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物書庵初心週記帖(38号)「2021年大胆小心(?)予測」

氏神様である八坂神社へ遅めの初詣に行き、さて今年の運勢やいかに?と引いたおみくじはなんと大吉。連れ合いも大吉。我が家としてはこの上ないスタートを切る事が出来た。

2021年もまだ半月を経過しただけなのに、国内では緊急事態宣言の再発令、米国ではトランプ大統領の最後の抵抗によって分断が加速、と前途多難な1年を予感させる出来事が立て続けに起こっている。が、暗くなっても仕方ない。新年恒例?という事で、愚庵なりに2021年を予測してみようと思います。

政治面では、菅政権の行く末、バイデン政権の船出が気掛かりだ。米国国民だけでなく、民主党内でも分断が懸念されている中、難しい舵取りを迫られているバイデン氏の実力やいかに。トランプ大統領との対立、女性として初めて副大統領の座に就くカマラ・ハリス氏など、本人よりも周囲の話題が盛んで存在感が薄い印象だが、これもトランプカラーとの違いという事で杞憂に終わればいいのだが。バイデン氏が国内の足固めに時間を取られる事になると、外交力がアキレス腱と言われている菅総理にとっては、手も足も出ないスガダルマとなりかねない。中国、ロシア、北朝鮮…日本が外交問題を抱える各国はトップが盤石の体制を整えている。日米ともに足元がおぼつかない状態では、北方領土問題、尖閣諸島の領有権、日本人拉致問題と大きな進展は期待出来ないだろう。2月に菅総理の米国訪問が報じられているが…バイデン氏との初会合でどこまで踏み込んだ議論が出来るか。この1年の日本外交の試金石となるだろう。

夏に予定している東京オリンピック2020。自民党幹部からは強気の発言が続いているが、自国では緊急事態宣言、欧米でも相次ぐロックダウンという状況で、普通の感覚で考えれば中止一択としか思えないが、開催国としては経済回復の切り札を失う、というのが本音だろう。世界各国から訪れた満員の観客が、国を代表するアスリートたちの活躍に国籍問わずハイタッチやハグで称えう。こんな光景は見られないだろう。「ニューオリンピック」と銘打って新しい形での開催を模索出来るのだろうか。第二次世界大戦以降、初めての中止となるのか。あくまでも主役はアスリート。5年ぶりに全日本選手権を制した石川佳純選手のプレイを見て、全ての時間を費やして鍛錬をしているアスリートの迫力に圧倒された。選手のモチベーションをもて遊ぶような事はせずに、やるもやらぬも早期の決断を求めたい。

テクノロジー分野ではもはや何周も周回遅れの日本が国際社会での存在感を取り戻す最後のチャンスは脱炭素を筆頭にした環境問題かもしれない。これから各企業がカーボンニュートラルを合言葉に凌ぎを削っていくだろうが、このクニの市民がレジ袋有料化にすんなりと順応した国民性が企業を後押しする構図は最大の武器になるのではないか。

国内政治に目を向けると、9月に控える自民党総裁選は菅vs岸田の一騎打ちの構図になりそうだ。もはや政策論争に違いは表れない中で、オリンピックが開催されれば菅氏の勝利、中止になれば岸田氏の勝利、と占う。

経済面は今年も新型コロナとの綱引き次第だろう。現状の対策では飲食業、観光業を中心に大量の失業者が出かねない。少子高齢化先進国として、人材の再配置元年と位置付けて、成長のための教育に投資する一年としてみてはいかがだろうか。

過去…自然災害、戦争、疫病と数多の困難を乗り越えてきたのは、時勢に合わせてしたたかに生きてきた市民の力あってこそ。上から目線の政治が振るう采配頼みではなく、適切な支援と市民の知恵がタッグを組んだ事で難しい局面を打開するきっかけとなった一年だったと振り返れる2021年になる事を期待したい。

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