは魚の「とと」に交じりますので気を付けましょう。

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