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【シンプルに結果を出す人の5W1H思考】/渡邉 光太郎

シンプルに結果を出す人の5W1H思考

新規性  :★★☆☆☆
有益性  :★★★★☆
おすすめ度:★★★★☆

■この本で解決できること

世の中にはさまざまなフレームワークと呼ばれるものが散在してますが、「覚えることが目的になっていて使いこなせていない」と感じている方も多いと思います。

そんな読者が、簡単に使えるフレームワークを身に付けることができます。

■この本で伝えたいこと

 ●フレームワークの問題と5W1H思考の万能性

3C、4P、5F、PEST、SWOTなど、聞いたことがある方は多いかと思います。
このように世の中にはたくさんのフレームワークがありますが、使いこなせていると自信をもって答えられる方は少ないのではないでしょうか。

これらは“考具”としては非常に便利なものである一方で、多くの方が下記のような「フレームワーク・シンドローム」にかかっていると言えます。
1.見せかけ型
提案書の見栄えのために複数の無意味なフレームワークを盛り込んでいるだけ=中身がない
2.実況中継型
ただ機械的にフレームワークに情報を入れ込んで列記・整理しただけ=メッセージがない
3.ヤミクモ型
なんでもかんでもフレームワークを使うことで、かえって思考が断片化・混乱している=まとまりがない

共通して言えることは「なんのために(何を見つけたいから)フレームワークを使うのか」がないため発生しており、本質的な「問い」へのベクトルが弱い状態です。

一方で「5W1H」とは。
物事を広く見渡し、本質に迫り、新たな視点や考え方のヒントを与えてくれる思考ツールです。

インターネットの広がりにより、「答え」はすぐに調べることができる時代になりました。つまり、「答え」よりも「問い」が重視される時代です。
良質な問いこそがユニークな答えを引き出し、その問いの源は5W1H思考と言えます。

・When…時間・過程軸
・Where…空間・場所軸 
・Who(Whom)…人物・関係軸
・Why…目的・理由軸
・What…事象・内容軸
・How(How much/How many)…手段・程度軸

→これらの軸で考えることで、視野を広げ、ヌケモレを防ぐ効果があります。

 ●課題提起

Big-Whyで「真の目的」にさかのぼる

医療機器メーカーの事例で説明すると、「注射器やメスを売る」ことがWhatであり、その目的であるWhyは「手術を安全に、短期間で行うコト」です。ここで終わらせるのではなく、さらに「目的」は何のために必要なのか?重要なのか?を考える(これがBig-Why)と、「1日の手術件数を増やし、病院経営(事業収益)を改善するコト」が見えてきます。

そうすることで、Whatである手段としての製品の質や売り方が変わり、差別化することができます。

これをさかのぼり(Big-Why)思考と名付けています。

さかのぼり思考が甘い原因は下記の3つです。
①目的(Why)がそもそも欠落している「目的の亡霊化」
②不十分なさかのぼり方で真の目的をはき違えている「手段の目的化」
③目的が単なる“お題目”になっている「目的の過度抽象化」

 ●アイデア発想

5W1Hの問いを使って出した論点を「広げて、絞り込んで、深める」ことでアイデア創出の幅がぐーんと広がります。What(モノ:製品・サービス)自体をゼロから生み出すのは難易度が高いために、こういった発想法を行うことが重要です。

AKB48の事例で当てはめてみると、彼女らのベースは
「毎日(When)、固定の劇場(Where)で公演すること」であり、
「いつ、どんな過程をもって活動するのか(When)」「どこで、どんな場で演じるのか(Where)」の2つの問いがコンセプトの発送起点です。
さらに、「誰が顧客ターゲットなのか(Who)」も、これまでのアイドルとは大きく差別化されていることも、こういった視点でコンセプトが考え抜かれていることによるでしょう。

ポイントは、Whatの周りにある4W1Hを軸に、従来のシチュエーションを考え、できるだけそれと反対方向に要素を振ってみることです。そのうえで、改めてWhatに戻ることで、思考の幅が大きく広がっていることが確認できるでしょう。

水族館というWhatに対して、新しいコンセプトを考えるにあたり、「夜×大人」や「ファミリー×昼間」という組み合わせはありがちです。そこで、あえて「ファミリー×夜」や「大人×朝」などでこれまでになかったコンセプトが生み出されるのです。

 ●説得力のあるロジック

Why-Howで説得力のあるロジックを立てることができます。

 ●問題解決

問題解決と聞いて、ロジックツリーを思い浮かべた方はビジネスマンであれば少なくないでしょう。ロジックツリーは、問題を問題解決をするためのフレームワークであり思考ツールです。

流れとしては「What(何を解決するのか)→Where(どこが悪いのか)→Why(なぜ起きているのか)→How(どうすればよいか)」です。

やりがちなミスとして、いきなり原因の究明(Why)から始めてしまうことです。そうではなく、まずは問題の箇所(Where)、つまり「どこで問題が起きているのか」を特定することから始めることが重要です。

また、そもそも本当に解決すべき問題として考えるべきか?という、問い自体(What)に立ち返ることも時には必要になります。

問題を患部に例えるとわかりやすく、「お腹が痛い」という症状だけでは原因や解決策の精度は非常に低くなります。しかし、「胃の下の部分がキリキリと痛む」という患部の特定をしっかりと行うことで、その原因と適切な解決策を診断できます。

また、解決策の候補はいくつか挙がりますが、解決策自体も「When/Where/Who/What/Why/How much/How」ごとにリストアップし、それらを組み合わせて再度絞り込むという方法が活用できます。

Whoのポイントは、「顧客、お客様が~」という最終目標である相手の状態から発想するほうが思い込みや制約に囚われない良いアイデアが出るでしょう。

■この本から得た教訓

気づき

・難しいフレームワークは確かに使いこなすことは難しく、思考を整理したりヌケモレを防ぐうえで5W1Hの思考法は大いに使える。
・商談において、③緊急性が漏れていることが多いため、「今やる理由」を提示することを意識する。

明日からできること

アイデアを考えるときに、先入観ラインから遠ざけることを実践してみる。


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